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1日2回しか渡れない恋人たちの聖地「エンジェルロード」

 「手をつないで渡ると二人は結ばれる」…そんなロマンティックな道がある。

 香川県・小豆島にある「エンジェルロード」と呼ばれる場所で、普段は海に包まれ、1日2回の引き潮の時だけ砂浜の道があらわれる。そして、その道を手をつないで渡ると、幸せになれるという噂があるのだ。最近では、鈴木亜美さん主演のドラマでも“秘密の島”として登場し、注目を浴びている。

 私は、この満ち潮と引き潮の二つの光景が見たくて、愛車のロードバイクで旅をした。 小豆島を囲む瀬戸内海は本当に穏やか。島一周は自転車でまわるには丁度よい距離。波の音は心地良いBGMとして流れる。

 道中、地元の女の子と出会い、エンジェルロードについて訊いた。

 「すぐ近くの職場で働いとるけど一度も渡ったことないんよ。渡りたい」

 純朴な彼女はその道を渡ることを夢見ていた。

 夕方、満ち潮時は辺り一帯ただの海。島が見えるが渡るどころではない。しかし翌朝、そこには見事に道ができていた。弁天島から砂浜で繋がった四つの島。総称して“余島”と呼ぶのだが、その島々を渡るための道ができる。

 ひとりだが、この『エンジェルロード』を渡る。絵馬が飾られており、恋愛成就や家内安全を願っている。中には「ともだちができますように。はなじでないでください」と愛らしいのもあった。

 “天使の散歩道”とも言われるこの道に、人は幸せの天使が降りる夢を見る。また訪れたいと思った小豆島。キラキラした瀬戸内海は、いつでもおいでと言ってくれているようだ。

 帰りのフェリーで瀬戸内海を眺めながら、天使に願う。

 「彼女が、大好きな人とエンジェルロードを渡れますように」そして「はなじがとまりますように」と。

(「はぐれ旅ライター純情派」海飛車鱗(うみとしゃりん)山口敏太郎事務所)

参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou

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