社会
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社会 2019年01月15日 12時10分
成人式の女性の晴れ着にソースをかけ汚し、逮捕 23歳無職男の呆れた動機に怒りの声殺到
14日、東京・杉並区で成人式に向かう晴れ着姿の女性にソースをかけて汚したとして、埼玉県在住の男が逮捕されたことが判明。その卑劣な犯罪に怒りの声が殺到している。 逮捕されたのは埼玉県内に住む無職の男(23)。14日午前7時頃、杉並区荻窪の路上を歩いていた19歳女性の振り袖に、予め持参していた小袋に入ったソースを引っ掛け汚したとして暴行の疑いで逮捕された。 調べによると、男は美容室から出てきた女性に声をかけ、犯行に及んだ模様。女性はその場では気が付かず、家に帰り事態が発覚し、交番に届け出る。その後、別の振り袖に着替えた被害者女性が荻窪駅を訪れると、偶然にも犯人の男を発見。警戒中の警察官が取り押さえ、御用となった。なお、付近では同様の事件が3件発生しており、いずれもこの男の犯罪と見られている。 男は取り調べに対し容疑を認め、「将来への不安やストレスから逃れるためにやった。晴れ着を汚すことで気持ちが晴れると思った」などと話しているという。晴れ着を汚して「気持ちを晴らそうとする」とは、なんとも許せない。一生に一度の成人式を文字通り汚された女性には、しっかりと謝罪したうえで罪を償うべきだろう。 逮捕された男も、3年前はその門出を祝ってもらった立場のはず。まだ23歳と若く、いくらでもやり直しがきく年齢。深く反省したうえで、更生することを願いたい。
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社会 2019年01月15日 12時00分
専門家が警鐘! 日本列島を襲う巨大地震8連発
平成最後、新元号元年である2019年は迫りくる巨大地震発生のシグナルで溢れている。南海トラフや首都直下などが立て続けに起きた幕末期と似ているのだ。1月3日には熊本地方で震度6弱の地震が起きた。地震・災害の専門家が最大級の警鐘を鳴らす。「インド洋から太平洋にかけての地域では火山が活発に活動し、地震が発生している。インドネシアでは西部のスンダ海峡でアナク・クラカタウ島が噴火し、火山灰や煙が噴出して津波を起こした。地球には地震が起こり、火山が活発に活動する時期が周期的に起きている。今はその時期にあたり、そういう目で自然現象を捉える必要があると思いますね」 こう語るのは、琉球大学理学部名誉教授の木村政昭氏である。 何しろ、アナク・クラカタウ島の存在するところは古くはクラカタウ島といい、1883年のカルデラ大爆発では島の大部分が消えてなくなった。そのため約3万6000人の死者を出し、火山灰は成層圏(11㎞〜50㎞)に達して全地球を覆い、数年間世界の気温が1度以上も下がったのである。 そういえば、日本にも今、活発な活動が確認されたカルデラ火山がある。鬼界カルデラである。神戸大学海洋底探査センターは、近年、鹿児島県・薩摩半島の南約50キロにある海底火山「鬼界カルデラ」に、マグマの活動が活発な場所を発見したと発表した。海底から100隆起したドーム状の火山体で、熱水が噴出し、煙のようにたなびく「熱水プルーム」を少なくとも5カ所確認したというのだ。 防災ジャーナリストの渡辺実氏が言う。「火山、地震、気候変動、どれをとっても、地球はこれまで遭遇していないような事態に突入しています。日本が天地動乱の時代に入ったのは間違いないと思いますね」 今から160年前の江戸時代末期、実は当時、日本ばかりでなく、環太平洋造山帯も活性化していた。太平洋の東側、中米のエルサルバドルで、巨大地震のため首都が壊滅する被害があった。歴史は繰り返すというが、昨年5月、エルサルバドル地震が再来した。「135年前に起きたインドネシアのカルデラ大噴火といい、現在、その火山で起きている活発な活動や地滑りによる津波、そして、日本の鬼界カルデラの活動、これが無関係であるとはとうてい思えない。日本もその真っ只中にあるということです」(サイエンスライター) 木村氏によれば、そうした地球の営みは周期的に訪れるのだから、今の日本と160年前の江戸末期の日本はまさに地震の活動期と言える。 では、幕末の日本を襲った巨大地震の数々を見ていくことにしよう。 古文書を紐解いてみると、江戸末期には10近い巨大地震が襲来し、人々の暮らしを蹂躙した。 武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏が語る。「大正時代に発生した関東大地震以降、日本は比較的静かでしたが、江戸時代には頻繁に大きな地震が日本を襲った。M5〜6が40回、6.1〜7.9が103回、8〜9が6回、規模不明なものは38回もあるほど。日本は静かなおかげで高度経済成長を成し遂げることができたが、東日本大震災のため、基盤岩が動き、それをきっかけに地震が起きやすくなった。これまでのように、地震はないものだと思っていると痛い目に遭う」 1855年11月11日(安政2年10月2日)には、直下地震に当たる安政江戸地震が東京を襲い、約1万の人が命を落とした。「地震が発生したのは21時30分頃、規模はM7.0〜7.2と見られますが、震度6以上の揺れは江戸の中心とその付近にとどまったようです。震源地は東京湾北部の荒川河口あたりというのが有力です。実は、前年の1854年には、伊賀上野地震のほか、安政東海地震、安政南海地震、豊予海峡地震という安政江戸地震を上回る規模の3つの巨大地震が、わずか4日間で起こっていたのです」(前出・サイエンスライター) これらの巨大地震が発生した当時は、ペリー(米国)の黒船来航によって日本が開国を迫られ、尊王攘夷で揺れていた時代。世界中がトランプ大統領に翻弄され、IS(イスラム国)などのテロに怯えている現代と似ていなくもない。 当時は地震の活動期に当たり、4日間で3つの巨大地震が起きたことを含めれば、巨大地震はなんと8連発! その背景には中央構造線が活性化していたことが挙げられる。★中央構造線が活性化 まず、1854年7月9日(嘉永7年6月15日)に伊賀上野でM7・25の直下型地震が発生した。当時の古文書には、上野城の東西大手門の石垣が崩れ、番人4名が死亡し、地滑りなどの被害も大きかったことが記されている。死者は995名。うち伊賀上野付近の死者は625名、負傷者994名、家屋倒壊2270戸、蔵倒壊306件に上った。 そして、1854年12月23日(嘉永7年11月4日)に南海トラフであるM8.4の安政東海地震が発生した。 ロシア海軍士官のモジャイスキーはプチャーチンによる開国交渉のロシア艦隊の旗艦ディアナ号に同乗していた。ところが、安政東海地震による津波で同船は大破、修理のため向かった戸田村(現沼津市)への回航中に嵐に遭い、宮島村(現富士市)沖で沈没してしまったのだ。 南海トラフ地震で現在、心配されているのは巨大地震の連鎖で、当時も同じ現象は起きていた。安政東海地震の翌日には、四国の高知沖で安政南海地震(1854年12月24日)が発生し、その2日後に豊予海峡地震が起きたのである。「豊予海峡地震はM7.4、安政南海地震はM8.4の巨大地震です。近畿から四国、九州東岸に至る広い地域に甚大な被害を与えました。津波の被害も多く、土佐地域では、推定6から7の大津波が押し寄せ、372人が溺死した」(同) 安政南海地震による全国的な被害状況は全壊家屋2万余戸、半壊家屋4万余戸、焼失家屋2500余戸、流失家屋1万5000余戸、死者約3万人と推定されている。 中央構造線が活性化していたため、内陸でも直下型地震が起きた。 1855年3月18日(安政2年2月1日)には飛騨地震が発生している。白川郷を震源に発生したM6.8地震だ。死者12人だったため、あまり記録も残っていないが、その8カ月後には、前述した安政江戸地震が発生しているのだ。「中央構造線は現時点で活性化しています。関東ローム層の厚い堆積物で覆われているため、東京近辺はどこを通っているか不明だが、北は茨城から南は都内まで諸説ある」(前出・島村氏) もし、都内を通過して太平洋に抜けているとすれば、安政江戸地震の襲来もよく理解できるところだが、昨年の大阪北部地震を経験している我々にとっては、非常に気になる点がある。「昨年は長野県内で震度5強、群馬・渋川で5弱の地震がありましたが、いずれも中央構造線絡みと考える研究者もいます」(同) つまり、中央構造線上で大阪北部、長野、群馬の大地震…と震源が北上しつつあるのだ。このままいくと、今年中かオリンピックの行われる2020年頃に東京直下地震が発生しても何ら不思議ではないのである。 話を江戸時代に戻す。1856年8月23日(安政3年7月23日)には、安政八戸沖地震が発生した。八戸藩史稿には、「最希有なる強震で八戸城が所々破損し、湊村は海嘯によって浸水し流家があった」と記されているが、被害は少なかったという。 8連弾の最後は、1858年4月9日(安政5年2月26日)の飛越地震である。越中・飛騨国境(現在の富山・岐阜県境)の跡津川断層を震源に発生したM7.0と推定される地震。 北陸地方や飛騨国を中心に大きな被害をもたらし、死者426人、負傷646人、家屋の全半壊・流失2190戸とされている。富山藩士の体験記には「地面が階段状に隆起した」「水が一時に湧き出、白砂がまじってふき出し」などの被害状況が描かれている。 東日本大震災が起こったのは2011年。それをきっかけに地震活動期に入り、「今や10年前とは全く違う。日本には貞観の時代、幕末など地震の活動期とされる時代がありましたが、今まさにそういう時代ですよ。巨大地震が起きないよう、世界中から人が集まってくる2020年のオリンピックの年を何とか避けてほしいと祈りたい気持ちです」(前出・渡辺氏)★新元号元年に起きた大地震 木村氏は「巨大地震がいつ発生しても不思議ではない状況」と指摘する1人である。同氏が考える震源は伊豆・小笠原沖だ。「昨年3月には、新燃岳が噴火しています。これは、日向灘あるいは伊豆・小笠原沖に想定される、大地震の前兆の一つと考えられます。一昨年4月には、西之島でおよそ1年半ぶりに噴火が起こりました。2013年以降“西之島噴火”の溶岩流出により、同島は大きく成長し続けています。これは、西之島のすぐ東側に想定されている地震の目が成長し、そのプレッシャーにより、西之島火山の地下に巨大な圧力がかかってマグマの上昇を促進させた可能性があります。もしそうなら、地震についてもさらなる注意が必要です」 西之島は東京から約1000キロあるので、地震動はさして大きいとは思われない。その代わり、10を超える巨大津波が太平洋沿岸を襲うと考えられている。「津波は当然、東京湾にも入ってくる。東京湾は入口に当たる観音崎のあたりが狭いのでエネルギーが奪われるだろうが、5、6の高さは覚悟しておいた方がいい」(関係者) 首都圏を襲う可能性のある巨大地震は、2018年から2020年の間にほぼ100%の確率で発生すると予想するのは、内閣官房参与でもある京都大学の藤井聡教授だ。そのため藤井教授は、空港などの主要施設の耐震性強化の徹底と、震災が起きた場合の迅速な回復力が重要であることを訴えてきた。 東日本大震災によって総額16兆9000億円もの被害を被った日本。もし、首都直下地震のため、オリンピックが中止になる事態になれば、その経済的損失は計り知れないものになるだろう。もっと怖いのは前述の鬼界カルデラである。「調査に当たった神戸大の研究グループは、カルデラ噴火のことにも言及していました。確かに、鬼界カルデラは直近の活動が7300年前。そろそろ動き出しても不思議ではありません。もし、カルデラ噴火したら? 日本が消滅してしまうことも考えないといけませんね」(前出・島村氏) 安政東海地震が起きた1854年は元号が変わった安政元年。今年は新元号の元年である。
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社会 2019年01月15日 11時00分
『特殊詐欺』に追い付けない「金融界」「警察」「司法」の現状
一般市民が自分や家族が預金したお金を引き出そうとしても、銀行が過度な情報を顧客に求めたり、機械的なマニュアル対応で顧客が窮地に陥ったり、感情を傷つけられたという事例が発生しており、これは「銀行ハラスメント」ではないかいう指摘が、昨年12月7日の衆議院金融財務委員会であった。 質問に立った末松義規議員(立憲民主党)は、以下のハラスメントの事例を挙げている。①、母親が急病になり、入院費を工面するために母親の定期預金を息子が解約しようとして拒否された。②、自分の高額預金を引き出そうとしたら、振り込め詐欺被害を疑われ警察を呼ばれた。③、海外送金を拒否された。 振り込め詐欺やそれ以外の特殊詐欺(オレオレ詐欺など)を含めた被害総額は、565億5000万円をピークに17年には394億7000万円と漸減傾向にある。だが、警察側が確認できている認知件数は、逆に増加傾向にあるのだ。「出し子」や「受け子」を警察が挙げても無罪になるケースまである。事例を挙げよう。(1)鹿児島地裁のケース:被告男性は「荷物が送られた経緯や中身は知らない。詐欺の認識はない」と無罪を主張したが、一審の同地裁は、男性が月に20回ほど複数のマンションの空き部屋で、住人に成り済まして荷物を受け取って高額の報酬を得ていることや「何らかの犯罪行為に加わっている認識はあった」と供述している点を重視して、詐欺罪の成立を認めた。 これに対し、二審・福岡高裁宮崎支部は、空き部屋を現金の受け渡し場所として悪用する手口が広く認知されておらず、「誰もが特殊詐欺と関連付けて考えられるとはいえない」と判断。箱の中身が詐取金と知らなかった可能性を認めて、詐欺罪は無罪とした。(2)千葉地裁のケース:被告女性もやはり一審・千葉地裁で詐欺罪が認定されたが、二審・東京高裁は「宅配便を受け取った行為が、何らかの犯罪に関係する可能性が高いと認識していた程度にとどまる」とひっくり返した。「受け子」レベルを有罪にできない。加えて被害者に電話をかけて騙す「かけ子」やその上の「指示役」は特定できない。しょせん受け子は、高額報酬を持ち掛けられた若者が「アルバイト感覚」で引き受けるケースが多く、組織の上層部が最低限の情報しか与えていないので、捕まえても特殊詐欺の撲滅には至らないが、それにしても酷い。「指示役の情報統制が『箱の中身は知らない』という受け子の弁解にもつながっている。今回の2人の被告は、箱の中身について『覚醒剤か、拳銃だと思った』と説明しています。そのような認識にとどまると、金銭を騙し取る詐欺罪は成立しません」(法曹関係者) 一方、ようやく「受け子」の刑事責任に踏み込む司法判断も出てきた。警察が「受け子」をおびき出す「騙されたふり作戦」についても無罪判決が散見されたが、最高裁は昨年、「騙された作戦の開始を認識せずに現金を受け取っている」と判断し、詐欺未遂罪の成立を認めた。 上記の事件でも「受け子」の責任を認めれば、「中身は知らなかった」という弁解は難しくなる。 いずれにしても、これだけオレオレ詐欺など特殊詐欺が蔓延に警鐘を鳴らしても騙される人が後を絶たない。まさに「浜の真砂は尽きるとも、世に盗人の種は尽きまじ」(石川五右衛門の辞世の句)だ。
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社会 2019年01月15日 06時30分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 ★第303回 ヨーロッパの奇妙な死
’18年12月14日、東洋経済新報社からダグラス・マレーの『西洋の自死』が刊行になった。評論家の中野剛志氏が解説を書いている本書は、原題が「The Strange Death of Europe」である。つまりは「ヨーロッパの奇妙な死」だ。 本書はイギリスのジャーナリストのマレー氏が、移民流入により死につつある「ヨーロッパ文明」についてまとめた1冊になっている。本書は、冒頭からして衝撃的だ。『(引用)欧州は自死を遂げつつある。少なくとも欧州の指導者たちは、自死することを決意した』 本書を読めば、マレー氏の嘆きが単なる煽りではなく、現実であることが理解できる。特に近年、膨大なイスラム教徒の移民が流入した結果、ヨーロッパは文明として死に向かいつつある。少なくとも、我々が認識する「欧州文明」の根幹や文化、伝統、ライフスタイル、さらに価値観は、明らかに喪失への道を歩んでいる。 元々、ヨーロッパ、特に西欧諸国は、第二次世界大戦後の高度成長期に、人手不足を補うために外国人労働者、つまりは移民を受け入れ始めた。 例えば、ドイツ(当時は西ドイツ)は1955年以降に極端な人手不足に陥り、労働力が必要になった。当初は南欧(イタリア、ギリシャ、スペインなど)から労働者を呼び寄せたのだが、1961年からはトルコ人労働者の流入も始まる。 トルコ人の労働者は男性単身で来独し、簡易宿舎や寮に寝泊まりし、工場や建設現場で働いた。彼らはゲストアルバイター(出稼ぎ労働者)と呼ばれ、1、2年間で入れ替わる「ローテーション制」とされていた。 ところが、外国人労働者を受け入れた企業側は、仕事を覚えた労働者を手放したくはなかった。さらに、外国人労働者側は、人間として当たり前の感覚として「家族」を呼び寄せようとする。 結果的に、外国人労働者がドイツに居残り、家族を呼び寄せ、集住化し、「国の中の国」が次々に作られていく。第二次世界大戦後にドイツが受け入れた外国移民の数は、5000万人を数え、現在は住民の8人に1人は外国生まれとなっている。ドイツは「経済界」の要望により、移民国家化したのだ。 特に、アラブの春以降、ヨーロッパではシリアなど中東からのイスラム移民が激増。イスラム移民の増加を懸念、批判する人は、即座に「レイシスト」「人種差別主義者」といったレッテル貼りにより沈黙を強いられ、政治力を失っていった。 興味深いのは、ヨーロッパにおいて移民推進派が使ったレトリックである。「大規模な移民は我々の国々の経済を利する」「移民は国民の雇用の見通しに何ら影響を与えないだろう」「高齢化する社会では移民を増やすことが必要だ」「高齢化は歴史的に前例のないものだ。労働者の数は急激に減少し、今世紀半ばまでにほぼ3分の2になりかねない。この試練への最良の回答は国外から次の世代を迎え入れることだ」「いずれにせよ移民は我々の社会をより文化的で、興味深いものにする」「たとえ上記がすべて誤りでも、グローバル化が進む限り、大量移民は止められない」 これらは、移民受け入れに際し、日本でもお馴染みのレトリックばかりだが、実は本書でマレー氏が紹介した「欧州」における移民受け入れ派の大合唱なのである。欧州の移民受け入れ論は、日本と同じだったのだ。というより、現在の日本の移民受け入れ派は明らかに欧州のレトリックを模倣している。 しかも、レトリックがすべて出鱈目であるにも関わらず、社会に蔓延しようとする連中が跋扈し、加えて、「一つの移民受け入れのレトリックが完全論破されても、次なる異なるレトリックが登場し、移民が推進される」 という点も同じだ。さらには、各種のレトリックを論破されると、最後は宿命論となる。 ちなみに、欧州で展開された「高齢化で人手不足になるため、移民が必要」というレトリックに対し、マレー氏は、『(引用)出生率が人口を維持できるレベルを下回っているのは、国民が子どもを欲しがっていないからではない。事実はその反対だ』 と、筆者と同様に「データ」に基づき否定している。 イギリスで人口問題の調査を行ったところ、子供を欲しがっていない女性はわずか8%だった。子供は1人でいいという女性が4%。最も多くのイギリス人女性(55%)は、子供を2人持つことを望み、14%は3人の子供を欲しがり、さらに別の14%は4人を欲しがっていた。5人以上の子供を望む女性も5%いたとのことである。 それにも関わらず、ヨーロッパでも少子化が進み、人手不足が続く。理由は何だろうか。 これまたマレー氏が書いているわけだが、『(引用)欧州の大半の国々に住む中間的あるいは平均的な所得の夫婦は、1人の子どもを持つことにさえ不安を抱えているのだ』 要するに、出産適齢期の夫婦の所得が子供を持つには低すぎるのである。筆者は、日本の少子化の主因は「実質賃金の低下(及び東京一極集中)」であることを、データに基づき主張してきたが、ヨーロッパも同じなのだ。 恐ろしいことに、移民受け入れは国民の実質賃金引き下げ要因となる。となると、若い世代はさらに子供を持つことに踏み切れなくなってしまい、少子化は終わらない。少子化が続くと、人手不足が深刻化し、「だから、移民受け入れが必要なのだ」と、外国人労働者が流入してくる。移民が増えると、国民の実質賃金が抑制され、と悪循環がどこまでも続くことになる。 実際に、こうした悪循環を続けたのがヨーロッパである。特に、近年のイスラム移民大規模流入により、西洋は文明として「死」に向かいつつある。 翻って、現代日本。安倍政権の移民受け入れ策は、最終的には日本文明に「死」をもたらす。ヨーロッパの「事例」に基づき、移民受け入れを何としても食い止めなければならない。日本文明の死を回避したいならば。********************************************みつはし たかあき(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2019年01月15日 06時00分
“デジタル世代”は仕事にやりがいを感じず、「叱られない」ことが最重要?
アデコ株式会社が、デジタル世代とデジタル世代の部下を持つ管理職各500人を対象に、仕事に対する考え方やコミュニケーションに関する意識調査を実施した。 同調査は、学生の頃からインターネットやパソコンのある生活環境の中で育ってきた20代をデジタル世代と定義した。 仕事をする目的としては、管理職、デジタル世代ともに「収入を得るため」が90%以上と、圧倒的な割合でトップ。しかし、「やりがいや達成感を得るため」「仕事を通じて社会へ貢献するため」「自分の才能や能力を高め、発揮するため」「社会的な成功を得るため」といった項目をデジタル世代が選択した割合は低く、管理職の回答と比べるとそれぞれ10%以上の開きがあった。デジタル世代は管理職と比べて、仕事をする目的にこのような意欲はないのだろうか。管理職数名に話を聞いた。 「若い世代は仕事に対してやりがいを感じていないのかな、とは思う。クライアントに『ありがとう』と感謝されるような小さいことでもいいから、まずは仕事のやりがいを見つけてほしい」 「ただ単に仕事があればいいという若手社員が多いように感じる。何事も失敗を恐れずに挑戦してくれたら、失敗しても尻ぬぐいはするのにと思う」 「自分の業種は全体的に給料が低い。だからこそ『自分は出世して高い給料を得たい』という気概を持って働いてほしいが、そういう新入社員は少ない」 このように、調査結果を裏付ける意見が出てきた。また、同調査で理想的な上司像を調査したところ、「仕事のミスがあっても叱らない」を選択したデジタル世代は36.8%。管理職自身が20代だった頃の理想的だと思っていた上司像を調査したところ、同じ項目を選択した人は23.8%で、デジタル世代のほうが「上司に叱られたくない」と考える傾向が強いことが分かる。この件に関しても、管理職に話を聞いた。 「仕事で叱るというか、こういうようにしたほうがいいよ、というアドバイスをしただけでも今の子はすぐに落ち込むから、扱いに困ってしまう」 「何回も同じ失敗をしても、最初のうちはある程度は仕方がないと思うが、中にはメモもとらない人間がいることには驚いた。自分の若い頃だったらあり得ない」 「叱られて成長する、という気持ちが若い世代にはないように思う。自分が新入社員だった頃、上司に叱られたらそれをバネに仕事を覚えて、いつか出世してやると思ったものだが。自分が管理職になった今は、厳しくしてくれた上司に感謝している」 このように、いわば「時代は変わった」といった意見が続出した。同調査の仕事・職場に対する満足度については、総じて管理職のほうがデジタル世代よりも高く、「総合的にみた現在の仕事への満足度」がデジタル世代では47.2%、管理職が57.8%となった。管理職という立場になることができた人間は、仕事に対する熱意や満足度が高い傾向があるのかもしれない。 ただ、管理職の立場の人間は、今では成功しているからこそ、“自分はこれだけ努力をしてきた”と、自分の若い頃を美化している傾向もあるのかもしれない。デジタル世代と管理職が協力し合って、これからの社会を作っていくことが求められているのだろう。文/浅利 水奈
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社会 2019年01月14日 18時30分
作家・百田尚樹氏「ブックオフに並んだら作家引退」宣言を即撤回
『永遠のゼロ』『海賊と呼ばれた男』など、ベストセラー作品を世に送り出した作家・百田尚樹氏のツイートが話題になっている。 百田氏といえば、最新刊『日本国紀』が発売直後にWikipediaからのコピペが指摘されたこと、歴史認識の誤りなどがツイッターで多数指摘されたことが記憶に新しい。 その「日本国紀」について百田氏は、こんなツイートをしていた。《ブックオフには出ないと思います。なぜなら、読み終えた後、「ずっと持っていたい!」「繰り返し、何度も読み返したい!」と思うはずだからです。もし大量にブックオフに並んだら、作家として私の完敗、いや、物書きの資格なし、です。作家を辞めてもいいです》 これは「日本国紀」が発売される前に、古本屋チェーン『ブックオフ』で並ぶのを狙って買うというユーザーに、百田氏が反応したものだ。 すると「日本国紀」発売後、「ブックオフ」支店の公式アカウントが、《…結構あるけど…ね…(´-`).。oO》とリプライ。https://twitter.com/bookoffzama/status/1081537811021348864 このツイートは3万7千件以上のリツイート、7万5千以上の「いいね!」が付いた。 しかし百田氏は、《「作家辞める宣言」なんて、これまで何回もしてるし、ネットニュースにも何回も取り上げられた。「作家辞める宣言撤回」も何回もニュースになってるし。ま、ダイエット宣言みたいなもの》 と開き直り、作家を辞めるつもりはないと宣言した。「百田氏の『日本国紀』は確かに古本としてネット上でも売り出されていますが、定価の2割程度しか下がっておらず、大きな値崩れをしているわけではない。これはむしろ名誉なことではないでしょうか。アンチが揚げ足を取っているだけな気もしますね」(芸能記者) 百田氏とアンチの戦いは、これからも続いていきそうだ。
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社会 2019年01月14日 18時00分
『エイチ・アイ・エス』澤田会長が恐れる “文春砲” 艶聞ロックオン
「平成の世直し三銃士」と呼ばれるのは、『ソフトバンク』の孫正義氏、『パソナ』の南部靖之氏、そして『エイチ・アイ・エス』の澤田秀雄会長兼社長の3人だ。その澤田氏率いるエイチ・アイ・エスの業績がことのほか好調だという。 12月11日に発表した2018年10月期の連結決算で、本業の儲けを表す営業利益が前期比13%増の180億円を計上。今期の営業利益は200億円が見込まれる。 世界初のロボット従業員が運営する「変なホテル」も話題沸騰中で、テーマパーク「ハウステンボス」の不振をカバーする形で、業績を伸ばしている。 「'19年の正月休みやゴールデンウイークの大型連休を狙って、ヨーロッパやアメリカ方面の旅行客も増加しています」(同社関係者) しかし近年は、飛行機の小型化や訪日外国人旅行客の増加で格安航空券の席数が減少。価格比較サイトやネット専門の旅行代理店も普及し、価格競争が激化している。 このため、他の旅行代理店は「格安航空券の手数料だけでは稼げない」と嘆いているのだが…。「旅行代理店業は他の業種に比べて利益を生みにくく、薄利多売と言われています。しかも、国内は少子高齢化で日本人旅行者数も右肩下がり。そこでHISは国内市場から世界に目を向け、外国人旅行客をターゲットに海外企業のM&A(合併・買収)に注力しているのです」(経済ジャーナリスト) ここ数年で、カナダの『ジョンビューカナダ』や香港の『グループ・ミキ・ホールディングス』を買収。今後も海外企業の買収やシステム投資、ホテル建設などに年間で500億円を投じる予定だ。「外国人旅行客のシェアを増やせば、今後も大きな収益が見込めます」(同) 成長を続けるHISだが、澤田会長のスキャンダルも報じられている。「ハウステンボスの“女帝”と呼ばれる女性顧問と、澤田会長の親密な様子が週刊文春にスクープされました。澤田会長は恐妻家としても知られており、対応に苦慮しているはずです」(経営者仲間)このように、上空は荒れ模様だが、澤田会長は人生の安全空路を確保できるか?
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社会 2019年01月14日 12時00分
女児の裸100点以上!ロリ変態准教授の6年に及ぶ盗撮発覚
公衆浴場の『スパ』の更衣室で女児の裸を盗撮していたとして、国立大学のエリート研究者が迷惑防止条例違反などの疑いで御用となった。 12月19日、大阪府警浪速署に逮捕書類送検されたのは、熊本大学大学院先端科学研究部の中村徹准教授(42)。中村准教授は、今年の7月16日、大阪市浪速区の温泉施設「スパワールド世界の大温泉」の男子更衣室で、父親と一緒に来ていた女児の裸をスマートフォンで盗撮した疑い。さらに、昨年の9月17日にも同じ場所で、同様の盗撮行為に及んでいたとみられる。 調べに対し、中村准教授は事実関係を認め「2012年から(同じ施設で)100人以上盗撮した」と供述している。熊本大の研究室や自宅からは、女子児童の多数の裸の画像が見つかっており、単なる趣味ではなく、販売目的で所持していた可能性もあるという。 犯行現場となった『スパワールド』は、大阪ミナミの繁華街「新世界」にある温泉リゾート施設。「通天閣、天王寺動物園がすぐそば、ということで、家族連れで楽しめるのが人気の温泉テーマパークです。場所柄、最近は外国人観光客の利用も増えています。ただ、その一方、盗撮その他の迷惑行為もよくあるんです。更衣室も広いので、遠くからスマホで狙ったらうまくいくと思うのでしょう。同種の被害が多発していたので、最近は温泉側も警備を強化していました。准教授は、まんまとその網に引っかかった格好です」(全国紙社会部記者) 事件を受け、熊本大学では原田信志学長が次のようにコメントしている。「被害者ならびに皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけしたことを深くおわび申し上げます。社会に与える影響の大きさを深く認識し、厳正に対応します」 常習犯で販売目的だったとすれば言語道断で、厳正な処分が必要だ。ましてや、同じ施設で6年もの間犯行を繰り返していたとは、どの面下げて教壇に立っていたのだろう。まったく卑劣極まりない犯罪だ。
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社会 2019年01月14日 06時30分
森永卓郎の「経済“千夜一夜"物語」 ★少子化対策の官僚バイアス
10月に消費税が引き上げられると、幼稚園や保育所が原則無料化される。消費税増税対策として安倍政権が打ち出した最大のメリットだ。また、安倍政権は働き方改革で、ワークライフバランスの取れた勤労者生活を実現していくと強調している。 どちらの政策も、少子化に歯止めをかけることを目的にしている。悪いことだとは思わないが、これらの政策は明らかに霞が関の官僚が考えた方策だ。官僚自身が、どうしたら子供を増やせるのかと考えたときに、早い時間に家へ帰ること、仕事と育児の両立ができて、さらに幼稚園や保育所が無料だったら“子育てをしやすい”と考えたことが、そのまま政策になっている。 しかし、残念ながらこれらの政策は、少子化対策としてはほとんど役に立たない。合計特殊出生率は、3つの要因で決まることが分かっている。(1)平均初婚年齢、(2)生涯完結出生児数、生涯未婚率だ。 ’85年から’15年までの30年間の変化をみると、妻の平均初婚年齢は、25・5歳から29・4歳へと3.9歳上がって晩婚化している。ただし、最近4年間は、晩婚化はまったく進んでいない。一方、結婚した女性が生涯に産む子供の数である生涯完結出生児数は、’87年(’85年は調査がない)の2・19から’15年には1・94となっている。若干低下しているが、いまでも女性は、結婚すればほぼ2人の子供を産んでいるのだ。 それでは、なぜ少子化が進んでいるのか。その答えは明確だ。女性の生涯未婚率が’85年の4%から’15年には14%へと劇的に上昇した。男性はもっと極端で、’85年の4%から’15年には23%に上がっている。いまの少子化の主因は“結婚しないこと”なのだ。 結婚しないというのは、正確ではない。結婚できないのだ。国土交通省が『平成22年度結婚・家族形成に関する調書』を再集計した結果によると、20・30代男性の場合、年収800〜1000万円の結婚率は44・0%だが、年収の下落とともに結婚率は低下し、年収100万円台は5.8%、100万円未満は1.3%となった。年収が下がると、結婚が絶望的になるのだ。 労働力調査によると、’84年の非正社員比率は15・3%だったが、’15年には37・5%と劇的に上昇している。平均年収が170万円ほどの非正社員が爆発的に増えたから、結婚ができなくなったというのが、少子化の本当の原因なのだ。 だから、少子化を止めようと思ったら解決策は簡単だ。いまや韓国よりも低くなってしまった日本の最低賃金を、非正社員でも結婚ができる程度まで、大幅に引き上げればよい。 しかし、政府がやっているのは規制緩和で、派遣労働の対象分野を拡大したり、外国人単純労働者の受け入れを拡大したり、賃金を下げるような改革ばかり。 もしかすると官僚は、非正社員に結婚してもらいたくないのかもしれない。自分たちの優秀な遺伝子を後世に残すことは必要だが、非正社員の遺伝子を残す必要はないといった差別意識が背景にあるのかもしれない。もちろんそれは、間違った思想だと私は思うが、もしそう考えているなら、エリートは率先して5人とか10人の子供を作るべきだろう。そうしなければ、日本の少子化を止めることなどできないからだ。
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社会 2019年01月14日 06時00分
田中角栄「名勝負物語」 第四番 三木武夫(3)
金脈・女性スキャンダル発覚を引き金に、無念の首相退陣を余儀なくされた田中角栄と、その後継に選出された三木武夫の激突は、ロッキード事件発覚を機に幕を上げた。 昭和51(1976)年2月6日、突如として米国から「ロッキード社が日本の自衛隊にP3C対潜哨戒機を、そして全日空にトライスター機を売り込むために、30億円にものぼる巨額の工作資金を右翼の児玉誉士夫や丸紅を通じて日本の政府高官に流した」との第一報が伝えられた。4月に入ると、「政府高官」として田中の名前が出た。米連邦証券取引委員会(SEC)がまとめた5億円の賄賂を受け取ったとの調査資料が、日本に運ばれてきたのであった。 これを機に、田中はメディアからの一斉攻撃を受けた。「本当のことを言え」というものである。田中は側近に、こう言ったとされる。「ワシャ、何のことかさっぱり分からん。どういうことなのかッ」と。 一方、したたかな三木は、敏感に反応した。それまで口にしてきた自民党の「金権体質」批判と、退陣はしたものの絶大な影響力を温存する田中を追い落とす、絶好のチャンスと捕えたようであった。事件が海のものとも山のものとも分からない発覚当初から、異常なほどのヤル気を見せたのだった。 米国から第一報が伝えられた翌日には、井手一太郎官房長官を私邸に呼び、「日本の政治の名誉のためにも問題の真相を究明しなければならない」と指示、即日「ロッキード問題特別調査会」を設置する手際のよさだった。また、「(事件を)ほどほどにという人があるが、徹底して真相を究明する。その結果、三木内閣がどうなろうと構わない」とも語り、「高官名を含む一切の資料提供を米国に求めるように」と宮澤喜一外相に指示を出した。さらには、自ら時のフォード米大統領に書簡まで送り、捜査資料の提供を促した。この結果、日米間で「司法共助協定」が調印され、日本の検察に資料が提供されることになったのだった。 こうした三木の積極的な動きをメディアは高く評価したが、自民党内からは田中派を中心に異論が相次いだ。「三木ははしゃぎすぎだ。有頂天になっている」「一国の元総理を犯罪者扱いし、国や党のことより自分のことだけを考えている。ロッキード事件を政権維持の道具に使おうとしている」「惻隠の情がなさすぎる」等々である。 とくに、フォード大統領へ書簡を送った件は党首脳陣もまったく知らされておらず、「苦渋の選択」で三木を田中の後継に裁定した椎名悦三郎副総裁は強く反発した。三木政権“生みの親”として、その動きは迅速だった。当時の政治部記者の証言がある。「国会答弁でも、ひょうひょうとしておトボケが得意だった椎名だったが、このときの怒りは相当なものだった。『三木は今国会終了後に退陣させる』と。椎名はまず、5月9日に田中の盟友の大平正芳蔵相と会ってこの線で合意、翌日には福田赳夫副総理と同様の合意を取り付けた。田中派、それに福田、大平の両派がスクラムを組めば、三木に勝ち目はない。これを知った三木は言った。『自分に課せられている使命や責任を、中途半端に放棄することは絶対ない』と。国民の支持は、自分にあるとの自信が強気の背景だったようだ。一方の田中と言えば、自分自身の問題だっただけに平静を装っていたが、田中派の結束を固める一方で、盟友の大平のケツを叩いていた。じつは、“三木潰し”に血道を上げていたということだ」★「三木にやられた」と田中 この田中、福田、大平の3派の動きは、「第1次三木おろし」と言われた。これによりピンチに立った感のある三木だったが、事態が急変する。7月27日、東京地検が外為法違反容疑で田中の逮捕に踏み切ったからであった。 時の法律専門家からは、「外為法違反容疑で逮捕というのは別件逮捕であり、しかも外為法という形式的な行政犯で逮捕したというのは大きな問題である」との見解も出たが、「田中=クロ」と決めつけていたメディアの多くが小躍りし、国民もまた多くが拍手を送ったものだった。田中は東京地検特捜部の取り調べに、もとより全面否認した。 田中は結局、起訴(外為法違反と受託収賄罪)され、逮捕から20日経って東京拘置所から2億円の保釈金で保釈されることになる。前出の元政治部記者の証言の続きがある。「じつは、田中逮捕の夜、三木派の河本敏夫通産相、井手官房長官、中曽根派の中曽根康弘幹事長、稲葉修法相らは、料亭で酒宴を開いていた。これを知った田中派議員が激怒し、口々に『こういうときに酒宴とは何事か』『通夜の晩に酒盛りとはあまりに不心得すぎる』と声を荒げていた。また、保釈後、元神楽坂の芸者だった“別宅妻”のもとに足を運んだ田中は、家に上がるやいなや一点を見据えるように、二度悔しそうに言ったそうだ。『アメリカの差しガネで、三木にやられた』と」 田中が逮捕されたことで、自民党はそれまで「ロッキード隠し」の批判を浴びてきたが、もはや“隠し”は必要なく、「三木おろし」の気運が再び盛り上がってきた。「第2次三木おろし」の勃発である。 田中は三木の“仮面”を剥ぐ戦いに、無聊の中で死力を傾けるのだった。(文中敬称略/この項つづく)***********************************************小林吉弥(こばやしきちや)早大卒。永田町取材49年のベテラン政治評論家。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書に『愛蔵版 角栄一代』(セブン&アイ出版)、『高度経済成長に挑んだ男たち』(ビジネス社)、『21世紀リーダー候補の真贋』(読売新聞社)など多数。
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