社会
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社会 2009年05月21日 15時00分
永田町血風録 政権交代へ説得力に欠ける新生民主
2世議員はダメ、世襲もダメ。与野党そろって、こう大合唱している。衆参両院に今、その2世議員や世襲議員がどれだけいることか。 自民党総裁の首相・麻生太郎も、そしてこの度、民主党代表になった鳩山由紀夫も、共に父や祖父が一時代を担った首相だった。 政治の世界は、なんといっても“顔”が優先する。どれほど大義名分を並べても、生き抜くには選挙で当選しなければなけない。当選する第一条件は知名度、つまり有権者によく知られていないといけない。 全くの無名候補者とある程度知られた候補者では、知られた方が票を増やしやすいのだから。そのため2世や世襲が有利になる。 先日の民主党代表選で「政権交代」を鳩山も岡田克也も口走っていたが、鳩山の場合、祖父も父も首相、外相を経験してきたエリートの政治家一家。そういう人が政権交代をと言っても、なぜかもうひとつ国民に訴える迫力に乏しい。 「政権交代とは、どこの誰に向かって言っているのか。あれは民主党内の議員に大してのポーズに過ぎない」 政界人のほとんどは、こう判断している。小沢一郎の代表辞任から、たった2日、3日で代表選挙が行われ、それも鳩山と岡田の2人だけ。“出来レース”感は否めない。若手が手を挙げたくても小沢の目が光っていたのでは、それも叶わなかったのだ。 その小沢も父の代から自民党の重鎮政治家だった。知ってのとおり小沢も2世議員なわけだ。「あの人に睨(にら)まれては、これから国会議員としての立場もなくなるから、長いものには巻かれた方が得策」ということになって、若手は手を挙げなかった。 鳩山も岡田も自民党時代には小沢に世話になっている。ましてや2世議員たちは、来たる総選挙で自分を有利にしたいがため、あえて発言しなかったこともあって、民主党代表選はマスコミが囃(はや)し立てるだけで、党内は静かだった。 かつて小泉純一郎が、「首相、総裁として、オレが自民党をぶっ壊す」と総選挙で吠えまくった。小泉のアジテーションと演技力が光った「劇場型総選挙」と言われたことと比較して、今回の民主党代表選はコマ不足もいいところだった。 というのも、民主党も2世議員が多く、「まあまあ」で幕が引かれたからだ。そういえば、鳩山の祖父・一郎はよく「友愛」という言葉を口にし、麻生の祖父・吉田茂(元首相)と保守の大連立を成し遂げた。 まさか孫の代で大連立の再現はないだろうが、かくも似た者同士であることも確かなのだ。 いささかトウの立った“新生”民主党が、自民党にどう対峙していくのか。それが来たるべき総選挙の前の最大の関心事になってきた。(文中敬称略)
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社会 2009年05月21日 15時00分
小説よりエロ〜い「ぶって姫」暴露本の中身
「ぶって姫」こと民主党の姫井由美子参院議員(50)の暴露本「毒姫」(マガジン・マガジン、1300円)が発売され、著者で姫井議員の元婚約者だとする横田育弓生氏が20日、都内で出版会見を行った=写真。 同書は、横田氏が姫井議員について「かなりのMで、ぶってぶってとよくせがまれた」と週刊誌に暴露した内容をさらに書き足してまとめたもの。 横田氏は会見で「2人の間に男と女の関係があった」と堂々と語った。文中には「姫井とよく行った広島県福山市のラブホテルにて」との説明書きで、中年女性が口を開けて寝ている写真が掲載されている。女性は確かに姫井議員に見える。 同書では、横田氏が入院していた際、お見舞いに来た姫井議員が「ねえ、ここでしよう」とおねだりしたとされ、院内のロビーで男と女の関係を持ったという。さらに「私たちがよく行った健康センターでは、休憩スペースが男女別に仕切られていたが、姫井は深夜灯が落ちるのを見計らい、男ばかりの部屋に忍んでき来て、私の毛布の中に潜り込み、せがんでくる」との記述もある。 姫井議員は本紙の取材に対し、「本は購入してません。内容については現在係争中であり、私が訴訟で否認している事柄です。即日、出版差し止めなどを東京地裁に申立てました」と答えた。現在は互いが互いを訴え合う泥沼の裁判中。来年に参院選を控える姫井議員にとっては目の上の大きなたんこぶだ。(関 淳一)
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社会 2009年05月20日 15時00分
あゆ、倖田來未、大塚愛らが「公演中止」に追い込まれた裏事情
新型インフルエンザの感染が拡大している大阪府や兵庫県でイベント中止の動きが活発化してきた。エイベックスは19日、両府県で20〜24日に予定していた歌手の浜崎あゆみさん(30)や倖田來未さん(26)、大塚愛さん(26)のコンサートを中止すると発表。当初はマスク着用などを呼びかけて開催する予定だったが、急きょ中止を決断した。その裏側にはネット上の“インフルKY対応バッシング”があった。 浜崎さんの公式ホームページには、19日付でエイベックス・マネジメントによる「新型インフルエンザ発生に伴うコンサート中止のお知らせ」が掲載された。「再検討した結果、いまだ新型インフルエンザの感染の範囲やその状況が不透明であること、マスク・消毒液などの予防医薬部外品についてご来場いただくお客様に対応する数量が不足していることなど、ご来場されるお客様の安全を最優先に考えた結果、コンサートを中止することを決定いたしました」という内容だった。 大阪市中央区の大阪城ホールで20、21日に予定されていた浜崎さんのコンサートは当初、手洗いやうがいの励行や、せきの症状がある客へのマスク着用を呼び掛け、開催する方向だった。 大塚愛さんの23、24日の大阪城ホール公演も取りやめ。倖田さんについても23、24日に神戸ワールド記念ホールで予定されていたコンサートも中止となった。いずれも代替公演を検討中という。 今後のスケジュールやチケット払い戻しなどは改めて案内するとしており、急転直下の決断だったことがうかがえる。 18日の段階でジャニーズ事務所は、23、24日に大阪市で開催予定だった関西ジャニーズJrのコンサート計4公演の延期を決定。ネット上では、コンサートを実施する予定だった同社や浜崎さん、倖田さんを「商魂たくましい」などと批判する書き込みが目立った。なかには想像をふくらませて「最前列なのにマスクしてて感じ悪いねえ、とか言いそう」などと悪ふざけするものもあった。 芸能関係者は「マスクなど準備万端整えて開催したとしても、こうした批判がアーティストに向けられる可能性がある。イメージダウンを避けるためにも中止せざるを得なかったのではないか」と指摘した。 新型インフルエンザの感染拡大は食い止めなければならないが、イベント自粛の動きがさらに活発化すれば、関西経済に大打撃を与える危険性がある。子ども向けの職業体験施設キッザニア甲子園(兵庫県西宮市)も「入場者の大半を占める小学生の感染拡大を防ぐ」ため、19日から25日まで臨時休業中だ。 こうしたなか、世界保健機関(WHO)は19日、新型インフルエンザのワクチン量産の開始時期が、これまで考えられていたより1カ月程度遅い「7月中旬以降になる」との報告書を公表。量産開始からワクチンが一般に流通するまで数カ月かかるとみられており、日本など北半球で季節性インフルエンザのワクチン接種シーズンが始まる秋口までに間に合うか微妙な情勢になってきた。
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社会 2009年05月20日 15時00分
経済偉人伝 早川徳次(シャープ創業者)(46)
徳次が開発した繰出鉛筆の新製品は、兄・政治の提案で「シャープペンシル」と命名した。関西総代理店契約を結んでいた福井文具店の福井と3人で会った際にこの話をすると、福井は「(削らなくても)いつでも準備できてるということで、エバー・レディと付けませんか?」と言い出し、政治も賛成したので、最終的に商標登録は「エバー・レディ・シャープペンシル」、輸出用も国内向けもこの名前で行こうということになった。訳せば“常備芯尖鉛筆”だ。 アメリカをはじめ、諸外国でも特許を申請した。国内外で獲得した特許権の数は48種類。後に「エバー・レディ」は外して再び「シャープペンシル」とし、現在でも繰出鉛筆の代名詞になっている。 大正6(1917)年にはシャープペンシルの売上は月1万円に達し、従業員数は60人を超えた。大卒の初任給が50円くらいの時代だ。この年の6月には二男の克己が生まれる。関西代理店の福井商店のほかに中部代理店として名古屋の安藤玉華堂と特約を結んだ。 大正7年には従業員数は100人を超え、月の売上は2万円に達した。 大正8(1919)年春、本所林町2丁目の工場(兼自宅)周辺の土地を購入し、工場120坪、事務所24坪を建設した。徳次は同じ敷地内に自宅も造ることにしていた。大阪の中山太陽堂の傍系会社である日本文具製造株式会社の東京支店と特別契約を結び、関東地方の販売を委託したのもこのころだ。 工場・事務所・自宅の完成を待って、芳松夫妻、巻島夫妻、井上せい、それに熊八も招いてお披露目をした。徳次は井上せいの面倒を先年からみていた。義父の熊八を正式に招待するのは初めてだった。林町に移ってから、義母はほとんど姿を見せなくなっていた。 大正4(1915)年に徳次は出野家から離籍し、正式に早川に復していた。この話し合いはすべて政治が間に立って進めた。徳次は熊八側の申し入れをすべて受け入れ、さらに出野家の生活の保障、3人いる出野家の子供が成人するまでの生活を世話するなどの方法を協議した。
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社会 2009年05月19日 15時00分
経済偉人伝 早川徳次(シャープ創業者)(45)
徳次が開発した早川式繰出鉛筆は銀座・伊東屋が注文を出してくれた。兄・政治が当たっていた横浜の商館からも輸出用の注文が大量に来た。 前年の大正3(1914)年に始まって長期化の様子を見せていた第1次世界大戦の影響で、従来のドイツ製品の輸出が止まっていたせいもあるが、やはり製品の品質が評価されたのだ。欧米市場で早川式繰出鉛筆は大好評を博し、追加注文が相次いだ上、ほかのいろいろな外国商館からの注文も殺到した。徳次の工場は増産態勢に入る。翌大正5(1916)年には隣家を買い足して工場を拡張し、職工も増員した。 輸出用の製品には「徳次」の頭文字「T」を握って高く掲げている“手”を商標として入れた。国内の三越、白木屋、松坂屋といった百貨店からも注文が入り、こちらは各店のマークを入れて納品した。こうした動きをみて徳次たちの売り込みに見向きもしなかった問屋筋も、われ先にと注文を開始したが、品不足でなかなか入手できない状態だった。 早川式金属繰出鉛筆の売れ行きは好調だったが、徳次は製品に改良を加えることを怠らなかった。もっと芯(しん)を細くできないかと考え、いろいろと道具を探し回った。そしてアメリカ製のドリルにたどり着いた。西洋ドリルと呼ばれるその道具を使えば、鉛筆の芯を通す金属パイプに、徳次の望む細さの孔(あな)をあけることができた。芯を極細のものにして、外装もそれに合うように加工した。これらの工夫を加えた後、徳次にとってほとんど理想の繰出鉛筆が完成した。 さっそく政治に見せると「これはいい。今のより、もっと売れるぞ」と喜んだ。新製品をアピールする名前をつけたかった。政治が「シャープっていう言葉を使ったらどうだろう」と提案した。シャープというのは、鋭いとか尖(とが)ったという意味のほかに賢明とか素早いということも表すと政治は教えてくれた。 徳次もそれは打ってつけの言葉だと賛成し、新製品は「シャープペンシル」と命名された。
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社会 2009年05月19日 15時00分
永田町血風録 民主党代表選は“鳩山のまやかし”
民主党はやっぱり小沢一郎の殻を破れなかった。そして登場した代表は、その小沢の“傀儡(かいらい)”といわれる鳩山由紀夫であった。 「もう民主党の先は見えているよ」 もう一人の代表候補だった岡田克也を推した民主党の中堅議員がいみじくもこう言った。 今回の民主党代表選挙は投票総数220票で、鳩山が124票、岡田が95票という結果となり、たった一人無効票を投じた議員がいた。 今回の民主党の代表選は、小沢がいつものように「オレは(代表を)辞めた」と投げ出したことから始まった。小沢への西松建設からの違法政治献金疑惑が、まだはっきりと責任説明が果たされていない状況で行われた。 「幹事長だった鳩山が間もなく行われるであろう衆院選で国民から手厳しい批判が下される前に、小沢に代表から退いてもらい、国民の目から西松建設問題をそらすために急きょ、代表選挙を行ったのだ」(政界アナリスト) だから、民主党の代表選で鳩山はひと言も西松問題に言及しなかった。自民党の執行部は「あれは鳩山のまやかし」と言い、「総選挙前に党首討論をやり、西松問題を国民の前にもう一度さらけ出そう」としたもくろみは、見事に肩透かしを食らわされた。 ただし、「碁や将棋と同じように先を読んだほうが勝ちということになると、民主党は鳩山代表でよかったよ」とは自民党の某幹部。結果オーライに期待しているふしがある。 だが、自民党はそんな甘いことばかり言ってはいられそうにない。首相・麻生太郎を補佐しなければならない官房副長官・鴻池祥肇が、週刊誌に女性(愛人)同伴の温泉&ゴルフ旅行をしたと暴かれた。今年初めにも参院議員宿舎に女性を宿泊させたことをすっぱ抜かれたが、今回はその旅費は国会議員にだけあてがわれている無料の「JRパス」を使ってのものだった。この不祥事で鴻池は即刻、官房副長官を辞任した。 「言語道断だ。それも不倫旅行というから開いた口が塞(ふさ)がらないよ。麻生は自分を支えてくれる人物を厳しくチェックする意識が欠如していた。麻生内閣になって、大臣を含め内閣の主要人物が何人、辞めていったんだよ」(前出・政界アナリスト) 定額給付金にしても、国民の懐を潤すためのものと麻生は言うが、その給付金を受け取れない国民もいるといわれる。政府はもっとチェックすべきであり、野党も、それを追及するくらいのことをやってもらいたい。 民主党が代表選を行っている間、他の野党各党は傍観するに等しかった。 国民生活に重きを置くという与野党共通の公約は、どうもこのところ空念仏になっている。せめて鳩山くらい、小沢の殻から抜け出して政府与党と対決してみせてくれ!!(文中敬称略)
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社会 2009年05月18日 15時00分
経済偉人伝 早川徳次(シャープ創業者)(44)
自信を持って開発した早川式繰出鉛筆だったが、全く注文を取れない日々が続いた。けれども徳次は必ず売れる日が来るという期待を持っていた。徳次が回った中に東京・銀座の伊東屋という店がある。伊東屋は日本一の小売文具店だった。 はじめ徳次は6種類の繰出鉛筆見本を持って伊東屋を訪ね、番頭に会ってもらった。番頭は徳次に、いろいろと改善すべき点を指摘した。徳次は次の週には指摘された個所を忠実に改良して再訪した。それでもまだ受注には至らない。 その後、徳次は月に平均6種類ずつ新たに改良を加えた繰出鉛筆を作っては伊東屋に通った。半年がたち、見本の種類も36種類になった。徳次には、この大きな店と何日かかっても取引したいという固い意志があった。 通い始めて6カ月後、ようやく伊東屋の主人から一度会おうという通知をもらった。早速、徳次は見本の36本を持って出かけて行った。雪の降る年の瀬のことだ。この日、徳次は主人から見本の全種類を各1グロス(12ダース)ずつという注文を得た。商品が優れていたためではあるが、徳次の商品に対する誠実な態度が主人の心を動かしてもいた。 徳次は鍍金(メッキのこと)の耐久性を摩擦実験という形でおこなっていた。1日1回使用するとして3年で大体1000日。1度に3回ずつ鍍金部分を布で磨き、それを1000回重ねてみて変色がなければ10年の耐久性があるという考え方だ。伊東屋の主人が鉛筆のニッケル鍍金が剥(は)げることはないかと徳次に質問したが、その際、徳次はこの実験の結果をもって「鍍金なので剥げないとは断定できないが、どれくらい持つかと言われるならば、私のところの実験では10年持つことになっています。そう申し上げても信用していただけないかもしれませんから、3年間は完全に剥げないことを保証いたします」と即答した。 伊東屋の主人は徳次のこの返答にひどく感激し先ほどの全種各1グロスという注文を出してくれたのだ。 (経済ジャーナリスト・清水石比古)
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社会 2009年05月16日 15時00分
自民党が「鳩山民主」でいきたいもうひとつの理由
民主党代表選はきょう16日午後、都内のホテルで党所属議員の投票によって新代表を選出、解散・総選挙の顔が決まる。永田町関係者によると、対戦相手の自民党は、反小沢色が強く刷新感ある岡田克也副代表(55)よりも、党内最大の小沢グループなどの支援を受けて優勢な鳩山由紀夫幹事長(62)で決まってほしいのが本音という。“小沢院政だ”などと責めやすいのは確かだが、この本音の裏にはもうひとつ隠された理由がある。総選挙後の“鳩山兄弟大連立”構想だ。 自民党の各閣僚は民主党代表選前日の15日、きわめて分かりやすい反応をみせた。小沢一郎代表の辞任表明から1週間足らずの後任選びを批判。解散総選挙で戦う相手に塩を送るバカはいなかったが、取りようによっては意味深なコメントでもあった。総選挙後の大連立を視野に入れているのか、と勘繰りたくなるような“深イイ”発言だったのである。 野田聖子消費者行政担当相は、鳩山、岡田両候補に関し、「もともと自民党の先輩なので他党の選挙とは思えない」とコメント。その上で「自民党は密室談合を反省して総裁選にじっくり時間をかけたのに、民主党は内向きで速やかに決めてしまう。時代に逆行している」と指摘した。塩谷立文部科学相も「いかにも期間が短すぎる。党の結束につながるのか疑問だ」と述べた。 甘利明行革担当相は「岡田氏が選ばれると、民主党内は相当混乱する」と述べ、岡田氏が代表になれば与党に有利という分析を披露した。 民主党批判は当たり前といえば当たり前。しかし、「もともと自民党の先輩」(野田氏)、「党の結束につながるのか」(塩谷氏)といった発言は解散総選挙後を意識しているようにもとれる。「岡田氏なら混乱」(甘利氏)の言葉は額面通りには受け取れない。むしろ、チェンジ感あふれる岡田氏を脅威に感じているのではないか。 永田町関係者は「自民党の大勢は『鳩山氏で決まってほしい』が本音」と指摘。“小沢院政”のイメージがあるため戦いやすいほか、鳩山代表ならば総選挙で負けても大連立の可能性が残ると踏んでいるからだという。 「実弟の邦夫氏をパイプに“鳩山ブラザース”で大連立を仕掛ける手がある。政策を実現するためには自民、民主の協力が必要。大連立論者の小沢氏が裏方に回ったことで、もっとやりやすくなるはず」(同関係者) そんなことを知ってか知らずか鳩山邦夫総務相は15日、実兄の由紀夫氏が小沢氏の「かいらい」とされる見方が出ていることを念頭に「かんぽの宿と同じで出来レースは印象が悪い」と案じた。 いずれにせよ、民主党新代表は直ちに執行部づくりに着手、目前に迫った政権交代がかかる総選挙に臨む。党の一刻も早い立て直しが急務だ。
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社会 2009年05月16日 15時00分
永田町血風録 自民党が最も恐れる民主党の“団結力”
「民主党の代表は、相変わらず途中でその座を投げ出すのだね」 「自民党は首相の座を打っちゃってるのだから、こちらの方がよほど無責任だ」 民主党代表でその座を途中で投げ出したのは菅直人、岡田克也、前原誠司…。一方、自民党の総裁といえば首相だ。その座を途中で投げ打っちゃったのは安倍晋三、そして福田康夫…。 「国家、国民のために献身的にがんばる」と、それらの抱負のほとんどが“国家”と“国民”を必ず口にする。だが、すべて任期の途中で投げ出してしまっている。 「小沢(一郎)はいつものパターン」と自民党の執行部では口をそろえているが、政権を握る与党も首相の途中投げ出しは「ほかの政党のことをとやかく言うべきではなく、どっちもどっちだよ。責任の重さからいえば、自民党のほうが国家、国民をバカにしているといえる」(政治ジャーナリスト) とはいえ、民主党はこれから代表者選びを始める。前回の自民党総裁選びのような“お祭り騒ぎ”にでもなれば、国民の関心は民主党に向いてしまう。 「それを考えると、麻生も自分が握っている解散・総選挙という切り札について、軽々しくは切れないはず」(前出・政治ジャーナリスト) そうなってくると、自民党サイドも「困ったな」という状況である。いつ総選挙をするか、そのタイミングを見誤れば、自民党は野に下ることにもなりかねないわけだ。 「麻生が慎重になってきている。自民党の執行部の中には『今がチャンス』と言う人もいる。それは、小沢の辞任で民主党が一枚岩でなくなったから…」 自民党選対の一部の人たちはこう言って勇んでいる。だが、うっかりすると民主党の小沢辞任が逆に国民の間では「自民党にこれ以上政権を握らせてはいけない」という自民党アレルギーが芽生えているので、十二分に計算していないと、とんでもない逆転を食うことになる。俗に言う「政治の世界は一寸先は闇」状態だ。 まさにそのような状態になりつつある。ただ、民主党の中には旧社会党、旧民社党、旧自由党…と、いろいろな政党出身者が同じ傘の下にまとわりついているので、引きをひとつ間違えばズブ濡(ぬ)れになってしまうから、お互いがことのほか慎重にならざるを得ないのだ。 「今、一つにまとまりつつある民主党。そして自民党と対峙(たいじ)していこうとしている。小沢ではないが、これこそ堅固な団結力というものである。自民党が最も恐れるこの行動はもう間もなく始まるのである」(前出・政治ジャーナリスト) まだまだ、一波乱も二波乱もありそうな小沢辞任後の政界模様である。(文中敬称略)
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社会 2009年05月15日 15時00分
あすの民主党代表選は変人対決 蛙男VS宇宙人
小沢一郎代表の後継を決める民主党代表選はあす16日、鳩山由紀夫幹事長(62)と岡田克也副代表(55)のいずれかが選出される。15日現在、逃げる鳩山氏を岡田氏が追う展開。しかし、本紙がフツーに選挙情勢を分析してもツマらない。そこで両氏の裏話を集めると、出るわ出るわ変人エピソード。選挙期間わずか4日、96時間一本勝負「蛙男VS宇宙人」の“変人対決”を解説しよう。 「蛙男」とは岡田氏のこと。全国紙の政治部記者によると、筋金入りの堅物で知られる同氏は、カエルの置き物やグッズを収集する趣味を持っているという。 「一般には知られていないかもしれないが、永田町では有名な話。海外に行くたびカエルグッズを買いあさり、『いいカエルを手に入れた』とニンマリしている。変わっているのは、なぜカエルなのかという理由。海外に出かけたとき、自分用のお土産を最初から『カエル』と決めておけば迷わずに済むから…なんだとさ」(同記者) なんと味気ない趣味なのだろうか。今年3月に東南アジア各国を訪問した際も、ベトナム、インドネシアで数百円〜数千円のカエルの置き物を購入。しかも、同行した議員の加勢を得て4割引に値切ることに成功している。 さらに、シンガポールでは政治家らしからぬケチケチエピソードを残した。「宿泊したホテルで為替レートを計算せずカエルの置き物を購入したところ、日本円で約35万円と分かり即返品した。政治家が買う置き物としてはそう高くはないけれど、岡田さんは政治家には珍しく高価なモノはNGだから」と前出の記者。自宅に陳列するコレクションの中では、価格が安くて存在感のあるヤツがお気に入りらしい。 ちなみに父・卓也氏はイオングループ相談役で兄・元也氏は現社長という創業家。いまでこそ全国津々浦々に店舗展開する巨大スーパーにのし上がったが、その「1円でも安く」というディスカウント・プライス精神は克也氏にもしみついているようだ。 一方の「宇宙人」はご存じ鳩山氏である。父方の祖父に鳩山一郎元首相、母方の祖父にブリヂストン創業者の石橋正二郎氏を持つ政界のサラブレッド。しかし自民党を飛び出して1999年秋に民主党代表に就任すると、いまひとつパッとしないキャラクターが浮かび上がった。これはどげんかせんといかん、と2001年、党が国民に親しまれるキャラとして考案したのが「宇宙人ユッキー」である。 永田町関係者は「異様に目がギョロっとしていて、思い返すも不気味なキャラでした。自民党は小泉劇場が始まっていましたから、野党第一党としてのあせりもあったのでしょう。モデルは、米国基地で秘密裏に解剖されていたなどと騒がれた3頭身のインチキ宇宙人ですよ」と話す。 そのキャラを刷り込んだカラー名刺をあらためて見せてもらうと、おでこが異様に広く確かに気味が悪い。しかし、鳩山氏はこれが気に入ったようで「ことあるごとに『変人・小泉VS宇宙人・鳩山の戦いだ』などとはしゃいでいました」(前出の関係者)という。 07年12月に国会でUFO(未確認飛行物体)論争が過熱した際も、その存在を確認できていないとした政府答弁書について「まだ確認できていない飛行物体があるのは否定できない」と野党幹部なのに同調。さすがにマズいと思ったのか、「夢のある話だけどほとんどは錯覚」と付け加えた。 当時法相だった弟・邦夫氏(現総務相)は「兄とは子供のころUFOの話を随分した」と打ち明け、冗談交じりに「宇宙人の弟としては…」などとやったほどだ。 さて、「蛙男」と「宇宙人」は言いすぎにしてもキャラは相当濃いお二人。民主党は人材難だなどと言われるが、変人レベルでは小泉元首相が引退する自民党に負けていない。変人対決の行方に注目するとともに、その非常識力が“永田町の常識”をぶち破ることを期待したい。○岡田氏別項 岡田氏はプロ野球でも独特の価値観を持つ。贔屓(ひいき)にするチームはなし。球場に足を運ぶこともないし、試合中継さえ見ないくせに、毎年4月にその年に応援する球団を決める。今年は昨年に続き楽天。野村克也監督と下の名前が同じことと、高額年俸の選手を獲らない球団運営に共鳴したという。質素倹約こそ最大の美学か。 民主党関係者は「支援者から献金も盆暮れの贈答品もいっさい受け取りません。バレンタインチョコも送り返しますから」と説明。良くも悪くも堅物なのは間違いない。○鳩山氏別項 弟・邦夫氏と同じく由紀夫氏も蝶コレクター。しかし邦夫氏からは「兄は夜の蝶ばかり追いかけている」などと一段下に見られている。民主党関係者によると、実際は「奥さん大好き人間です」という。 最近、一部週刊誌で永田町女性秘書の話として「ネクタイのチョイスがスペイン系。靴下も灰色に緑の微生物がのたうっているような柄」と日本人離れしたセンスを指摘された。ダジャレ好きはつとに有名で、カラオケの十八番はいわくつきの「おふくろさん」だ。