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書評「青い城」モンゴメリ著、角川文庫

 80年以上前に書かれた作品が何故いま再び注目浴びるのか? 「赤毛のアン」で世界的に名をはせた故人の幻の名作と言われるのが本書だ。

 主人公のヴァランシーは常に周りの人のことを優先する優しい性格だが、異性の友人すらいない。

 「夜が明ければ29歳になる独身の女が、未婚女は男をつかまえられない女としかみなされない社会にいれば、よく眠れないことだって時にはあるだろう」
 世間体ばかり気する一家に囲まれ、焦ったり、後悔したり。そんな主人公の境遇はとても80年前に書かれたものと思えぬほど、現在の30代独身女性とかぶる。
 しかし、ラストには心温まるハッピーエンドが待っている。独身女性に贈る幸せの一冊。(税別705円)

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