ミランダ・ホブスは弁護士、サマンサ・ジョーンズは広告代理店の経営者、シャーロット・ヨークは画廊勤務。いずれもミドルクラス/アッパー・ミドルクラスの女性達で、NYで日々サバイバルの為に奮闘しているたくさんの女性達から見れば優雅な生活をしている部類に入る。
4人の性格はそれぞれに際立っており、うまく設定されている。キャリーは私の見るところ、ニューヨークにはあまりいないタイプ。出身が中西部のせいか甘さが残る。ぶりっこな一面もあるしオトコに振り回される傾向もある。
劇場版でセント・ルイス出身という設定だった秘書のルイーズ(ジェニファー・ホリディ)の方がよほどニューヨーカーっぽい。
キャリーが全編を通じて交際を続けるミスター・ビッグはサラ・ジェシカ・パーカー本人がインタビューで答えているように「問題あり」の煮え切らない男。そんな彼とズルズルと付き合うキャリーの恋愛事情がどう完結するのか、見ている方はハラハラドキドキさせられる。
キャリーも、いつも彼の顔色を伺い、彼の言動に左右され、「少し泣いたり、少し笑ったり、それが恋のグローリー」という歌の文句のように、常に一喜一憂している。彼女が劇場版で遂にビッグと結婚できたのは「粘り勝ち」と言えるだろう。普通の女性であれば10年もくっ付いたり離れたりはとてもできない。
「長い道のりだったね、キャリー・ブラッドショー!」
(セリー真坂)