身内の起用が批判を集めてしまった政治家はこれまでにもいる。
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小泉純一郎元首相は、実の姉が長らく秘書を務めてきた。総理大臣時代には首相官邸で食事など身の回りの世話も行っていたため、批判的な声も聞かれた。このほか小泉氏は、実弟を私設秘書に据えたほか、自身の事務所では親族も働かせていた。周囲を身内で固めていた政治家と言えるだろう。
自民党の目玉タレント候補として、2010年に参議院議員となった三原じゅん子氏は、公設秘書に24歳下の恋人だった男性を据えて、公私混同と批判を集めた。さらに、この男性は実質的に秘書の業務を行わなかったため、ほかの公設秘書たちの仕事量が増えてしまったとも言われている。
2022年2月に亡くなった石原慎太郎氏は、東京都知事時代だった2006年、若手芸術家を支援する事業「トーキョーワンダーサイト」に、支援対象として四男の延啓氏を起用し、金銭の支援を受けていたことが明らかになった。延啓氏は画家でありアーティストではあるものの、アートシーンで決して高い評価を受けているわけではなく、なおかつ世間的にも無名だったため、身内の起用なのではと批判が集中した。これを受け、石原氏は「余人に代え難い」と反論している。
政治の現場では、信頼関係が大きなアドバンテージを持つのは確かだろう。そこで気心の知れた身内という選択肢もあるのかもしれないが、批判を集めることも少なくないため、起用は諸刃の剣と言えるかもしれない。