世界同時不況と円高の影響で、主力のエレクトロニクス部門のほかに、金融、携帯電話部門も赤字の総崩れ状態。
特にゲーム部門の営業利益は前年度に続く585億円の赤字。09年度も「上半期は赤字、下半期でどのくらい稼げるか。通期ではどうなるか分からない」(原直史氏)と引き続き損失を計上すると見込んでいる。
対照的なのがライバルの任天堂。任天堂が7日発表した09年3月期連結決算では、売上高1兆8386億円、営業利益5552億円と、ともに3期連続で過去最高を更新した。「Wii」と「ニンテンドーDS」が欧米市場で好調。会見で岩田聡社長は「ゲーム業界は景気の影響を受けにくい」とさえ述べ、「プレイステーション」との勝敗は決定的なものに。
ちまたでは巻き返しを図る「プレイステーション3」の値下げが今か今かとウワサされる。同社は「値下げなどの価格戦略については一切ノーコメント」としながら「09年度は3割ほど台数を伸ばしていきたい」と含みをもたせた。ゲームマニアが喜ぶ日がやって来るのは近そうだ。(関 淳一)