ここでは、現役女子大生レスラーとして話題となった雫あき選手が活躍した。第1部の第1試合で、デビュー戦となった河原のぞみ選手と対決した。これまで雫選手は「リングに咲く一輪の花」と紅一点であることが強調されていたが、かわいい後輩である河原選手との試合では、ややヒールぶりを発揮。序盤では河原選手が猛攻するも、すぐに雫選手のペースとなり、アルゼンチン・バックブリーカーで河原選手を下した。
第1部メインイベントのタッグマッチでHDTスタイルズ(SWSガクセイプロレス)&オナルドファック(関東学生プロレス連盟OB)が反則技を駆使してKWAタッグ(オパンT武藤&バットナース田中村)を破ると、雫選手はリングに上がり、マイクパフォーマンスを行った。お寺で反則する罰当たりを批判し、第2部では勝利すると宣言した。
そして第2部メインイベントでは、エロワードネゲロ&雫あきのタッグが、HDTスタイルズ&オナルドファック組と対決した。
先発はスタイルズ選手とネゲロ選手で、スタイルズ選手の優勢で進む。交代したオナルドファック選手も攻撃を続けた。ネゲロ選手と交代した雫選手が反撃するが、HDTスタイルズ&オナルドファック組は雫選手の髪を引っ張るという反則攻撃で対抗した。
会場から雫コールが起こるも、ヒール組は依然として、二人がかりで雫選手を攻撃し続ける。レフェリーは救援に向かおうとするネゲロ選手を止めようとし、ヒール組の反則を見ない。実況席からはレフェリーに対し、「志村、後ろ、後ろ」と声が飛んだ。雫選手は何度もフォールに追い込まれたものの、その度に跳ね返し、最後は勝利した。
試合終了後のマイクパフォーマンスで雫選手は「お寺なので正義は勝つ!」と力強く宣言。さらに観客の子ども達に「本当に強い子は暴力を振るわない。真似しないで」と語った。お寺で行うプロレスにふさわしく、悪行を尽くしたヒールが最後に敗北するという勧善懲悪の展開になった。
(『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者 林田力)