かつては高視聴率が取れる男として、TBSの期待も高かった興毅だが、もはやその神話も崩壊したといえよう。
2階級を制した後の3月27日、WBC世界フライ級王座の初防衛戦となったポンサクレック・ウォンジョンカム戦こそ、22.1%をマークしたものの、再起戦となった7月25日のセシリオ・サントス戦は日曜日の夕方枠とはいえ、視聴率1ケタ台に低迷した。そして、3兄弟を揃えた今回もTBS側の期待に見合う数字を得られなかったことで、局側の認識に変化が見られるという。
ベテランのスポーツライターのA氏は、「マッチメークが悪いです。今回の興毅の対戦相手のアレクサンドル・ムニョスは、一度引退表明したロートルの選手。TBS側の期待には全然応えられていない。それから、KOできないことで、亀田のボクシングもお茶の間の視聴者に飽きられたのではないでしょうか。興毅の世界戦は6戦すべてが判定決着。特にボクシングファンではない人にとって、12ラウンドもKOのない試合を見せられてはたまらないと思います。その辺が視聴率下落の要因です」と分析する。
興毅は日本史上初の3階級制覇。大毅は世界王座防衛。和毅はKO勝ちと、結果だけを見れば、万々歳だった「亀田祭り」だが、TBSの評価は激落したといえよう。
(ジャーナリスト/落合一郎)