金正恩
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社会 2023年09月15日 18時01分
「おぐらが斬る!」プーチンと金正恩4年半ぶりの首脳会談 一人笑うは金正恩だけか
北朝鮮の金正恩総書記がロシアのボストーチヌイ宇宙基地に列車で訪れた。北朝鮮の線路は、老朽化が激しく平均時速は30~50㎞しか出せず、総移動距離は約2700㎞でおよそ3日かけての長旅であったようだ。なぜ金正恩は1日でいける飛行機ではなく、不便な列車にしたのかというと、暗殺を怖れてのことだという。特別列車「太陽号」は分厚い鉄板で覆われており、会議室、寝室、食堂などがそろっているが、防弾装備のため、車体が重くなりすぎ脱線などを防ぐために、スピードが出せないそうだ。金正恩は専用の飛行機を2機持っているが、かなり古く墜落の危険があるため、列車の方が安全と考えているようだ。もしこれが本当ならミサイルを撃っている場合じゃないだろうと思うのだが・・・ボストーチヌイ宇宙基地で待ち受けるのはプーチン大統領である。ウクライナ侵攻以来、何もかもうまくいかないプーチンはだいぶ変わった。他国の首脳と会談するときは、ウクライナ侵攻前だと、ほぼほぼ遅刻をして数時間待たせるのが当たり前だったのが、いまはもうそんなことはしない。ウクライナ戦争を有利に運ぶために、他国の首脳より早くついて満面の笑みで、出迎えるようになった。今回も同様だ。プーチンは金正恩に、宇宙技術や軍事技術の協力を申し入れたらしい。北朝鮮は5月と8月に軍事偵察衛星の打ち上げに失敗している。金正恩としては、ロシアの技術協力はぜひ欲しいところだ。プーチンは北朝鮮の宇宙パイロットをロシアで訓練させるとも言っているらしい。またウクライナ侵攻がうまくいかないロシアは、慢性的に兵士が足りない。これがどういうことかというと、ロシア本土の労働者が兵隊に取られて足りなくなっているというのだ。おそらく今回の会談で、北朝鮮の兵士を戦場ではなく、ロシア本土の労働者として大量に送る約束をしたのではないだろうか? ただロシアとしては北朝鮮兵を兵士として使いたいに違いない。ロシア人の動員された兵士は訓練も足りず士気も低い。ロシア軍は、一般人の3倍の給料で募集をしているが、あまり集まらないらしい。またロシアはいま24時間体制で兵器を作っているが、それでも足りないのが現状で、一方、北朝鮮には旧ソ連製の兵器の大量の在庫がある。これもロシアとしては喉から手が出るほど欲しいのだ。北朝鮮がロシアに武器を渡すことは、国連安保理決議に違反するのだが、もう両国とも国際的な制裁をさんざん受けているのだ。何をいまさらという感じだろう。金正恩はプーチンに兵士や武器を提供することで、ロシアの技術、外貨、食糧、エネルギーなどを得ることができ、兵士は実戦を知り確実に強くなる。またこれまで、プーチンから「格下」扱いをされていたのが、今回は対等以上の扱いを受けている。今回の会談は、結局北朝鮮の一人勝ちで金正恩は、笑いが止まらないのではないだろうか。プロフィール巨椋修(おぐらおさむ)作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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社会 2023年07月31日 19時02分
「おぐらが斬る!」休戦70年 北朝鮮はいま何を考えているのか
7月27日、北朝鮮は朝鮮戦争の「戦勝記念日」と位置づける軍事パレードを行った。ロシアからショイグ国防相、中国から李鴻忠政治局員が参加したが、なかでも金正恩総書記がショイグ国防相に盛んに話しかけているシーンが目立った。どうやら、李鴻忠政治局員はショイグ国防相より格下であり、また金正恩氏はロシアに兵器を売り込みたいという下心と、ロシアとの親密さを日米韓、そして中国にアピールしたかったらしい。軍事パレードでは、次々と北朝鮮の最新兵器が公開された。まず戦闘用ドローンが2機だ。これは米軍の無人偵察機「グローバルホーク」と無人攻撃機「リーパー」を、外見上モロパクリしたものだ。これらは「北朝鮮の技術は、米国の兵器をそっくりに模倣できる」とアピールするためであろう。ただし最先端兵器というものは、最先端の科学力が必要なので、その能力はまだ不明だ。また最新兵器だけではなく、北朝鮮には朝鮮戦争時代の古いソ連製の砲弾がたくさんある。それをウクライナ戦で、砲弾不足になっているロシアに売りたいという思惑もあるらしい。すでに去年のニューヨークタイムズ9月5日によると「ロシアは北朝鮮から何百万の砲弾とロケットを購入したと報道されている。一方、8月18日に、日米韓首脳会談が、ワシントン近郊のキャンプデービッドで行われる予定だ。議題は「北朝鮮問題についての3か国協力拡大」である。こういった会談は、大きな国際会議の後に行われることが多いが、単独で行われるのは珍しい。それだけ北朝鮮を危険視しているということだろう。北朝鮮はウクライナ戦争を見て「核がないと、他国に侵略される」という思いと「同盟がないと、侵略される」という2つのことを強く思ったことであろう。ウクライナは核もなく、NATOにも入っていないから、ロシアの侵攻を許したのだと。1948年9月9日、ソ連(ロシア)の朝鮮占領軍が監督する中で北朝鮮は建国した。以来、建国のときから北朝鮮はソ連の傀儡国家であり、頭が上がらない相手であった。それが2023年7月26日、建国後初めてロシアの重鎮ショイグ国防相が、頭を下げて兵器を都合してくれと言ってきた。中国は北朝鮮の核開発を良く思っていないが、いまさら北朝鮮を切れない。ウクライナ戦争のおかげでロシアとの関係は強化できた。ICBM(大陸弾道ミサイル)で全米を射程に入れることも成功しそうだ。いま金正恩氏はニンマリと笑っているのかも知れない。プロフィール巨椋修(おぐらおさむ)作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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社会 2023年07月05日 22時01分
「おぐらが斬る!」一時は豊かであった北朝鮮が世界の最貧国に落ちるまで
いまや北朝鮮は、世界でもっとも貧しい国の1つだ。しかし60年ほど前の北朝鮮は、一時的とはいえアジアの発展途上国でもっとも工業化が進んだ国となり、共産主義の理想的な国と言われたほどであった。北朝鮮は韓国に対しても優位に立っていたのだ。なぜ北朝鮮はここまで落ちてしまったのか? 一言でいえば最初のリーダー金日成はカリスマであったが、国家経営についてはダメンズであったからだ。1953年、朝鮮半島は二つに分断され、北朝鮮という国が誕生して以来、ソ連や中国から援助を受け続け、ずっと自立できず援助や支援で生きてきたダメンズ国なのだ。北朝鮮が1950年~1960年にかけて一時的に豊かになったのは、巨額の経済的支援をソ連や中国から受け取り、道路・鉄道・港湾・ダムといった産業の再建が進んだからだ。なぜソ連や中国、特にソ連がここまで北朝鮮を支援したかというと、北朝鮮と韓国が冷戦の縮図であり、北朝鮮が資本主義国の韓国に劣るということは、共産主義国の敗北であったからだ。金日成はそれらの支援金を豊かな鉱山の開発に使わず、軍事力の強化と軍需産業の基盤となる重工業につぎ込んだ。重工業とは製鉄や造船、軍需などだが、金日成は重工業を重視するあまり、農民を強制的に工場へ動員した。そのため食料生産力がどんどん落ちてきた。それでも1970年くらいまで北朝鮮は韓国に比べて経済的に優位にたっていた。80年代になるとこれまで頼りにしてきたソ連など共産諸国からの援助が大きく減り、エネルギー不足や食糧難で餓死者が出るようになった。その80年代に、韓国は激に民主化や五輪を行うなど急激な経済成長をしていくのである。やがて頼りにしていたソ連は崩壊。中国は改革開放路線に舵を切った。北朝鮮はそれでもこれまでの方針を特に変えなかった。ソ連はロシアとなり、北朝鮮への支援は激減した。そのため支援で食べていた北朝鮮は90年代になると大量の餓死者を出すようになり最貧国へと落ちて行った。それでも金日成の後継である金正日・金正恩は金日成路線を受け継ぎ、決して改革などをしようとしなかった。理由はカンタンだ。改革は金王朝の崩壊のリスクがあるからだ。それよりも、反体制的なものを徹底的に取締り、中国から経済援助をもらいつつ、密輸やサイバー犯罪など違法行為で外貨を稼ぎ、現体制を続けていきたい国家なのだ。いま北朝鮮に眠っている鉱物の価値は、総額10兆ドル(1431兆2000億円)以上の宝の山で暮らしながら、採掘する機材は古く、新しい機材を導入するには、技術も資金も足りず、作業員を動員しようにも、餓死者が出ている現状では、宝の持ち腐れ状態だという。60年前のまだ豊かであった時代ならまだしも、いまの状態では鉱山開発をすることは難しい。ミサイルの発射実験を一時的にもやめれば、お宝を手にすることができるのに、金正恩にその気はないらしい。プロフィール巨椋修(おぐらおさむ)作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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社会 2023年03月20日 22時30分
北朝鮮・韓国 半島国家との付き合い方は難しい
米韓の合同軍事演習が、5年ぶりに実施されている。北朝鮮の核ミサイルの脅威を反映したものだ。そしていつものように北朝鮮はミサイルを日本海に撃ち、威嚇を行っている。そもそも2019年の春、金正恩総書記と当時のトランプ大統領・文在寅大統領の間で、北朝鮮が核実験をやめるなら、毎年恒例の米韓合同軍事演習規模を縮小しようということになっていた。当時は核問題が大問題になっており、トランプと文在寅は、金正恩の希望も一部受け入れて、北朝鮮が一番願っていた米韓軍事演習を一時中止した。だが、金正恩は核開発をやめなかった。そして韓国の大統領が代わった。新しい尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は「北朝鮮と話し合うのは無駄だ、力で抑えつけるしかない」と考えている。そして米大統領もバイデンに代わり、米韓は5年ぶり合同軍事演習を行うことになった。尹大統領に言わせれば「金正恩は【しつけ】なければならない。これまで25年間、北と話し合ってきた。支援も行った。しかし金正恩は核開発をやめない。ミサイルも打ち続けている。我々は騙され続けてきた」と、いうことだ。かといって対する北朝鮮もこのままだまっているわけがない。今回はじめて潜水艦からの巡航ミサイルの発射訓練を実施した。これは潜水艦から正確にミサイルが撃てるのだぞという、日米韓への威嚇でもある。今後、4月15日に故金日成主席の誕生日があり、4月25日は朝鮮人民革命軍の創建日、4月46日は韓国の伊大統領がアメリカ訪問に予定である。またこのあたりでもミサイルを北朝鮮は撃ちあげると予想できる。さて、今回の岸田総理と尹大統領の「シャトル外交」を十数年ぶりに再開させることが、ほぼ決定した。これも金正恩への圧力になっているはずだ。韓国の場合、政権が代わるとこれまでの約束を反故にするということが、当たり前のように行われてきた。「徴用工問題」「慰安婦問題」「韓国併合問題」を今後蒸し返すようなことをさせないように手をうたないといけないのだが、かの国は平然と手の平返しをしてきた歴史がある。2018年、海上自衛隊P1哨戒機へのレーダー照射問題もある。レーダーを照射するということは、これから攻撃するぞという意思表示なのだ。日本としては、このような国をどこまで信用していいのか。いくら尹大統領が日韓関係改善をがんばっても、韓国国民の支持がなければなんともしがたいだろう。今回の日韓首脳外交も、韓国内では賛否が分かれているという。もうしばらく様子を見たいところだ。それにしても、二つの半島国家との付き合い方のなんと難しいことよ。プロフィール巨椋修(おぐらおさむ)作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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社会 2022年04月28日 10時15分
北朝鮮、ロシアのウクライナ侵攻から影響?「プーチンのやり方に鼓舞されて」李相哲教授が指摘
4月27日放送の『辛坊治郎ズームそこまで言うか!』(ニッポン放送)に、北朝鮮情勢に詳しい龍谷大学教授の李相哲氏が電話でゲスト出演した。 李氏は25日夜に行われた北朝鮮の軍事パレードに関して、「今回非常に怖い話を金正恩が演説で口にしたんです」と明かした。 >>ウクライナ外務省、支援国への感謝動画に日本がなく波紋 在日ウクライナ人が擁護もSNS投稿削除<< 金正恩総書記が核に対する認識を「今までは核兵器は戦争抑制の武器だと言ってきたのが、それに限らず国家の根本利益を害することに対して核を使う」と変えてきた点を指摘。李氏は「根本利益を害する」判断をするのは金総書記本人であり、「日本で北朝鮮の資産を差し押さえたら、根本利益を害するとして核使用が可能なんです」と解釈が広まったと指摘。さらに今後は「北朝鮮に入る石油の禁輸措置、物資を運ぶ船の臨検とか、そういうことを視野に入れるんじゃないか。そういうことを北朝鮮は国家の根本利益を害する行為」と考えるのではと分析した。 さらに、この動きの背景には、ロシアのウクライナ侵攻も影響しているようだ。辛坊治郎氏が「最近のプーチン大統領の喋る内容というのを聞いていて、言い方が金正恩そっくりだなって感じがする」とコメントすると、李氏も「金正恩もプーチンのやり方を見て鼓舞されていると思います」と話した。 李氏は「つまりプーチン大統領が核をちょっと口にすると、西側諸国というかアメリカとかが戸惑ったりとか、ひるむことさえもありますよね。ですから金正恩が今回、大胆にも『我が国に対して何かやったら核を使うぞ』と言うことだと思いますけどね」と話していた。これには、辛坊氏も「ロシアのウクライナ侵攻の負の影響がじわじわ出始めている気がする」とコメントしていた。 これには、ネット上で「プーチンの行動が金正恩に悪い影響を与えちゃってるのか」「これはテレビじゃ聞けない話だな」といった声が聞かれた。
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