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阪神・藤浪、先発再転向を断念の可能性? 矢野監督がキャンプでの実戦スタートを前倒ししたワケ

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藤浪晋太郎

 無観客を逆手に取った“新・調整法”と言っていい。阪神がスタッフミーティングを開き、春季キャンプの一、二軍の振り分けを決めた。同時に発表された日程表には、こう記されていた。「2月4日 紅白戦」――。

 同日は、木曜日だ。どの球団もそうだが、キャンプ観戦するファンのためを思って、実戦形式の練習は土・日曜日に組み入れてきた。しかし、今年は無観客となるので、その配慮はいらない。阪神は基本、4勤1休を1クールとするので、その第一クール最終日に“最初の実戦”を行う。

 「キャンプ序盤の実戦には、賛否両論あります。でも、選手の側からすれば、首脳陣が『やる』と決めた以上、それに従うしかありません。実戦ができる状態まで体を整えてキャンプに臨まないと」(プロ野球解説者)

 早期の実戦と言えば、思い出されるのが、落合博満氏が中日指揮官に就任した2004年の春季キャンプだ。2月1日のキャンプ初日にいきなり紅白戦を行った。

 今回の矢野燿大監督もそうだが、「実戦に臨める体を作ってこい」と言っても、「猛練習をやる」とは言っていない。開幕戦を迎えるまでの調整日程を変えたのだ。

 「選手を鍛えるのが秋季キャンプ、春季キャンプは開幕に向けた調整と位置づけられています。一部の若手は春季キャンプでも猛練習となりますが、首脳陣が一番恐れているのが怪我。計算に入っていた選手がチームを離脱することなんです。今春の阪神キャンプは、長時間の練習はやりません。各々で『足らない』と思えば、居残り練習をするイメージです」(関係者)

 前年の秋季キャンプで猛練習をやったのかどうかだが、04年の落合中日と、今回の矢野阪神では大きく異なる。新型コロナウイルスの影響で、20年の秋季キャンプはほとんどできていない。若手は宮崎でのフェニックスリーグに参加しているが、中堅以上は“自主制”となった。前年秋の下地がない上での早期の実戦は良策ではないようだが…。

 「実戦を早くやることで、選手に『何が足らないのか』を気づいてほしいのでしょう。阪神ファンが大きな期待を寄せている新人の佐藤輝明内野手(近大)には、プロ投手の投げるボールのスピード、キレを体感してもらいたい。早い時期にプロのレベルが分かれば、その後の練習内容も違ってきます」(前出・同)

 早期の実戦で試されるのが、藤浪晋太郎投手だ。昨季後半のピッチング内容であれば、期待して良さそうだが、今季の先発ローテーションは“飽和状態”に近い。当確は西勇輝、高橋遥人、青柳晃洋。新加入のチェン・ウェイン、アルカンタラがいて、秋山拓巳も復活をめざしている。「ドラフト2位の伊藤将司投手(JR東日本)も計算に入っている」との情報も聞かれた。

 >>阪神・藤浪に「来年先発に戻って」片岡氏が先発再転向を主張「後ろの投手はクイックや…」リリーフの弊害を指摘も賛否<<

 先発枠入りを狙う藤浪にとってはライバルが多すぎる。昨年末の契約更改では「先発一本」と語っていたが、キャンプ前半までに結果を出さなければ、中継ぎ専念ということも十分に考えられる。矢野監督が第1クール最終日に紅白戦を予定した目的をよ~く考えなければ、藤浪以外にも開幕一軍メンバーから脱落する選手が出てきそうだ。(スポーツライター・飯山満)

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