社会
-
社会 2009年05月15日 15時00分
立ち乗り自動2輪「セグウェイ」日本市場に殴り込み
あの米国生まれのヘンな乗り物が日本市場への本格参入を決めた。セグウェイジャパン(本社横浜市)は14日、立ち乗りスタイルの充電式2輪車「セグウェイ」を日本で法人向けに本格販売し、2011年度に1000台以上の販売を目指すことを明らかにした。国内法規により公道は走れないため、当初の顧客ターゲットはおのずと絞られる。ゴルフ場のカートや魚市場のターレー、プロ野球のリリーフカー替わり、さらに道路交通法をクリアできれば自転車で巡回パトロールする警察官の足にもなりそうだ。 本紙某記者はハワイ州オアフ島でセグウェイに試乗したことがある。米国では一部公道を走ることが許されており、「操作はカンタンだし、乗りごこちも悪くない。しかしスピードが出ないためヘンな乗り物という印象を強く受けた。なんだか自分が発明家のドクター・中松氏になったような気分だった」(同記者)。日本円にして約2000円で30分間走行を楽しんだという。 米国の発明家ディーン・ケーメン氏が“世界を変える乗り物”として開発。最高時速19キロと頼りないが、ガソリンを燃料としないため、エコの時流に乗る可能性はある。 しかし、公道を走れない日本で根付くことができるか? 同社によると、今年度の販売目標は300台。2年後の2011年度には1000台突破を目指すという。観光地やゴルフ場、工場、倉庫などでの利用拡大を見込み、荷物の運搬用などに、セグウェイに乗った人を追従して走行する台車も併売する。東京・築地市場で人品運搬に使われるターレーなどをライバル視しているのか。 来日した米セグウェイのジェームス・ノロッド社長は、経営危機の米自動車最大手GMと開発に着手した2人乗り充電式2輪車「プーマ」について、「両社の技術を活用できる事業。実用化すれば主に都市内を楽しみながら移動できる」と語った。ラインナップはまだまだ増えそうだ。 セグウェイは走行中に二酸化炭素を排出せず、立ったまま棒状のハンドルを握れば手軽に走れる。ただ、日本では道交法で公道走行が禁止されているため、普及が進んでいない。記者会見した大塚寛社長は「欧米では歩道を走れる場所も多く、日本でも歩道走行を認められるように働き掛けたい」と語った。
-
社会 2009年05月15日 15時00分
ソニー赤字転落 プレステは任天堂にボロ負け状態
ソニーは14日、2009年3月期の連結決算を発表した。大根田伸行最高財務責任者の「全世界で極めて深刻なものとなりました」の第一声の通り、売上高が前年度比12.9%減の7兆7300億円に、純利益は前期3694億円の黒字から989億円の赤字に急転落。ソニーの赤字計上は1995年3月期以来、14年ぶりだ。 世界同時不況と円高の影響で、主力のエレクトロニクス部門のほかに、金融、携帯電話部門も赤字の総崩れ状態。 特にゲーム部門の営業利益は前年度に続く585億円の赤字。09年度も「上半期は赤字、下半期でどのくらい稼げるか。通期ではどうなるか分からない」(原直史氏)と引き続き損失を計上すると見込んでいる。 対照的なのがライバルの任天堂。任天堂が7日発表した09年3月期連結決算では、売上高1兆8386億円、営業利益5552億円と、ともに3期連続で過去最高を更新した。「Wii」と「ニンテンドーDS」が欧米市場で好調。会見で岩田聡社長は「ゲーム業界は景気の影響を受けにくい」とさえ述べ、「プレイステーション」との勝敗は決定的なものに。 ちまたでは巻き返しを図る「プレイステーション3」の値下げが今か今かとウワサされる。同社は「値下げなどの価格戦略については一切ノーコメント」としながら「09年度は3割ほど台数を伸ばしていきたい」と含みをもたせた。ゲームマニアが喜ぶ日がやって来るのは近そうだ。(関 淳一)
-
社会 2009年05月14日 15時00分
ユニクロ ブラトップ世界進出
リーズナブルな価格設定で人気のカジュアル衣料品店「UNIQLO(ユニクロ)」を運営するファーストリテイリング(東証1部上場、本社=山口県山口市)は13日、大ヒット中の女性用下着「ブラトップ」を世界で本格的に展開すると発表した。国内の各産業界が内需拡大を見込めず苦戦する中、日本のブラジャー産業が外資獲得の先陣を切る。“ブラジャー景気”が不況脱出の突破口となるか、注目だ。 ブラトップは昨年300万枚を販売し、同6月には品薄状態になったユニクロのヒット商品の一つ。トップスとブラジャーの機能を併せ持つブラカップが最大の特長で、肩ヒモや背中のホックがなく、従来の締め付け力の強いブラと比べ解放感が高いとされる。 同社は今夏、昨夏の3倍に当たる900万枚を販売する方針。このうち50万枚は中国や英国、米国など海外で売り出す。従来のキャミソールやタンクトップに加え、ワンピースなど新しいタイプも用意するという。 得意とする多彩なカラーリング戦略も駆使し、最大で14色のバリエーションをそろえる。欧米の女性は“乳首ポッチ”に寛容なイメージがあるが、ブラトップは内蔵カップがガードするためその心配はなし。世界中のおしゃれな女性の消費者マインドに火をつけそうだ。 グループ売上高1兆円を目指す同社は、2020年には世界一のアパレル製造小売グループになるという長期目標を設定中。同社ホームページで柳井正会長兼社長は「国内ユニクロは、やり方次第でまだまだ成長の余地がある。引き続き店舗の大型化を進めると同時に、ウィメンズ商品の拡充に力を注ぐ」などと女性重視の市場戦略を語っている。 世界同時不況とあって、輸出業の海外戦略は困難をきわめている。そうした中、技術力に定評のある下着業界が世界展開をはかるのは画期的。国内需要を揺り起こし、国内経済を刺激する効果も期待できる。 ちなみに同社のイメージキャラクターは、これまでブラトップキャンペーンをけん引してきた女優吹石一恵さんから、女優の栗山千明さんにバトンタッチ。13日には、都内で開かれた発表会に栗山さんがブラトップのキャミソール姿で登場。栗山さんは「シンプルだけどスタイリッシュ」とアピールした。日本発のブラ革命は世界の下着市場を塗り替えるか。ブラトップから目が離せない。
-
-
社会 2009年05月14日 15時00分
経済偉人伝 早川徳次(シャープ創業者)(43)
社交界の花形であり、美ぼうと教養で知られる法律学者夫人・江木欣々が、自分に異父弟妹のいることを知って、高名な探偵である岩井に調査を依頼した。もし本当に弟妹が存在するのなら、ぜひとも会いたいというのが欣々の望みだった。 江木欣々の名前は、徳次も聞いたことがあった。岩井の話を聞きながら、徳次は、狐につままれたようだったが、欣々(栄子)の苦労と孤独が痛いほどわかる気がした。 徳次が政治と兄弟商会をつくろうと堅い握手をした数日後、登鯉子、政治、徳次の3人は、差し向けられた黒塗り、2頭立ての馬車に迎えられて欣々の待つ江木邸を訪れた。門をくぐって玄関を入ると、等身の仁王尊や仏像が立ち並び、お寺を思わせる廊下があり、左手側の客間に通された。部屋はいすなどが置かれていて、洋風だった。 そこに、新しい型の束髪に結った姉・栄子が待っていた。裾長に和服を着流し、その上から流行の紫被布を羽織っている。胸からは房のある紐(ひも)が長く垂れていた。徳次には、栄子がこよなく美しく思えた。浦島が竜宮で乙姫と会った感じもこんなではなかったかと想像した。栄子は徳次より17歳年長で、当時40歳に達していたはずだが、非常に若く見え、なおかつ威厳があった。 栄子は瞳を輝かせて徳次たち3人に自分の数奇な過去を話した。また、3人の身の上もいたわるように聞いた。特に徳次が幼いころの苦労を語る時は、ハンカチで涙をぬぐいながら自身の生い立ちを引き比べてうなずくのであった。徳次にはまるで母親の優しさに接しているように思えた。 早川兄弟商会では、販売は政治、製造・開発は徳次が担当したが、徳次も早川式繰出鉛筆の見本を持って問屋筋を回った。 精巧かつ実用的。日常の必需品として必ず売れる自信があった。しかし、どの問屋にも不評だった。持ちやすく工夫した軸の金属が“冬場には冷たく感じるから駄目だ”とか、繰出鉛筆そのものが当時は大多数を占めていた“和服に向かない”などと言われ、全く注文を取れない日が続いた。
-
社会 2009年05月14日 15時00分
永田町血風録 代表辞任で民主に反小沢会派の誕生も
「小沢(一郎)が民主党の代表の座をかなぐり捨てたんだって?」 これまでだって、小沢一郎は反自民党を掲げては、いくつかの政党を作ったがすぐにぶっつぶしてきた。 その小沢が代表を辞任したことを受けて、かつて“同じ釜のメシ”を食った経験のある自民党の有力領袖がこうのたまった。 最近の小沢の動きからして辞めるのは時間の問題だった。幹事長・鳩山由紀夫は記者から、民主党の主力が集まった軽井沢の会合に小沢が無届欠席したことについて「なぜ代表は来ないんですか」と質問をされた時、「わかりません」「知りません」といった木で鼻を括(くく)ったような返答をした。この時、察しのいい記者は「小沢は代表を辞めるな…」と感じたはずである。 最近、小沢は民主党の支持率や小沢と首相・麻生太郎との比較などで、これまでははっきり国民の関心事はもっぱら小沢で、麻生は後塵(こうじん)を拝しっぱなしだった。 それがここに来て、麻生の目に見える政策が功を奏したのか、はっきり小沢と麻生の攻守が交代してしまった。小沢はこのあたりから弱気になっていた。それは民主党内での言動でもはっきりし始めていたのだ。 そればかりか、民主党内の一部議員の間では「小沢に引導を渡そう」と署名を募るなどして、小沢と一線を画すような動きが傍目(はため)にもはっきりし始めていた。 「こうした一連の動きは、小沢がこれまで政党を作ってはつぶしてきた、あのパターンに似ている」と、かつて小沢と行動を共にしてきた民主党の重鎮がコメントした。 「辞めるのなら、ちゃんと骨まで拾ってくれないことには…」と、今や小沢に対する不満が表に出ているばかりだ。 「小沢の一枚岩で行こう」と、あれほど固い契りで先の参院選を圧勝したのも、今にして思えば、小沢のこのようなやり方、すでに計算ずくだったと思われても仕方がない。 小沢に去られた民主党よ! これからどこへ流れていくのか。小沢が辞めたことで、民主党内の反小沢派の面々は「これで気兼ねなく動ける」としている議員が如何(いか)に多いか。 そこはそれ、やはり寄り合い所帯のもろさなのか…。自分勝手なことができると喜んでいる議員もいるが…。 あとはいつ小沢という柱がなくなったことで、民主党は、小沢がやってきた非自民党会派のように、反小沢会派がいつ生まれるか、というそちらの動きが注目されそうだ。
-
-
社会 2009年05月13日 15時00分
経済偉人伝 早川徳次(シャープ創業者)(42)
大正4年の晩春、徳次が繰出鉛筆の改良・開発に没頭していたころのある日、グレーのマントを着た白髪の紳士が徳次を訪ねて来た。出された名刺を見ると、私立探偵岩井三郎とある。 岩井三郎と言えば、明治28(1895)年に日本で初めての内偵調査会社「岩井三郎事務所」を東京・日本橋に創立した人だ。大正初めに起きた「シーメンス事件」の調査により、その名が世間に知れわたった。後に日本屈指の推理小説作家となる江戸川乱歩も彼に弟子入りしたことがある。 徳次もその名前は新聞で知っていたが、そんな有名な探偵が自分のところになぜ来たのか、全く心当たりがない。「どういったご用向きで」と尋ねる徳次に、岩井は実はあなたに会わせたい人がいると言う。今すぐ先方の名は言えないが、また来ますと帰って行った。 3日ほどして再び岩井がやって来た。実は徳次にもう一人姉がいて、その姉が徳次に会いたがっているという話だった。 岩井に依頼したのは江木欣々という女性で、彼女は母・花が関家で産んだ長女だった。徳次たちにとっての異父姉だ。 江木欣々は幼名を栄子と言い、花が離縁されて藤谷家に戻った後、関家から里子に出された。里子に出された先からさらに東京・本所に養女にやられ、そこで育った。年ごろになった栄子は築地の料理屋で働き始め、料理屋の近くに下宿していた東大の書生・江木と出会う。ところが栄子は、江木の前から姿を消してしまう。その後、柳橋に半玉(見習い中の芸者さん)として出ていた栄子と江木は運命的な再会を果たし、結婚する。 栄子と江木は結婚したが、江木は法律学者で、いわば上流社会の人だ。栄子にも社交界に必要な教養をすべて習わせた。栄子は聡明で、あらゆる教養を身につけるための努力も惜しまなかった。家庭人としての教養はもちろん、学は和漢洋から宗教にも及んだ。さらに趣味として書画、篆刻(てんこく)に親しみ、雅号を欣々とした。そして栄子は美ぼうと教養で知られる社交界の花形、江木欣々となったのだ。
-
社会 2009年05月13日 15時00分
ゴーン氏失業危機
“会社再建の神”とあがめられた日産自動車のカルロス・ゴーン社長(55)が失業危機を迎えた。同社は12日、2009年度3月期決算の純損益を発表。世界不況を受けて2337億円の赤字に転落し、来年3月期も1700億円の赤字予測という。2年連続で巨額赤字を計上する見込みでは、さすがのカリスマも失墜。冷徹な「コストカッター」が“カット”される可能性が出てきた。 日産の赤字計上は2000年3月期以来9年ぶり。ゴーン氏が社長に就任してからは初めてのことだ。08年秋以降の世界同時不況の波をモロにかぶった自動車業界とはいえ、2年連続の巨額赤字計上見込みは、ゴーン氏が“神”などではなくひとりの人間だったことを示した。 自動車業界に限らず経済界は不況の真っただ中にあり、消費の先行き不安は依然根強い。特に小回りの利かない大手企業では業績不振が長期化する恐れが強まっている。 12日に出そろった国内自動車大手8社の09年3月期連結決算は、販売不振や円高でトヨタ自動車、日産、マツダ、三菱自動車、富士重工業の5社が純損益で赤字に転落。ホンダなど3社も大幅減益となった。来年3月期で2年連続赤字となる見通しなのは、日産のほかトヨタ、マツダ、富士重の計4社。軽自動車「2強」のスズキ、ダイハツ工業は国内販売が比較的堅調だったため黒字を確保。ホンダも2輪車が下支えし、黒字を維持した。 日産は前期4822億円の黒字をキープしていたが、08年度の新車販売台数は、前年度比9.5%減の341万1000台。主要市場の米国で20%近く落ち込んだほか、日欧でも15%を超える減少となった。09年度の新車販売も9.7%減の308万台と予想。ゴーン氏は「09年度下半期の販売台数は前年同期を上回るだろう」と述べるのが精いっぱいだった。 さらに取りざたされている米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の一部ブランドの買収を否定。フィアットからの出資受け入れで再建を図る米クライスラーとの事業提携についても「独立した企業として存続するなら進めるが、子会社になるなどしたら見直す」と、将来的な白紙撤回を示唆した。 売上高は8社すべてが前期を大きく下回り、中でも日産が22.1%減の8兆4369億円とずば抜けている。 ゴーン氏は国内の“守り”に徹する方針のようだが、果たして株主が納得するか? ゴーン氏自身の首すじが寒くなってきた。
-
社会 2009年05月12日 15時00分
小沢代表が辞任会見で美人キャスターにマジギレ寸前
民主党の小沢一郎代表(66)は11日、党本部で会見を開き、代表を辞任することを発表した。麻生太郎首相(68)との党首討論を2日後に控えていながら、急転直下の辞任劇。悔しさを押し殺そうと笑顔で記者会見に臨んだ小沢氏の化けの皮をはがしたのは、あの美人キャスターだった。 11日午後5時から民主党本部(東京都千代田区)で記者会見に臨んだ小沢氏。黒のスーツに薄い水色のネクタイで笑顔で記者団の前に現れた。 「わぁ〜、マイクが一杯だ」 辞任に追い込まれた悔しさを隠すかのように、小沢氏の会見はそんなとぼけた第一声から始まった。 小沢氏は記者会見の冒頭、用意してきた紙を読み上げ、「衆院総選挙での必勝と政権交代の実現に向け、挙党一致態勢をより強固にするため、あえてこの身を投げうち、民主党代表の職を辞することを決意した」と述べた。 辞任の理由については、「今度の総選挙は悲願の政権交代を実現する最大のチャンス。党内が乱れていたのでは勝利できない。代表の職にとどまることで、挙党一致の態勢を強固にする上で少しでも差し障りがあるとするならば、本意でない」と党内の混乱を最大要因に挙げた。 辞任を決意したのは大型連休中に進退問題をゆっくりと熟慮した結果だという。小沢氏は自らの辞任が次期衆院選での民主党の勝利に貢献するとしている。次期代表については「辞めていく者が次の人について、論ずべきではないと思っています」と答えを避けた。 時折言葉に詰まりながらも、終始笑顔で語り続けた小沢氏。党内からも辞任を求める声が上がりながら続投を貫いてきた政界の“壊し屋”は、辞任の悔しさを見せまいと必死の笑顔を振りまき続けた。 記者との質疑応答の際は、発言する記者には一目もふらず、ただじっと前を見つめながら応答した。しかしテレビ局の女性キャスターからの質問に態度が急変する。 「党内や有権者からも辞任自体が遅すぎたことによって党にダメージを与えたという声もあります。離党や議員辞職も選択肢として考えられるのですか?」 その質問に小沢氏は会見で初めて質問者の方を向き「なぜ離党、議員辞職しないといけないのですか」とブチギレ寸前。 「献金事件というカネにまつわるイメージを民主党から離すために離党すべきじゃないかと」と続ける記者の質問をさえぎるように小沢氏は「私は、政治資金の問題についても一点のやましいところもありません。政治的な責任で身を引くわけでもありません」と強調した。さらに「あなたどこだっけ、会社?」と聞き返し、記者が「日本テレビです」と答えると「日本テレビでもよく国民のみなさんの調査をするべきだと思います」と小沢氏が言い返す一触即発の雰囲気に場内は静まり返った。 質問したのは帰国子女で東大卒のエリートとして有名な七尾藍佳キャスター(30)。日本テレビ系「NEWS ZERO」でリポーターを務めながらフリーキャスターとして活動している。 超エリートという肩書の一方で、一部では場の空気が読めない女性との声も。最近ではフジテレビ系列のクイズ番組「ネプリーグ」に東大美女軍団チームの一員として出演。英語問題で得意のネイティヴ発音を披露してみせれば、チームのメンバーが答えられなかった質問を「簡単すぎるのに」と堂々と言ってのけ、共演者らがどん引きする場面も。 また、山口県光市母子殺人事件で死刑判決が出た際には、記者会見に答えた被害者遺族の男性に「死刑判決が出て果たして、あなた自身は、いつか癒やされるのか、救われることがあるのか、その気持ちを聞かせていだだけますか?」と質問し、周囲の記者を驚かせるとともに遺族男性を困惑させた過去もある。 しかし、今回はそんな歯に衣着せぬ物言いの美人キャスターの活躍で、小沢氏が最後まで西松建設事件の説明責任を果たすつもりがないことが露わになった。金権政治と揶揄される巨大な利権を手放す気は小沢氏には毛頭ないようだ。次期衆院選まであと4カ月。小沢氏が神経をとがらせる矛先はもっと別にある気がするのだが…。(関 淳一)
-
社会 2009年05月12日 15時00分
経済偉人伝 早川徳次(シャープ創業者)(41)
万年筆のクリップで注文が殺到した徳次は、次に繰出鉛筆の開発に取り掛かった。セルロイドの軸は太すぎて、見た目も不細工に思われたので、普通の鉛筆程度に細くすることを考えた。そのためにはまず内部の金具の構造をすっかり変える必要があった。来る日も来る日も考え続け、セルロイドの鉛筆が夢に現れることさえあった。外装はセルロイドではなくニッケル製の金属軸にして、内部には一枚板の真鍮(ちゅう)を使ってみた。これで持ちやすい細さにすることが可能になる。 さらに、芯(しん)を最大限まで繰り出すと、自動的に外れて取れるように工夫を凝らした。ちょうどよい長さの芯が先端から出るようにするのが最も苦労したところで、何度も試作を重ねた。そしてついにある日、内部につけるみぞの彫り方を変えることを思いつく。そうすることで、徳次が理想とする芯の出し方が出来るようになった。 こうして大正4(1915)年春、世界中のどこにもない早川式金属繰出鉛筆が完成した。外装のニッケル部分には模様を入れて、クリップも付けるつもりだ。この辺の加工は万年筆で体験済みだ。機械を使って大量生産することも当然、視野に入れていた。特許取得の申請もした。 徳次は出来上がった早川式金属繰出鉛筆を、兄・政治に見せた。政治は渡された繰出鉛筆を手に取って、芯を出したり戻したり、実際に紙に文字や線を書いてみたり、分解したりしていたが、やがて「これは売れる」と言った。仕事でさまざまな文具に接している政治の言葉は心強いものだったが、徳次にも自信があった。そこで徳次は政治に切り出した。 「この繰出鉛筆の製造・販売を事業化したいと考えています。製造はあっしがやりますから、販売を兄さんがやってもらえないでしょうか」 徳次はいつか兄と一緒に“早川兄弟商会”をつくりたいと願っていた。今がその時だと思えた。政治は徳次の開発した繰出鉛筆を見つめていたが、顔を上げると「よし、徳次、一緒にやろう」と力強く言った。
-
-
社会 2009年05月12日 15時00分
永田町血風録 衆院の解散・総選挙が待ったなしの状況に
大型連休で選挙区へ帰っていた国会議員、とくに民主党の議員は代表・小沢一郎の辞任を受けて顔面蒼白(そうはく)の状態だ。それを受けて衆院の解散が近くなったとあって、民主党は選挙のマニフェスト作りに躍起になり始めた。 この間、選挙区で有権者に訴えていることといえば、世界中を震え上がらせている新型(豚)インフルエンザと15兆円規模の経済対策でライバル政党・自民党との違いを吐露している。 「経済対策は麻生内閣のバラまきにほかならない」と、民主党の代表代行・菅直人は国会で口汚く政府の政策を罵(ののし)り、「次の選挙でわが党が勝利したら、こんな政策は取らない」と言っていた。 首相・麻生太郎がやっとその気になってきている衆院の解散・総選挙を一日でも早く実現させようと迫っていたのだ。民主党の中にあっても「代表・小沢一郎の早期代表辞任が必要」としていた旧社会党系議員のほか、あくまで小沢を支えていこうとする旧小沢グループにあってもいささか小沢の言動が解せない、という声まであった。 そればかりか、自民党執行部の一部には「こんどの総選挙での政局についてはわが党にはなはだ有利」と、皮算用までしている始末。確かに皮算用も必要だと思う。公明党が都議選と衆院選の日程を空けてほしい、と与党間の“協定”にしようとしているのも、はっきり皮算用してのものである。そして、首相の麻生と民主党代表だった小沢との党首討論が行われる予定であった。しかしそれも今回の小沢代表の辞任で、ご破算となってしまった。 衆院の解散・総選挙は、待ったなしにやってくる。麻生はもっぱら“外交”と称して世界を飛び回っていた。 「国内には目もくれず外にばっかり気を使っている麻生と小沢との国民に寄せる思いの違いをぜひ出させたい」と民主党幹事長・鳩山由紀夫は、何はともあれ、それを表に出したかったのである。 この自民党と、民主党やほかの政党はカヤの外に置かれたままである。「政治は勝つか負けるか」だからほかの政党もやっとPRのために動き出した。マニフェストを前面に押し立てての行動だが、この時期、国民受けするものといえば、やはり経済対策か。 国会の会期末が6月3日に迫るなか、政府・与党は7月24日までの51日間の大幅な会期の延期を行う方向で検討に入った。 平成21年度第1次補正予算案や海賊対策法案などの成立を確実にするため、会期の延長は不可欠というだけに、9月10日の衆院の任期満了を見据えて、麻生にフリーハンドを与えているという意味合いと、経済という追い風のムードを受けてのものだ。(文中敬称略)