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「おぐらが斬る!」プーチンと金正恩4年半ぶりの首脳会談 一人笑うは金正恩だけか

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北朝鮮の金正恩総書記がロシアのボストーチヌイ宇宙基地に列車で訪れた。北朝鮮の線路は、老朽化が激しく平均時速は30~50㎞しか出せず、総移動距離は約2700㎞でおよそ3日かけての長旅であったようだ。

なぜ金正恩は1日でいける飛行機ではなく、不便な列車にしたのかというと、暗殺を怖れてのことだという。特別列車「太陽号」は分厚い鉄板で覆われており、会議室、寝室、食堂などがそろっているが、防弾装備のため、車体が重くなりすぎ脱線などを防ぐために、スピードが出せないそうだ。

金正恩は専用の飛行機を2機持っているが、かなり古く墜落の危険があるため、列車の方が安全と考えているようだ。もしこれが本当ならミサイルを撃っている場合じゃないだろうと思うのだが・・・

ボストーチヌイ宇宙基地で待ち受けるのはプーチン大統領である。ウクライナ侵攻以来、何もかもうまくいかないプーチンはだいぶ変わった。

他国の首脳と会談するときは、ウクライナ侵攻前だと、ほぼほぼ遅刻をして数時間待たせるのが当たり前だったのが、いまはもうそんなことはしない。

ウクライナ戦争を有利に運ぶために、他国の首脳より早くついて満面の笑みで、出迎えるようになった。今回も同様だ。

プーチンは金正恩に、宇宙技術や軍事技術の協力を申し入れたらしい。北朝鮮は5月と8月に軍事偵察衛星の打ち上げに失敗している。

金正恩としては、ロシアの技術協力はぜひ欲しいところだ。プーチンは北朝鮮の宇宙パイロットをロシアで訓練させるとも言っているらしい。

またウクライナ侵攻がうまくいかないロシアは、慢性的に兵士が足りない。これがどういうことかというと、ロシア本土の労働者が兵隊に取られて足りなくなっているというのだ。

おそらく今回の会談で、北朝鮮の兵士を戦場ではなく、ロシア本土の労働者として大量に送る約束をしたのではないだろうか? ただロシアとしては北朝鮮兵を兵士として使いたいに違いない。

ロシア人の動員された兵士は訓練も足りず士気も低い。ロシア軍は、一般人の3倍の給料で募集をしているが、あまり集まらないらしい。

またロシアはいま24時間体制で兵器を作っているが、それでも足りないのが現状で、一方、北朝鮮には旧ソ連製の兵器の大量の在庫がある。これもロシアとしては喉から手が出るほど欲しいのだ。

北朝鮮がロシアに武器を渡すことは、国連安保理決議に違反するのだが、もう両国とも国際的な制裁をさんざん受けているのだ。何をいまさらという感じだろう。

金正恩はプーチンに兵士や武器を提供することで、ロシアの技術、外貨、食糧、エネルギーなどを得ることができ、兵士は実戦を知り確実に強くなる。

またこれまで、プーチンから「格下」扱いをされていたのが、今回は対等以上の扱いを受けている。今回の会談は、結局北朝鮮の一人勝ちで金正恩は、笑いが止まらないのではないだろうか。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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