街の流儀に乗って代々強盗を繰り返すゴロツキたちの仲間意識と麻薬、売春、残酷な制裁に至るまで、かつては黒人俳優により演じられたブラザー・スピリット的なこの手の作品も、今や格差の進んだ白人社会を舞台に繰り広げられるのが主流。『ザ・タウン』はなにをどう間違ったか、犯罪がはびこる街(チャールズタウン)に生まれついた切れ者アウトローのタグ(ベン・アフレック)とその仲間たちの物語。ハードな犯罪を繰り返すタグは、たった一人の女性クレア(レベッカ・ホール)を愛し、人生が大きく変わっていく。荒っぽい銃撃シーン、圧倒的に迫力のあるカーアクション、スリル満点の強盗シーン、どのシーンをとっても的確なカメラワークが冴え、スピード感もあり、社会派としても娯楽作として楽しめるように作られている。
スーツや軍服を脱いで、人気カジュアル・ブランドのジャージやセーターなど、ラフなファッションに身を包んだベンもやっぱりおしゃれ。幼い頃から一緒だった仲間たちと、なるべくして犯罪者となった孤独な主人公・タグはクレアとの愛で救われるのか? このあたりのストーリー展開は、女性向けで少々メロドラマっぽい。
『ザ・タウン』は2011年2月5日(土) 全国ロードショー!
公式サイト:www.thetownmovie.jp