守護神・湯浅京己投手の登録抹消、同日、3打席3三振に終わったドラフト1位ルーキー・森下翔太外野手の二軍降格、代わりに昇格してくる選手たちのこと、首位陥落、そして、「球団ワーストタイのハマスタ10連敗」など…。
聞きたいことは山ほどあったが、時間は限られていた。だが、今のチーム状況を象徴するコメントも発せられた。
「急にだったからさ。そらアカンって」
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湯浅と交代で昇格してくるのは、及川雅貴投手。及川は「先発要員」として調整を続けてきた。クローザーを外して、先発投手を補充する“矛盾”について聞き直された時、岡田監督は顔をしかめたのだ。
「湯浅抹消」の理由がWBCによる蓄積疲労であることは、既報通り。どの球団もWBC出場選手の疲労は予測していた。岡田監督も慎重を期して湯浅を登板させてきたが、今回の離脱は「緊急事態」「想定外」であったようだ。
「湯浅は4月13日の巨人戦に投げています。3者3三振で試合を締めくくりました。その登板前から、休養させなければならない状態だったという声も聞かれましたが」(在阪メディア)
しかし、そんな“ボロボロの状態”にある投手を登板させる状況ではなかったのだ。
9回裏、巨人が始まろうとしていた時点でのスコアは「4対1」。湯浅以外のリリーバーでも逃げ切れたはずだ。
13日の登板後に「何かあった」と見るべきだが…。
「球団発表やコーチ陣の話では、どこか故障したのではなく、肩やヒジなど特定の箇所に痛みがあるわけではないようです」(前出・同)
また、岡田監督は12日に「勝ち試合の継投の一角」を任せるつもりでいた浜地真澄投手の二軍降格も決めている。代わって一軍登録された岩貞祐太投手は「救援の経験」もあるが、この時点で「湯浅の蓄積疲労」が念頭にあれば、リリーバーが2人も離脱するリスクにも備えていたはずだ。
「及川もリリーフの経験がありますが、不安が残ります」(前出・同)
「ハマスタ10連敗」のワーストタイだが、岡田監督にとって、同球場はイヤな思い出も残っているようだ。
2008年10月10日、第一期岡田政権はこの球場での一戦を落とし、ライバル巨人の優勝も知らされた。最大13ゲーム差を引っくり返されての屈辱であり、今回の連敗と首位陥落を絡めて、「相性の悪さ」も伝えられている。
しかし、4月15日、同球場で岡田監督は5305日ぶりの単独首位に立った。「5月までは微調整」とも語っていたので、岡田監督もある程度のハプニングは覚悟していたと思われる。甲子園に帰って広島との3連戦が始まる。帰阪の新幹線に飛び乗った指揮官は、チームをどう立て直すのか…。(スポーツライター・飯山満)