前日まで「2勝1敗」の霧馬山はこの日、「0勝3敗」の平幕・錦富士と対戦。立ち合い、右足を踏み込んで前に出てきた錦富士に対し、霧馬山は右手で顔面を張りながら左方向に変化。体勢が崩れた相手に一気に押し込もうとしたが、土俵際でいなされ両者同時に土俵外へ。行司軍配は錦富士に上がったが物言い・協議の結果、同体取り直しとなった。
取り直しの一番では錦富士が立ち合い勢いよく前に突っ込んだが、霧馬山はまたしても左方向に変化。そこから左四つの体勢に持ち込むと、錦富士が引いたところに叩きを合わせ地面にはわせた。
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この霧馬山の相撲に、ネット上からは「こんな消極的な相撲するなんて見損なった」、「格下相手に2回も変化して恥ずかしくないのか」、「2日連続の取りこぼしを恐れたのか…?」、「初対戦だからといってこれはちょっとビビりすぎでは」といった失望の声が寄せられた。
「霧馬山は小結で臨んだ今年1月場所で11勝、新関脇となった3月場所では12勝(優勝)をマークし、今場所は10勝以上なら大関昇進目安(三役で直近3場所33勝以上)を満たす状況。大関とりに向け初日から連勝と幸先よく発進したと思いきや、3日目の平幕・阿炎戦に敗れ今場所初黒星を喫しました。2日連続の取りこぼしは上位対戦が続く後半戦に響くと考え、形はどうであれ4日目は勝ちがほしかったのでは。また、今回の一番が初顔合わせだった錦富士を最大限警戒した結果という可能性も考えられます。錦富士は今場所、連敗スタートと今ひとつですが、先場所までの幕内5場所では勝ち越し4回(うち2ケタ3回)を記録しており決して楽な相手ではありませんでした」(相撲ライター)
取組後の報道によると、霧馬山は2度変化した理由について「立ち合いの手があまり合わなかった」と説明しつつ、「いい相撲じゃなかった」と反省の弁を口にしたという。物議を醸す取り口でもぎ取ったこの日の白星は今後どのように活きてくるのだろうか。
文 / 柴田雅人