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ヨーロッパ各国にくすぶり続ける“移民押し付け”問題

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提供:週刊実話

 先ごろフランスのパリ周辺で、主に不法移民にエッフェル塔のミニチュア置物などを販売させていた犯罪集団が警察に摘発された。パリ近郊の倉庫には、20トン以上の置物が保管されていたという。

 パリではエッフェル塔周辺の他にも、モンマルトルやノートルダム寺院などの観光名所で、移民が土産物を売る姿がしばしば見られる。

 「アフリカから欧州に密航してきた移民は、仲介者から“借金づけ”にされており、返済のため土産物の販売を強制されているのです。これら土産物の多くは中国で生産されており、仲介者のバックにいるのは中国マフィア。『スネークヘッド』が欧州でも跋扈しているのです」(犯罪ジャーナリスト)

 欧州のアフリカからの移民問題は複雑である。フランスとイタリアの国境では「不法移民」を取り締まる鉄道での検問が厳しくなっている。このため、歩いてアルプス山脈を越え、イタリアからフランスへ入ろうとする人が絶えない。凍傷や山越えの途中に低体温症で命を落とす人も続出しているが、それさえも覚悟して移民を試みているという。

 そこで警察は、登山道を私服で巡回し、赤外線カメラを使って越境者を捜している状況だ。

 「フランスが越境者追い返しの根拠にするのは、欧州連合(EU)の『ダブリン規則』が原因。難民申請者が最初に到着した国が、申請手続きの責任を負うと定めるこの原則が、欧州内の亀裂を生んでいます。地中海を渡る移民・難民の多くは、イタリアやスペインなどの沿岸国にたどり着く。規則を守れば、これらの国々が難民受け入れの負担を負わなければなりません。6月に発足したイタリアの新政権は“公平な負担”を訴え、規則の抜本的な見直しを主張しましたが、6月下旬のEU首脳会議では結論は出ませんでした」(国際ジャーナリスト)

 フランスに比べ、比較的移民に寛容なスペインには、アフリカからの難民申請者が押し寄せている。主要な欧州の玄関口だったイタリアが受け入れ拒否に転じたためだ。

 だが、スペインの足元にも不満もくすぶり始めている。

 「急に増えた難民申請者にスペイン野党は『首相の姿勢が難民の呼び寄せ効果を生んだ』と批判。去る7月の世論調査で、自国の主要問題に『移民』を挙げた人は11.1%(昨年同時期4.7%)に急増しています」(同・ジャーナリスト)

 命からがら“理想郷”にたどり着いても犯罪集団に食い物にされる。行くも地獄、とどまるも地獄だ。

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