番組の内容を見て興味を持ったり、また商品や料理店を選ぶ際の参考にしたと言う人も少なくないだろう。しかし、これらの番組には裏で動く『ブローカー』の存在がいることをご存じだろうか。
「まさか本当にあんな話があるとは、思ってもみませんでした…」と話すのは、情報誌を制作している某ライター氏だ。彼が飲食店を取材している時に、その店の主人やオーナーに聞いたのだという。
「取材した店のご主人が『うちにもゴールデンタイムにやる番組の1コーナーに出ませんか、って電話が来たんですけどね』と言っていたんです。人気番組のオファーなのにどうして言葉を濁すんだろうって思ってたんですけど」
詳しく聞くと、そのオファーの話を出してきたのは、その人気番組の局の者ではなく、フリーの制作会社の者だった。そして、彼は電話越しに店側にこんな『取材の要請』をしてきたと言う。
「今なら『宣伝費』幾らであの番組に出られますよ、あの人気コメンテーターの高評価が欲しければ『広告費』として更に勉強してもらって、等とあれやこれやと言ってきたそうなんです」
その金額は、明らかに高額すぎるものだった。いくら番組制作の事情に疎いとはいえ、不審に思った店主やオーナーはこの申し出を断ったという。
「要は番組の制作費や構成する材料費を、その『広告費』から捻出しようとする人たちだったんですね」と、そのライター氏は続ける。『宣伝』を口実に番組制作予算をまかなえるような金額をふっかけてくるブッキング専門の仲介業者だったのだ。広告媒体を多く持つような大手のチェーン店ならいざ知らず、そこまで規模の大きくない店舗の場合、テレビ番組に出ると言うことはそれだけで大きな意味を持つ。だからこそ、向こうもこちら側が思わず「それぐらいなら払っても良いか」と思うような『値段設定』で話を持ち出してくるのだろう、と彼は言う。
「噂には聞いていましたが…実際に耳にすると、嫌なもんですね」と、ライター氏は最後に付け加えた。
あなたは番組の内容に、違和感を覚えたことはないだろうか? もしかしたらその違和感の影には、こんな『黒幕』がいるかも知れない。