search
とじる
トップ > トレンド > 「パチンコの現場」パチンコイカサマ攻略法の闇

「パチンコの現場」パチンコイカサマ攻略法の闇

 都内に住むAさんは大手商社のサラリーマン。2人の子宝にも恵まれ、一見すると順風満帆の人生に思える。だが、彼は妻に内証で多額の借金を抱えていた。その原因はパチンコ攻略法。振り込め詐欺などと並び、近年パチンコ攻略法による被害が急増している。

 Aさんは大のパチンコ好き。平日は仕事に追われているのでパチンコを打てるのは休日のみだ。だが、Aさんはわずか半年で500万円という多額の借金を抱えてしまった。
 その原因はパチンコの攻略法。負けが込んでいる時にたまたま雑誌で見かけた、「誰でも勝てる」という攻略会社の広告。「最初に無料の攻略法を電話で教えてもらい、言われたとおりに打ったら3連続で勝てました」。
 これに気を良くしたAさんは、再度電話をかけ70万円支払ってVIP会員になり、“VIP専用攻略法”なるものを100万円で購入。だが、負けることが大半だったという。苦情を入れると「タイミングが悪いですね」とか「あの店は台の癖が悪いんですよ」などと、言葉巧みに交わされた。また、実際に相手が目の前で実演することもあったという。「ショールームみたいなところに招かれ、そこで実際に相手が攻略法を使って大当たりしたんです。その時は気づきませんでしたが、台を改造していたのでしょう。今にして思えば、最初に無料の攻略法で勝ったのも単なる偶然だったのです」
 パチンコ・パチスロに限らず、かつては本物の攻略法が多数存在した。パチンコならば連チャン機における内部システムを利用した連チャン誘発打法、また、パチスロのゾーン狙いなども見方を変えれば攻略法の1つといえる。
 だが、今回取り上げる攻略法会社による攻略法の数々は、そのすべてがまがい物と思ってまず間違いない。ひと昔前と違い、今のパチンコのプログラムは精巧に作られている。攻略法会社がいう“バグを誘発”できるようなもろいプログラムが市場に出回ることはまずない。そもそも、そんな攻略法が本当に存在するのであれば、誰にも口外することなく自身でホールに出向き、その攻略法で稼ぐのが一番手っ取り早いはずだ。もっとも、本当の攻略法が発覚したとすれば、メーカーとホールがすぐに対策を施すだろうが…。

 「攻略法会社で一番有名なのが梁山泊。数年前に休刊になったある雑誌は梁山泊の関連会社から出版されていました。内容がとにかくひどい。オカルトならまだしも、ほぼすべてが攻略法でしたからね。その雑誌や攻略法の売り上げで、100億円ほどの利益を上げていたのです」と語るのは、攻略法詐欺に詳しい事情通。さらにこう続ける。「梁山泊は2007年に証券取引法違反で役員が逮捕されている。実質経営者だった豊臣春国は元山口組系幹部です。かなりのやり手で、裏社会では松山春国、近藤春国などといった名前で知られています」
 梁山泊を筆頭に、絶対に勝てるとうたう攻略法会社は星の数ほど存在する。だがよく考えてみてほしい。「1か月100万円の収支をお約束!」。本当にそんなキャッチフレーズ通りもうかるのであれば、日本はパチプロだらけになってしまう。それでも攻略法にだまされる人は後を絶たない。
 その裏にはこんな心理が働いていると、前出の事情通。「書店やコンビニなどで普通に売られている専門誌に堂々と掲載されているから、安心感があるのでは」。では、出版社には罪の意識はないのだろうか。「もちろん出版社側は詐欺だと認識していますが、それ以上に重要なのが“広告主”という事実。彼らは金払いはいいですから。出版社にしてみれば優良顧客というわけです」
 最近は攻略法会社だけでなく、その広告を掲載した出版社が訴えられるケースもあり専門誌は激減。また、パチンコ・パチスロメーカーも自社HPなどで攻略法詐欺に関する注意勧告を積極的に行っており、攻略法会社の広告を掲載する出版社は取材お断りというケースも増えてきている。
 また、最近ではネットオークションでひっそりと売られることもあるなど、その手口は巧妙化しているという。「梁山泊のように、攻略法会社の多くは暴力団とつながりがある。取り締りが厳しくなってきているのは事実ですが、攻略法会社がなくなることはないでしょうね。被害に遭ったらすぐに警察か国民生活センターに連絡をとってください。もっともそれで必ず解決するとは限りませんから、まずはだまされないことが重要です」(事情通)。
 Aさんは警察に被害届けを出したものの、掲載されていた住所は架空のものであることが発覚。案内されたショールームももぬけの殻だった。さらには電話もすでにつながらない状態で、事件が解決するめどは立っていない。

関連記事

関連画像

もっと見る


トレンド→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

トレンド→

もっと見る→

注目タグ