負の連鎖にはまり込んでしまった伊藤は、ファーム調整中に足の肉離れも発症。「一言で言うと悔しかったっすね。出来れば2度と同じ事はしたくない悔しいシーズン」と苦しんだ1年となってしまった。
元凶は「開幕ダッシュが上手くいかなかった。試合に勝つことが一番大事なんですが、なかなか勝てずにいい流れに乗れなかった」と分析。オフには「身体作りをしっかりして、結果でしか見られない世界の中でしっかり結果を出す準備を」とリベンジを誓う。
来シーズンは、三浦監督が指揮を取ることとなり、「去年は一軍ピッチングコーチだったので、ピッチャーの状態などよくコミュニケーションを取っていた」とやりやすさを強調。「その頃からよく“攻めろ”という言葉を使っていました。二軍監督の今年も、ピッチャーも野手も同じように気持ちで攻めろと、ひたすら声を掛けていました」と番長野球のめざすところは既にインプット済み。「監督が考えていることを、試合で表現することがキャッチャーの仕事」と捕手としての矜恃を語り、「三浦さんになって初めてのシーズン。戦力としてチームの勝利に貢献できるように、1年間戦えるようにしたい」と気を引き締めた。
苦渋をなめた2020年シーズンはもう終わった。オリックス時代の不遇も体験した伊藤光は、三浦新監督の元で再び輝きを取り戻す。
取材・文 /萩原孝弘