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【オカルト業界の権威・山口敏太郎の実話“怪”事件簿】〜メロンの精〜

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画像はイメージです

これは筆者・山口敏太郎がある人物から聞いた話である。

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 小学生の頃、妖精が見えたことがあった。

 ある夜、デザートのメロンを食べていた時のことだった。

 食べ終わって、台所の流し台に持って行ったところ、流し台には既に弟が食べ終わったメロンの皮と、皿が放置してあった。

 私が、使い終わったスプーンを弟の皿の上に置くと

 「チン!!」

 と、皿が割れんばかりの大きな音が響いた。

 すると、置いてあった弟のメロンの皮から、1センチほどの青白い光の玉が

 「ひゅるひゅる」

 と20センチほど飛び上がり、私の目の高さの少し上くらいで 一瞬

 (ぱぁっ)

 と弾けるように光り、そして消えた。

 ちょうどそれは、花火のような、照明弾のような、マグネシウム系の光であった。

 目の前で、フラッシュでも焚かれたような、チカチカした残像が目に残り、私はあっけにとられていた。

 もちろん、そんなものを目の当たりにしたのはこれが初めてだ。我が家はあれを

 「メロンの精」

 「メロンを食べに来た妖精」

 などと呼ぶようになった。

 もちろん、普通に食器が触れ合っただけでこのような火花が散るわけでもなく、正体も原理も謎のままとなっている。

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 以上が、彼が報告してくれた体験談である。

 一連の様子はまるで、何者かがメロンが食べてくれたことにお礼をするかのような光景だったそうだ。

 人知れず山奥に生える柿の木から熟した実を人間に食べてほしいと、赤ら顔の大入道に化けて人の前に現れたという妖怪「たんころりん」の伝説があるが、彼が目撃したものもまた同じようなものだったのかもしれない。

 これから暑い夏になり、メロンも旬を迎える時期になるが、もしかすると読者の方の前にも光り輝くメロンの精が現れるかもしれない。

(山口敏太郎)

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