◇今週のこの1枚◇ハッピー・マンデーズ「Pills 'n' Thrills and Bellyaches」(1990年/Factory)
最近でも、時代が2周ぐらいしたのか、ハッピー・マンデーズがお気に入りです。なんとも言えない低音の響きが、有象無象の快楽のシャワーとなって、私を襲うのである。
元々、退屈の極限にあった若者が、閉鎖された学校や廃屋をパーティー会場に変え、好きなレコードを大音量で流し、踊り、歌い、その辺にあるものを打ち鳴らし、まるでフーリガンまがいの馬鹿騒ぎをしていた連中が、ハッピー・マンデーズの原型となります。そんな中で音楽をやり始め、昔から一緒にやってるだけなのに誰かが勝手にバンドと呼ぶようになったとボーカルのショーン・ライダーは語っています(笑)。とても仲間やそれに付随する人たちを大切にしてムーブメントが広がっていったことが分かります。実際、大ヒットするこのアルバムの前に1万人ほどを集めるムーブメントになっていました。
ハッピー・マンデーズの中で、このアルバムが、内容的にもセールス的にも頂点のものだと思います。リズムは最初から最後まで、さほどスピードの変化はないのですが、それが逆にアイデアという形でアレンジも巧妙さに繋がっています。とてもイメージだけで言うと、不良の集団みたいな感じですが、メロディーも全曲、素晴らしく、気持ちのいい世界が最後まで続きます。各楽曲で飛び出てくる楽器もとても効果的です。若い頃は、もっとdance寄りな音楽に聴こえていたのですが、今は完全にrockに聴こえますね。
昔からイギリスのバンドには、何をしているか微妙なメンバーがいて、マンデーズにも、ダンサーでしかも超人気者だったベズがいましたが、来年の総選挙に出馬するらしいです(笑)。そんな話題のマンデーズですが、前回の来日をキャンセルされて、空振りを食らったので、是非また日本に来る計画を立てて欲しいですね。
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