◇今週のこの1枚◇バネッサ・パラディ「Vanessa Paradis」(1992年/Polydor)
フランスの大女優でもありシンガーとしても10代の頃から活躍し、ジョニー・デップと長年、恋人同士だったことでも知られるバネッサ・パラディです。
叔父である俳優ディディエ・パンの紹介で7歳の時からテレビに出演し、妹も女優をしていることから分かるように、芸能人一家の家系ですね。10代で「Joe Le Taxi」で歌手デビューし、フランスでは、11週連続1位のヒットを記録し、一躍スーパーアイドルとなります。イギリスでも、フランス語なのに10位以内にランクインするヒットを飛ばし、順調なデビューを果たします。
この作品は、全世界に飛躍するために作られた作品で、全編英語で歌われている3rdアルバムです。日本では、一応、「ビー・マイ・ベイビー」という邦題が付いています。プロデューサーに1stアルバムが火が着き始めた頃のレニー・クラビッツが迎えられます。カバーの曲もあるものの、ソングライティングも受け持っています。今のレニーには、ここまで大きなプロジェクトは、よっぽど興味がない限り、もう無理でしょうね。
まず、彼女のとてもキュートな歌声にまんまと引っ掛かりましたね。とっても素朴な音作りをしているのですが、決して地味ではなく、極上のポップスアルバムが出来上がっています。一番最初に耳を奪われたのが、ヴェルベット・アンダーグラウンドのカバー曲で2曲目に収録されている「I'm Waiting for the Man」です。今聴いても、力の抜けた作品なのにかっこいいですね。その他の曲もレニーの作曲が光っています。blues色の強い曲も見事に耳触りのいい仕上げになっています。彼女が歌うことによって文化の融合がうまく行ったこの作品に触れてみてください。
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