スポーツ
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スポーツ 2011年01月05日 15時00分
CAPTURE INTERNATIONAL CHAMPIONも移動! 若き二冠王者矢野啓太。ベルトを、観客を、そして時代をも自らに引き寄せる
2010年下半期。地下プロレスはこの男を中心に回ったといっても過言ではない。その男の名とは…、矢野啓太。ご存知、ご存じ初代WALLABEE TV CHAMPIONであり、先日の高田馬場『ALAISE』における『EXET-56 WANABEE』でのタイトルマッチで、地下の守護神的存在・富豪2夢路を撃破したのも、まだ記憶に新しいところ。 その矢野啓太がこの日、もう一つのシングル王座に挑戦。それがCAPTURE INTERNATIONAL CHAMPIONのベルトだ。ただ、タイトルマッチの開催は事前に発表されていたものの、例によって対戦相手は依然未発表のまま当日を迎えた。そして入場テーマ曲が鳴り、まず矢野が登場。続いて第8代CAPTURE INTERNATIONAL CHAMPION“地下の悪童”ジョータが登場してきたのを見て、観客は初めてこの試合がCAPTURE INTERNATIONAL CHAMPIONSHIPであることを知ったのである。 地下プロレスが日本に上陸するずっと以前。日本において“地下”と名のつく試合が、知る人ぞ知るといった形で密かに開催されていた。それが「地下室マッチ」である。CAPTURE INTERNATIONAL CHAMPIONのベルトには「UNDERGROUND CATCH WRESTLING」との刻印がなされ、黒とシルバーのみでデザインされたそのベルトは“漆黒の闇の闘い”の王者にふさわしい地下の称号でもある。矢野にとってそれは、WALLABEE TV CHAMPIONのベルト同様に、まさしく何がなんでも手中に収めたいベルトであろう。 このベルトは、かつて地下室マッチを戦場にしていた富豪2夢路も腰に巻いたことがあるベルトであり、そしてその夢路を破ったのがジョータであった。その後、CAPTURE INTERNATIONAL CHAMPIONのベルトは地下プロレスのリングへと場所を移し、まさしく強者の象徴として幾多のレスラーの腰を渡り歩くことに。ベルトはジョータから梅沢菊次郎、小笠原和彦へと移り、再びジョータのもとへ戻ってきていた。矢野自身もデビュー当時に地下室マッチのリングに参戦していた過去を持ち、今にして思えば地下室マッチの“リング”は、矢野がプロの洗礼をひたすら浴び続けた懐かしの学び舎ともいえる。そうした忘れ形見が、まさにCAPTURE INTERNATIONAL CHAMPIONのベルトなのだ。 テーマ曲が鳴って入場してきた矢野の姿を見て、観客は何とも言えない驚きの表情を見せた。それは、この日の矢野のコスチュームが地下プロレス初使用の“ドインク”のコスチュームであったからだ。“道化師”のデザインをあしらったドインクコスチューム。一見、殺伐とした地下プロレスのリングとは不釣合いなコスチュームにも映る。では、なぜ矢野は数あるコスチュームの中で、CAPTURE INTERNATIONAL CHAMPIONのタイトルマッチの日にこのコスチュームを選んだのか? また、これまでこのコスチュームを着る時、矢野は必ず顔にピエロのペイントを施していたのだが、地下のリングではあくまで素顔のままである。“地上の闘い”と“地下の闘い”で、矢野がどのような想いでこうした細かな部分を使い分けているのか。観客への謎かけ? いや、それ以前に王者ジョータに対して巧みな心理戦を仕掛けていたのかもしれない。“革命王子”矢野啓太はこの日、“革命道化王子”として、忘れ形見のタイトルマッチに臨んだのであった。 さらに気になることがもう一つ。偶然か否か。矢野は入場時に富豪2夢路がしたのと同様に、IVANOV ROGOVSKI Jr.指名リングアナウンサー“カナディアンタイガー”ブラック・トムキャットを一瞥したのである。はたしてこの行為が意味するものは、いったい何なのか? 一方、ジョータはリングサイドの観客が食べていたフライドポテトをひょいとつまんでそれを口にくわえ、尻で手を拭きながらリングイン。これもまた、王者の余裕ゆえの行動なのか? 試合は腕の取り合いからスタートし、足首の極め合いからジョータのスープレックスからの腕ひしぎ逆十字固めで、矢野がロープエスケープ。矢野はこの試合、ジョータのサソリ固めでもロープに逃れ、ロープエスケープは計2回に。反面、王者のジョータは、矢野の腕ひしぎ逆十字固めを逃げた1回のロープエスケープのみで済んだ。一方ダウンは、グラウンドで上になった矢野にジョータが下から顔面を蹴ってカウント8のダウンを奪ったのを皮切りに、シャイニングハイキックでカウント9のダウンを、そしてハイキックでカウント9のダウンを奪った。これに対してジョータが奪われたのは、エアプレーンスピンからドロップキックを受けてのカウント8のダウン1回きり。数字だけを見ればロープエスケープは矢野2回、ジョータ1回。ダウンは矢野3回、ジョータ1回と、明らかにジョータの方が優勢だ。 だが、勝利の女神は最終的に矢野に微笑んだ。ハイキック2連発からWARスペシャルにつないだジョータだったが、これでは決まらないと見るや自ら技をほどき、ヒザ立ちの状態の矢野の後頭部に強烈なキックを決めてダウンを奪った。だが、カウントが数えられるのを待たずに、カウント1の時点で矢野に馬乗りになって拳を振り下ろし、止めを刺そうと攻撃をたたみかけたのだが、矢野が下から絡みついて体勢を入れ替えカールシックルを極め、これでもかと思いきり体を反らした瞬間、ジョータはたまらずタップ。11分27秒、激闘に終止符が打たれ、22歳の若き二冠王者がここに誕生したのである。CAPTURE INTERNATIONAL CHAMPIONのベルトを渡された矢野は、何を思ったかベルトを抱きしめたまま、リングサイドそばの客席のテーブルに飛び乗ってベルトに祝福のキスをし、会場の雰囲気を一気に自らに引き寄せた。ある意味、ナルシシズムにも映る行為だが、これが時代を引き寄せた王者としての美意識なのであろう。 二冠王者がリングを去った後、IVANOV ROGOVSKI Jr.指名演舞人のIshtaria(イシュタリア)が登場し、地下の戦士たちへ捧げる鎮魂の舞を踊った。実はあまり知られてない事実だが、“Ishtaria”とは「戦いと豊潤の女神」を意味する名前である。はたして矢野に微笑んだ勝利の女神が彼女たちだったのかどうかは、あくまで謎のままだ。そしてそれは若き二冠王者・矢野啓太がリングに残した、最後の謎かけでもある。二本のベルトを駆使し、矢野啓太は2011年も地下のリングを縦横無尽に駆け巡る。(印束義則)地下プロレス『EXIT』公式サイトhttp://www7.plala.or.jp/EXIT/梶原劇画で伝承された「地下プロレス」が、この日本に存在した! 闇の闘いを伝える『EXIT』とは何か!?http://npn.co.jp/article/detail/97320773/
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スポーツ 2011年01月05日 11時30分
スター不在のK-1 救世主に“アニメオタク”長島☆自演乙☆雄一郎が浮上!
視聴率下落で明らかなように、低迷するK-1。 ヘビー級では武蔵、中量級のMAXでは魔裟斗と、エース格が引退し、10年はスター不在に泣いた。大みそか「Dynamite!!」への出場候補だった人気者の山本“KID”徳郁は、米国の最大手格闘技団体のUFCと契約し、もはやあてにできなくなった。 K-1、DREAMを主催するFEGは経営的にも窮地に陥った。現在は会社を再生中で、今春には新体制が発表される見込み。 今のK-1に必要なのは、一にも二にも武蔵や魔裟斗に続くスターの出現。だが、スターは一朝一夕にはつくれない。ただ、強ければいいというわけにもいかない。現状の京太郎や佐藤嘉洋では、とてもK-1をけん引はできない。 そんななか、昨年末の「Dynamite!!」で救世主になり得る男が出現した。それは、長島☆自演乙☆雄一郎。長島は「Dynamite!!」で、DREAMライト級王者・青木真也とMIXルールで対戦。この試合はK-1ルールと総合ルールを交互に行なうものだったが、長島は総合ラウンドで青木にKO勝ち。絶対的に不利な相手の土俵で、DREAMの現役王者を葬った長島は、一躍ヒーローとなった。文句なく、今回の「Dynamite!!」のMVPであった。 アニメオタクの長島は、コスプレファイターとして、かねてから注目を浴びていた。昨年3月のK-1 MAX ジャパン・トーナメントを初制覇し、着実に実力も付けてきた。そして、今回のド派手な勝利で、否応なしに脚光を浴びることになった。NJKFでキックボクシングを始める前には、総合格闘技の素養もあり、今後、総合の試合のオファーがあれば、K-1との両刀使いも視野に入れる。 状況は整った。スターになるチャンスをモノにするかどうかは、本人次第である。(ジャーナリスト/落合一郎)
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スポーツ 2011年01月04日 16時00分
大みそか恒例の「Dynamite!!」視聴率は激落! 大きく響いたスター不在!
10年大みそかにTBSで放送された格闘技イベント「Dynamite!!」(さいたまスーパーアリーナ=FEG主催)の視聴率は第1部(21時〜22時50分)=9.8%、第2部(22時50分〜23時39分)=7.8%で2ケタに届かなかった。 NHKの「紅白歌合戦」は第1部(19時30分〜21時25分)=35.7%、第2部(21時30分〜23時45分)=41.1%と圧倒的な強さを見せた。民放地上波では、日本テレビ「ダウンタウンのガキの使い!! 大晦日年越しSP笑ってはいけないスパイ24時」が第1部(18時30分〜21時)=15.3%、第2部(21時〜24時30分)=14.3%でトップ。フジテレビ「奇跡体験!アンビリバボー大晦日SP」、テレビ朝日「そうだったのか! 池上彰の学べるニュース大晦日SP」、テレビ東京「年忘れにっぽんの歌」などは、いずれも1ケタ台に甘んじた。 09年の大みそか「Dynamite!!」は18時〜23時39分に放送され、21時〜23時の枠で16.7%をマーク。日本テレビのダウンタウンの上を行き、堂々民放1位の座を手にした。今回の9.8%の数字は日本テレビに次ぎ、民放2位ではあるが、前年の視聴率からは激落した。 人気凋落の原因はスター不在、格闘技ファンではない視聴者に訴えるものが少なかったことは明らか。09年末の「Dynamite!!」で最大のスターであった魔裟斗が引退。人気者の山本“KID”徳郁も今回は出場せず。TBSは北京五輪柔道金メダリストの石井慧や、元横浜ベイスターズの古木克明らに視聴率獲得の期待を寄せたが、視聴者の興味はいまひとつだった。てこ入れにボクシングの亀田3兄弟を特別出演させて、ビッグサプライズを起こしたものの、事前に何の告知もなければ、視聴率に影響するわけがなかった。 今年も「Dynamite!!」が継続されるかどうかは分からない。だが、突きつけられた課題をクリアしなければ、視聴率再浮上は望めないだろう。(ジャーナリスト/落合一郎)
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スポーツ 2011年01月03日 14時00分
“主役”石井慧は役目果たせず、期待裏切る!
10周年を迎えた大みそか格闘技イベント「Dynamite!!」(さいたまスーパーアリーナ=FEG主催)。今回の主役の座を託されたのは、間違いなく北京五輪柔道金メダリストの石井慧だった。 対戦相手はK-1戦士のジェロム・レ・バンナで、総合ルール。グラウンドができないK-1ファイター相手の総合での試合とあって、周囲もファンも、スカッとした一本勝ちを期待した。バンナは01年大みそかの「INOKI BOM-BA-YE」で、安田忠夫に総合ルールで一本負け。一躍、安田がヒーローとなった姿は記憶に新しいところ。主催者側が石井に、あのときの安田の再現を期待したマッチメークであったことはいうまでもない。「どちらが勝つか?」という勝敗の興味で視聴者を引っ張るなら、総合の強豪選手を当てただろう。 試合はほとんど石井がコントロールした。しかし、寝技がほとんどできないバンナを決められなかった。結局、3ラウンド15分が経過し、判定決着へ。石井の判定勝ちが告げられた瞬間、場内からはブーイングが飛んだ。 試合後、石井は「ブーイングは応援の裏返しだと思う。それだけ、期待していただいていることだと思う。次は一本、KOで勝ちたいと思います」と冷静に分析。分かっているなら、実行してくれといいたいファンも多いだろう。実に4年10カ月ぶりに総合の試合を行なったバンナは、この試合に当たって、特に寝技の練習はしなかったことを吐露している。いわば、ピエロになるのを覚悟の上で臨んだバンナを、決められなかった石井は観客、視聴者の期待に応えられなかった。 「石井は柔道時代から一本勝ちより、勝負に勝つことを第一にやってきました。その姿勢はプロになっても、変わりません。リスクを冒してまで一本を取りに行くことはせず、負けない試合に終始しています。このスタイルを続ける限り、ファンから評価を得ることはむずかしいでしょう。プロはただ勝てばいいというものではないですから」(ベテランのスポーツライターA氏) 09年大みそかのプロデビュー戦で、吉田秀彦にいいところなく完敗。1年後に訪れた名誉挽回の機会をモノにできず、ヒーローになりそこねた石井。「試合内容がつまらない」とレッテルを張られた石井の今後の起用法に、FEGは頭を悩ませるに違いない。(ジャーナリスト/落合一郎)
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スポーツ 2011年01月03日 06時00分
石井 猪木 亀田兄弟も登場 格闘技の祭典「Dynamite」
10回目を迎えた年末の格闘技の祭典「Dynamite」が31日、さいたまスパーアリーナで行われ、北京五輪柔道男子100キロ超級金メダリスト石井慧がK-1戦士ジェロム・レ・バンナを判定で破り、1年前吉田秀彦に敗れた雪辱を果たした。しかし決め手不足の戦いに会場からはブーイング。試合はアキレスけん固め、カカト固め、腕固めで圧倒するが決めるには至らず、最後には裸絞めを狙ったところでゴングが鳴り響いた。 石井は「バンナ選手は予想以上に寝技がうまかった。ブーイングは応援の裏返し、次はKOか一本で勝ちたい」と語った。 またエグゼクティブ・プロデューサーの猪木は60人のサンバ隊を引き連れ登場、歌舞伎役者にふんした亀田3兄弟がリングインすると三男・和毅に闘魂ビンタ。最後はおなじみの詩「道」を熱唱し、お約束の「1、2、3、ダー」で締めくくった。(アミーゴ・タケ)
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スポーツ 2011年01月02日 11時45分
ボブ・サップ“敵前逃亡・前科二犯”で永久追放決定も、K-1にダメージなし
大みそか「Dynamite!!」(さいたまスーパーアリーナ=FEG主催)で、元大相撲・若麒麟こと鈴川真一(IGF)と対戦予定だったボブ・サップが、試合直前になって出場を拒否。この試合はサップの戦意喪失による不戦敗となって、波紋を呼んだ。 サップのドタキャンは、これが初めてではなく2度目。06年5月13日(現地時間)、K-1オランダ・アムステルダム大会で、サップは“オランダの英雄”アーネスト・ホーストの国内引退試合の対戦相手を務める予定だったが、契約問題のこじれから、試合直前にボイコット。この興行のメーンイベントが吹っ飛ぶ非常事態となった。 その後、サップ側の歩み寄りにより、FEGと和解はしたものの、あまりにもふがいない試合内容が原因で、この数年はFEG主催興行への出場機会は激減していた。 そもそも、鈴川VSサップ戦はFEG主導で組まれたカードではなく、大会エグゼクティブプロデューサーに就任したアントニオ猪木(IGF会長)によるプロデュースマッチ。大麻不法所持で執行猶予中の鈴川の試合をTBSの電波に乗せることは困難であり、早い話し、鈴川の対戦相手は誰でもよかった。下手に強豪選手を当てようものなら、その試合をテレビ中継で流せないという不都合が生じるからだ。 前科二犯となるサップに対し、FEG・谷川貞治イベントプロデューサーは永久追放を宣言した。だが、もともと視聴率てこ入れになり得ない、この試合が飛んでも、「Dynamite!!」的には大きな影響はなかった。ましてや、ファイターとしての評価が著しく落ちたサップに、FEGにはもはや用はないだろう。 ただ、永久追放といっても、それはFEG主催興行に関してのこと。サップはIGFに準レギュラーで参戦しており、場所をIGFに変えて、鈴川VSサップが実現する可能性もある。(ジャーナリスト/落合一郎)
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スポーツ 2010年12月30日 15時40分
2010年を締めくくる地下プロレスの闘いに激震が走る『EXIT-57 ZEST』“世田谷冬の陣”。日本阿吽選手権王座交代!
地下プロレスが日本に上陸して早や2年5か月もの月日が経過。この間、新宿、恵比寿、高田馬場、日比谷…、と様々な場所で激闘が繰り広げられてきたが、2010年を締めくくる最後の決戦の場所に指定されたのが、世田谷の『ZEST CANTINA 世田谷』。同会場は最寄り駅から徒歩15分はかかる辺鄙な場所にあるテックスメックス料理が売り物のレストランで、「本当にこの辺に店があるのだろうか?」と不安になって足どりが重くなりかけた頃に暗がりにぽっかりと店のネオンが浮かぶ様は、地下プロレスの怪しさとこれ以上ないほどに絶妙にマッチしている。 会場に足を踏み入れると、正面に見慣れた4m四方のリングが現われる。この場合の“見慣れた”とは、地下プロレスにおける見慣れた光景を意味する。通常のプロレスのリングよりひと回り小さい地下プロレスのリングは、それだけ戦いの空間が制約され、必然的に逃げ場も少なくなることになる。また、ロープの代わりにチェーンが張られているのも特徴で、その無機質な冷たさが観客の想像力を否が応でも刺激し、これから目の前で行なわれる死闘のことを考えると自ずと血もたぎってくるというものだ。そして、すべての色を飲み込む真っ黒なキャンバス。その黒は、これから始まる“漆黒の闇の戦い”への誘いを、観客に暗示しているのだろうか? さらにリング上には、巨大なコンドルのオブジェが舞う。“小次郎”と名づけられたそのコンドルは、試合中も両目を赤く光らせ、首を上下させながら、戦いを上空から不気味に見守ることに…。こうした何から何まで規格外の常識の下で行なわれる地下プロレス。だからこそ観客はこのリングから発せられる強力な磁場に、思わず吸い寄せられてしまうのだ。 地下プロレスは対戦カードの事前発表がない。そのため観客は、入場テーマ曲が鳴り、選手が現われて初めてその日の対戦カードを知ることになる。最初のテーマ曲が鳴り、まず入場してきたのは“タックル将校”竹嶋健史と“足技の魔術師”小笠原和彦。この日、「IVANOV ROGOVSKI Jr.指名審判」と発表されていた小笠原が選手としてリングに上がったため、客席から大きなどよめきが起こる。続いて入場してきたのは、“ブラジル大車輪”ペドロ高石と“頭突き世界一”富豪2夢路。入場時、夢路は本部席にいた「IVANOV ROGOVSKI Jr.指名リングアナウンサー」“カナディアンタイガー”ブラック・トムキャットを一瞥してリングイン。はたしてこの行為が何を意味するものなのか? もし仮にブラック・トムキャットの正体があの男だとすると、この一瞥にも深く頷けるものがある。 リング上には小笠原と夢路が対峙し、小笠原の左のローから試合は始まった。グラウンドに持ち込もうとする夢路。だが、それをことごとくヒザや足でカットする小笠原。緊迫したシーンが何度も続く。ペドロとスイッチする夢路。同じく竹嶋とスイッチする小笠原。そして竹嶋からのタッチを受け、再び小笠原がリングに入ると“空手”対“カポエイラ”という異色の対決が実現。 この日の会場『ZEST』が売り物にするテックスメックス料理とは、国境沿いのアメリカ・テキサスとメキシコの料理が融合して生まれた料理のことで、まさにこの日の会場にふさわしい空手とカポエイラという異なる格闘技がいま歴史的な融合を果たす。こうしたカオスな闘いが観られるのも、地下プロレスならではのもの。 試合は夢路と竹嶋がエルボー、張り手とゴツゴツした闘いを展開し、夢路が強烈な頭突きを叩き込むと、竹嶋は思わずその場にばったり崩れ落ちた。すると夢路は容赦なく倒れた竹嶋を引きずり起こし、卍固め。11分18秒、激しすぎる試合は終わりを告げた。 続く第2試合。テーマ曲とともに入場して来たのは“求道妖怪”入道と“地下横綱”梅沢菊次郎の“カンパイ・ボーイズ”。そしてそれに続くのが“銀座の鉄人”三州ツバ吉と“格闘僧侶”日龍。三州と日龍が入場して来たのを見て、観客はこの試合が「日本阿吽選手権試合」であることを知る。三州の手には“阿の帯”が、日龍の手には“吽の帯”が握り締められる。4月18日『EXIT-37 HIGHEST』で第2代王者に輝き、その後も着々と防衛を重ねてきた三州&日龍だが、はたしてこのまま王者のまま年を越すことができるのか? 試合は王者としてのキャリアの違いか、三州と日龍が素早いタッチを繰り返し、試合を有利に進めていく。途中、三州と梅沢の蹴りとチョップの攻防が客席を沸かせる。だが、梅沢のなぎ倒すようなラリアットを受け、三州がカウント9のダウンを喰らう。その後も、三州のハイキックとヒザ蹴りで入道がダウンする、三州の蹴りで梅沢がダウンするといった具合に、息詰まる攻防が繰り返される。そうした中、梅沢が三州にヘッドバット、アルゼンチンバックブリーカー、カナディアンバックブリーカーと必殺技のフルコースをたたみかけ、とどめに逆エビ固めで三州からギブアップを奪った。その瞬間、12分18秒の激闘は幕を下ろし、新しい王者が誕生した。 勝負を決めた梅沢には“吽の帯”より優位とされる“阿の帯”が、そして入道には“吽の帯”が手渡された。それらの帯を腰に巻き、互いの額をぶつけ合いカンパイのポーズを取る新王者。この“阿吽の帯”は単なるタッグ王者の証ではない。時にはタッグチーム同士で雌雄を決し、その勝者には“阿の帯”が、敗者には“吽の帯”が渡される。つまりタッグ王者であると同時に、常に二人の間に強さの序列が引かれることになる。ただ対戦相手に勝つだけでなく、味方にも“勝たなければならない”熾烈な生存競争の証が“阿吽の帯”なのだ。2011年の地下の主導権を握った梅沢と入道がはたしてどういったアクションを起こしていくのか? ますます地下プロレスから目が離せなくなってきた。(印束義則)地下プロレス『EXIT』公式サイトhttp://www7.plala.or.jp/EXIT/梶原劇画で伝承された「地下プロレス」が、この日本に存在した! 闇の闘いを伝える『EXIT』とは何か!?http://npn.co.jp/article/detail/97320773/
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スポーツ 2010年12月29日 17時30分
「亀田ボクシング中継」高視聴率神話は崩壊! 頭抱えるTBS
12月26日、TBSで19時より放映された「亀田祭り」(さいたまスーパーアリーナ)。長男・興毅、二男・大毅、三男・和毅が揃い踏みしたこの興行の視聴率は、最も高かった興毅の試合で平均13.8%と、ふるわなかった。裏にフィギュアスケート、M-1グランプリと強力な番組があったとはいえ、亀田神話に期待したTBS側は、この数字にガックリ肩を落としたという。 かつては高視聴率が取れる男として、TBSの期待も高かった興毅だが、もはやその神話も崩壊したといえよう。 2階級を制した後の3月27日、WBC世界フライ級王座の初防衛戦となったポンサクレック・ウォンジョンカム戦こそ、22.1%をマークしたものの、再起戦となった7月25日のセシリオ・サントス戦は日曜日の夕方枠とはいえ、視聴率1ケタ台に低迷した。そして、3兄弟を揃えた今回もTBS側の期待に見合う数字を得られなかったことで、局側の認識に変化が見られるという。 ベテランのスポーツライターのA氏は、「マッチメークが悪いです。今回の興毅の対戦相手のアレクサンドル・ムニョスは、一度引退表明したロートルの選手。TBS側の期待には全然応えられていない。それから、KOできないことで、亀田のボクシングもお茶の間の視聴者に飽きられたのではないでしょうか。興毅の世界戦は6戦すべてが判定決着。特にボクシングファンではない人にとって、12ラウンドもKOのない試合を見せられてはたまらないと思います。その辺が視聴率下落の要因です」と分析する。 興毅は日本史上初の3階級制覇。大毅は世界王座防衛。和毅はKO勝ちと、結果だけを見れば、万々歳だった「亀田祭り」だが、TBSの評価は激落したといえよう。(ジャーナリスト/落合一郎)
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スポーツ 2010年12月29日 12時30分
初めての「おきなわマラソン」Air Run TOKYOと風の旅行社コラボ企画
ウェブランニングクリニックでお馴染みの、『Air Run TOKYO』代表の田中正直氏と、旅の専門店『株式会社風の旅行社』がコラボ、共同企画を発表!! 勢いを増すばかりのランニングブーム…今からでも遅くはありません。来たる2011年2月20日開催の『おきなわマラソン』に向けて走り始めませんか? 一緒に沖縄の風を受けながら走りましょう! 沖縄でのマラソン大会と言えば、12月5日に開催された「那覇マラソン」が有名ですが、『おきなわマラソン』も19回目。フルマラソンだけでなく、10kmロードレースの設定もあり、フルマラソンに自信の無い方でも安心です。 これからランニングを始める方もご安心下さい。しっかり練習すれば、フルマラソンに挑戦! も可能です。ビギナーからシリアスランナーまで、Air Run TOKYO 代表の田中正直氏が、出発前から当日までがっちりサポートします。 ◎おきなわマラソンツアー日 程:2011年2月19日(土)〜2月21日(月) 3日間ご旅行代金:大人 82,000円(2名1室) ※詳細はパンフレットをご参照下さい。 ☆ツアーポイント(1)エアラン東京による事前クリニック開催!※詳細はお問い合わせ下さい◆1月15日(土):シリアスランナー向け練習会◆1月22日(土):ビギナー向け練習会(目安フルマラソン4時間以上)※各回、参加料として500円(保険代、講師代)(2)大会当日は、田中正直が完全サポート!(3)大会終了の夜は 『完走パーティー』(4)参加者限定! 田中ランニングプロデューサーデザインのオリジナルTシャツプレゼント ※ご不明な点は担当者までご連絡下さい。担 当 : 高嶋 達也 (『Air Run TOKYO』 会員No. 33) 株式会社風の旅行社 東京本社 e-mail:shima@kaze-travel.co.jp 田中正直のウェブランニングクリニックhttp://npn.co.jp/article/detail/79535090/ 【Air Run TOKYO】ランニングクラブの通常練習会を体験してみたい方は、リアルライブ見たで無料体験できます。参加希望の方は、(airrun@pss1.jp)にメール下さい。詳細は、【Air Run TOKYO】公式サイトhttp://airruntokyo.syncl.jp/をご覧下さい。
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スポーツ 2010年12月29日 11時00分
チケットショップ『T-1』二見社長インタビュー(3)「T-1興行に一番引っ張りたい女子レスラーは、風間ルミ! 最終目標は、大仁田厚とインリン様!」
水道橋の名物チケットショップの社長がプロレス興行を開き、いつの間にやら自分もリングに上がっていた。そして試合後の、業界タブーもモノともせぬ過激マイクパフォーマンスは、劇場ならぬ“激情”の異名でマニア筋に大人気…。チケットショップ『T-1』二見社長が仕掛ける『T-1興行』は、05年8月23日の女子プロレスオールスター戦『T-1グランプリ』に端を発し、以来プロレス業界に爆弾を投じる“台風の目”として注目を浴び続けている。来たる「平成23年2月3日」の「フタ・ミ」づくしのフタミデーに行われる『二見記念日 T-1スペシャル〜一期一会〜』の見どころを、山口敏太郎氏が二見社長本人に直撃した。 山口 2月3日のT-1興行ですが、現段階で決まっているカードは、キラ☆アンvs元Kamipuro編集部の松澤チョロ。彼は今、何をやってるんですか? 二見 チョロ氏は今、本業の土木作業の傍ら、AV男優をやっています。8月のT-1興行で二見vs UGPマスク、キラ☆アンwith松澤チョロという、1vs3 のハンディキャップマッチが組まれたんですが、チョロ氏が失神して、UGPマスクとキラ☆アンが自分に負けたんですよ。で、「負けたのはチョロのせいだ!」とキラ☆アンが怒って、チョロ氏と仲間割れをしまして。それで今回、シングルマッチを組みました。 山口 相手のキラ☆アン選手は? 二見 キャットファイトでは常連ですね。身長が170cmあって、ガタイがいいし華もあります。胸が、片方ともう片方のサイズが違って、HカップとGカップ。女子プロ界のHGです(笑)。T-1期待のニューフェイスですね。ニューフェイスといっても、「乳」の乳(ニュー)フェイス(笑)。 山口 川田由美子選手の見どころは? 二見 もともと彼女はUGPマスクという、人材派遣のマスクウーマンだったんですよ。ただ、派遣なので本業ではないこともあって弱い。これまで全然勝てなくて、あんまり負けてばっかりいるので、負けたらマスク剥ぎという条件で試合をしましたけど、それも見事に負けてマスクを剥がされました。ただ顔はいいので、素顔に戻ってどう変わるか楽しみですね。 山口 かわいい子がボコボコにされる姿を見て楽しむマニアもいるんでしょうね(笑)。 それと、なんといっても草間政一さんですね。仮にも元・新日本の社長が、T-1のリングに上がるというのが画期的ですよね(笑)。草間さんのトークショーが、ハッスルなどに繋がっていく可能性はあるんですか? 二見 もちろんありますね。一週間前の1月27日に新木場でハッスルがあるんですよ。そこに殴り込んでやろうかと。 山口 草間さん、レスラーとしてデビューしたんですよね? 二見 そうみたいですね。60歳でデビューという(笑)。トークショーの相手もターザン山本!氏とだから、やりたい放題になるでしょうね。自分は試合に集中するので当日のトークショーには立ち会えないけど、ホントは自分が司会やらないとまとまらないと思いますね。でも、このわがままで目立ちたがり屋の二人がやるからいいかもしれないし(笑)。 山口 「ワンマン社長vs金権編集長」ですね(笑)。 二見 もう業界のしがらみのない二人に、T-1のリングでバンバン自由に語ってもらおうかと。 山口 メインの二見社長の相手はどうですか? 二見 今大会は、常連のベテランは出さないで、出来たら若い選手で勝負を懸けようかと思っているんですよ。「NEW T-1」を見せたい。 自分の相手はT-1初参戦の選手が一番いいし、新世代の選手が理想。ホントの意味での未知の強豪がいいけど。あとは、初期のT-1に参戦して絡んだことがない選手。これに当てはまるのが、華名と木村響子。あとは尾崎魔弓か。 ただ、自分の中でいま一番引っ張り出したいのは、今年AVデビューした風間ルミ。 山口 風間さんは引退してますよね。 二見 一番のネックはそこだけど、プロレスラーに引退はあってないようなもんだから、別にいいだろと(笑)。 今の女子プロと同じことをやってもしょうがない。今のプロレスにはないものを見せられる自信があるし。勝ったら、独演会で爆弾トークをやるけどね。 山口 2月3日の次のT-1興行は、いつにするんですか?二見 まだ決めていないですね。やろうと思えばいつでも。4月でも、5月でもいいし。 まあ現実的な話、ちゃんとお客を入れて黒字にすること。とにかく黒にしないと、次に繋がらないので。 山口 今後の目標をお願いします。 二見 最終目標は大仁田厚と対決することですね。女子はインリン様だね。 山口 それは面白いですね。両方ともぜひ観てみたいですね。 二見 大仁田の“劇場”と二見の“激情”、どっちが本物か勝負したい。インリン様こそ、リアル女子レスラー。子育てが落ち着いたら復帰も可能でしょうし。ちゃんとギャラは払うので(笑)。 山口 平成23年2月3日と、「フタ・ミ」づくしですね。 二見 来年23年は「フタミイヤー」なので、このまま突っ走ろうかと。オレの動向を見逃すなよ、ってことで。(おわり)※写真はすべて(C)T-1◆『二見記念日 T-1スペシャル〜一期一会〜』日時:平成23年2月3日(木)開場/19:00 開始/19:23(※イク〜・フタミ!)会場/新木場1st RING(東京都江東区新木場1-6-24)出場予定選手:二見社長、川田由美子、キラ☆アン、松澤チョロ特別ゲスト:ターザン山本!、草間政一≪決定カード&特別トークショー≫シングルマッチ キラ☆アン vs 松澤チョロ特別トークショー ターザン山本!&草間政一◇前売りチケット料金表 ※当日券は500円UP トップワンシート(最前列) ¥4500T-1スペシャルシート(ひな壇) ¥3500ペアシート(2枚1組) ¥5000(T-1のみ、当日販売なし)主催:チケット&トラベルT-1(東京・水道橋)
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