社会
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社会 2011年11月02日 17時30分
“ハッテン場”に捜査のメス 同性愛者よどこへ行く…
男性同性愛者の社交場に捜査のメスが入った。 警視庁保安課は11月1日までに、男性客3人がわいせつな行為をしているところを、容易に店内に見渡せるようにしたとして、公然わいせつほう助容疑で、東京都新宿北新宿1丁目の社交クラブ「デストラクション」経営の増田浩容疑者(38)と従業員1人の計2人を逮捕。また、男性客3人も公然わいせつ容疑で現行犯逮捕された。 容疑は10月29日午後6時25分頃、男性客3人が店内でわいせつな行為をしているところを、カーテンだけで区切ったり、のぞき穴を設けたりして、店内に容易に見渡せる状態にした疑い。ここに、警視庁の捜査が入り、従業員1人が現行犯逮捕され、家宅捜索などを経て、30日に経営者の増田容疑者が逮捕された。 同店は十数年前から営業しているいわゆる“ハッテン場”で、入場料は500〜1500円程度で、年齢が若いほど安い。同店は月に約400万円の売上があったという。 “ハッテン場”とは男性同性愛者が集う出会いの場所で、面識がない不特定多数の人と性行為をするまでに、“発展”させる場所で、男性同性愛者にはポピュラーな社交場だ。 男女の社交場としては乱交パーティーやカップル喫茶などがあるが、これらには公然わいせつとみなして、すでに捜査のメスが入っていたが、いわゆるゲイの社交場は黙認されていた。男性同性愛者のすべてが“ハッテン場”を利用しているわけではないだろうが、特定の“彼氏”がいない男性や中高年のゲイ男性には、なくてはならない遊び場だったはずだ。 今後、他の“ハッテン場”も営業を続けるなら、逮捕されることを覚悟の上でやるしかない。営業を自粛、廃業する店舗も増えるだろう。カネを出せば、“ハッテン場”以外の社交場もあるが、楽しみ方も違ってくる。刺激的な出会いを求めていたゲイの人たちは、これからどこへ行けばいいのだろうか?(蔵元英二)
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社会 2011年11月01日 11時45分
怒りはもっとも? 大人げない? 橋下徹知事がtwitterで週刊新潮にブチキレ
橋下徹・大阪府知事(42)が自身のtwitterで一連の週刊誌報道にブチキレた。10月31日のツイートで、自身の生い立ちや親族の過去について報道した「週刊新潮」に対し猛反論を始めたのだ。これにはネット上でも「橋下が怒るのも当然」という意見や「子供のプライバシーを論点に持ち出してくるのは公人としてどうなのか?」という声も挙がったが、マスコミ関係者の意見は「うまく週刊誌にのせられてしまった形。twitterでつぶやくことで、お涙ちょうだい的な世論形成に持って行きたかったのかもしれませんが、結果として来週の(週刊新潮の)売り上げに貢献することになってしまいますね。橋下氏が一時的な激情でつぶやいたのなら、大人げないと言わざるを得ない」ということらしい。 橋下氏は「週刊新潮」編集部から来た取材依頼を公表。それによると同誌は、29日に同氏がtwitterで「親が公人でも子供の権利は最大限尊重され配慮されるべき」とツイートした件と、昨年7月に「感動大阪大賞」をJリーグG大阪の日本代表MF遠藤保仁に贈呈する際、3人の子供を知事室で遠藤に引き合わせ「僕の子供は一般家庭の子供とは違う制限を受けている。個人ではなく政治家のファミリーとして見てほしい」と発言したことは矛盾していると指摘、同氏の回答を求めたという。 対する橋下氏は「父親の職場に子供を連れてくることがそれほど非難されることなのか?」「知事の子供はあらゆる権利を放棄しなければならないのか?」などと反論。「週刊誌の記者ってそんなに偉いんでしょうか?」「民主主義を語る前に社会常識を身に付けろと言いたい」と憤慨していた。 橋下氏の怒りは、同誌編集部の担当者の名前や直通電話番号までツイッターに記載するほどだったが、前出のマスコミ関係者は「ここまで反応してしまうのは、弁護士らしくないやり方ですね。ツイート見ている第三者にも、いい印象を与えない。特に『携帯電話番号の記載もありましたがこれは伏せます』というツイートは、捉え方にもよりますが“脅し”ともとれないこともない。これでは週刊誌側に揚げ足を取られかねないですね」と手厳しい。 橋下氏の記事を掲載した今週発売の「週刊新潮」や「週刊文春」は、関西圏で売り切れ店が続出しているという。増刷も視野に入ってくるところへきての同氏の反応で、週刊誌側は“してやったり”というところで、余計に記事にチカラも入ろうというもの。橋下氏は大阪市長選の告示を控えて、ツイッター発言をもう少し練り直さなければならないのではないか。(画像は橋下氏のtwitterから)
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社会 2011年10月22日 17時59分
山口敏太郎の直言(9) 夢を捨てたのを誰かのせいにしていないか?
人は十代の頃、それぞれ自分のあり方に関して“夢”を持っている。勿論、まったく夢をもたない人物もいるにはいるが、大部分の人が己の将来に関してなんらかの“夢”を持っている。その“夢”の種類や規模は個人によって違うものだが、若き頃の“夢”は人を動かす大きな要因となっている。 だが、その“夢”を実現できる人々は少ない。年をとるにつれ、人は若かりし頃に抱いた“夢”を思い出にしてしまい、記憶(メモリー)という保管庫の奥底にしまい込んでしまう。所詮、“夢”は“夢”でしかない。そう自分に言い聞かせて、目の前に広がる現実に目を向けて、妥協しながら生きていく道を選択する。 これ事態は悪いことではない。ある意味、その妥協と諦めこそが大人への通過儀礼ともいえる。 だが、中にはこの“夢”を諦めきれない人々もいる。彼らは本業とは別に趣味や副業として“夢”を実現したり、定年退職後に“夢”を追いかけたりする。中には本業で食いつなぎながら、“夢”を余技として継続し、軌道に乗った時点で本業と切り替えるという荒業を使う者もいる。無論、ストレートに“夢”というものにぶつかり、見事願望を達成する猛者もいる。 最も問題視すべき連中は、“夢”を“夢”と割り切れない中途半端な立場でありながら、“夢”の実現も出来ない者たちである。つまり、妥協や諦めもできないうえ、成就もできない連中である。彼らは己の矛盾に気が付かない。 “夢”を実現する努力をまったくしていなかったり、“夢”を実現するには才能がなかったり、常識や道徳が欠如しており、それが“夢”の現実化の足をひっぱっているにも関わらず、“己のミス”や“己の責任”を認める事が出来ない。 さらに、自分の“夢”が実現しないことを他人のせいにしていることが多い。このタイプの人間は、“根拠の無い自信”や“想像力豊かな妄想”により、『自分の夢が実現しないのは、○○のせいだ』と平気で主張し、自分のおろかさに気が付かない。彼らは己の夢を捨てたことを、いつも他人のせいにしているのだ。 所詮、どんなに言い訳しても“夢”を捨てたのは己の意思であった。誰のせいでもないし、他人の陰謀でも圧力でもない。“己の成功”も“己の挫折”も全て、自分が原因なのだ。貴方は、“夢”を捨てた事を誰かのせいにしていませんか? (山口敏太郎)
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社会 2011年10月14日 15時30分
頭抱えるJT 大幅値上げで喫煙者16年連続減
JT(日本たばこ産業)が10月13日、「全国たばこ喫煙者率調査」の結果を発表。今年8月現在の喫煙者率は、成人男女で前年比2.2%マイナスの21.7%で、喫煙者数は推計で2279万人で前年より216万人減少した。これで、喫煙者率は16年連続の減となった。男女別の喫煙者率は、男性が前年比2.9%減の33.7%。女性が前年比1.5%減の10.6%だった。 この要因について、JTは「複合的であり一概には言えませんが、高齢化の進展、喫煙と健康に関する意識の高まり、喫煙をめぐる規制の強化や、10年10月に実施された増税・定価改定によるものと考えております」と分析している。 近年、喫煙をめぐる規制強化は著しく、公共の交通機関、公共施設では禁煙化に拍車がかかっている。たばこを吸いたくても、喫煙所を探すのにひと苦労するのが、喫煙者の実状で、年々肩身が狭くなっている。 ただ、喫煙人口が大幅に減った最大の要因は、昨年10月の大幅値上げ(増税)だ。おおむね、1箱300円から410円に値上げされた。さすがに、この際には、禁煙外来にかかってまで、たばこをやめた人も多かったようだ。 JT、喫煙者を取り巻く環境はさらに悪化することが予想される。民主党はさらに、来年10月から1本2円(1箱40円)の増税をもくろんだ。これには、葉たばこ農家への影響を配慮して、自民党が猛反対。与野党協議の末、民主党はたばこ増税の見送る検討に入ったが、今回の値上げがなくても、近い内に再燃するのは必至。小宮山洋子厚生労働大臣は「最終的に700円くらいにしたい」と明言した。民主党が全般的にたばこ増税に意欲的なのは明らかで、JTにも愛煙家にも、より一層厳しい時代を迎えることになりそうだ。(蔵元英二)
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社会 2011年10月06日 10時12分
iPhone4S発表の直後に…スティーブ・ジョブズ氏死去
iPhoneなどのヒット商品を次々と生み出した米国アップル社の創業者・スティーブ・ジョブズ氏が死去した。56歳。ジョブズ氏は1976年にアップルを共同創業し、パーソナルコンピュータ「Apple」や「Macintosh」を発表、同社を世界的な企業に押し上げたのちに退職。97年、経営悪化のアップルに復帰し、2000年には最高経営責任者(CEO)に就任した。復帰後は「iMac」「iPod」の大ヒットで業績を急回復させた。さらに、07年には「iPhone」、10年には「iPad」と、ヒット商品を次々と世界に送り出した。 一方で、2004年には膵臓がんにかかっていることを告白。療養後、復帰したものの、11年1月から再び休職し、8月に米アップル最高経営責任者(CEO)を辞任していた。アップル社では、公式HPでジョブス氏の死を伝えている(画像参照)。
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社会 2011年10月05日 15時30分
不倫は身を滅ぼす? 福島原発元広報役・西山元審議官にダブルパンチ!
福島原発に関するマスコミへの会見で、スポークスマン役として、一躍時の人となった官僚を覚えている人も多いであろう。連日にわたって報道番組で露出し、有名人となったのが、経済産業省原子力安全・保安院の審議官だった西山英彦氏(54)。 西山氏は6月23日発売の「週刊新潮」にて、不倫疑惑が報道された。同誌によると、相手は経産省職員の独身女性で、都内ホテルのバーで会い、その後、深夜の路上でキスしたなどとされる。その女性とは約1年前から密接な関係にあったと報じられた。 これが原因で、西山氏は6月29日、福島原発の広報役を更迭され、保安院付をはずされた。その後、7月15日付で官房審議官から官房付になっていた。官房付といえば、事実上の窓際ポスト。80年に西山氏と同期入省し、改革派官僚としてテレビ等でおなじみとなっていた古賀茂明氏(56)は、経産省大臣官房付に回されたが、仕事が与えられない状態をしいられた末、退職勧奨を最終的に受け入れて、9月26日付で同省を退職した。古賀氏とは全く事情が違うとはいえ、同様ポストの西山氏への退職勧奨も、時間の問題といえなくもない。 その彼がさらにダブルパンチを食らった。同省は勤務時間中に30代の女性職員と複数回の身体的接触を含む不適切な行為をしたとして、西山氏を9月30日付で停職1カ月(10月1日〜31日)の懲戒処分にした。同省はこの処分について、「職務専念義務に違反し、国家公務員としての信用を失墜する行為」と説明。原発事故後の3月下旬から6月にかけて、西山氏は省内の審議官室で、女性職員とキスや抱擁をしていたという。当該女性は週刊誌で報じられた女性と同一人物と見られている。 さらに、西山氏は10月4日付で、今度は訓告処分を受けた。これは、原発のシンポジウムで国が電力会社に「やらせ」を要請した問題で、同省は西山氏らに監督責任があったとした。この問題は不倫とは関係ないが、立て続けに2つの処分を受けた西山氏はまさに満身創痍。 西山氏は東京大学法学部卒業、ハーバード大学法科大学院修了のエリートで、将来の事務次官候補と目されていたが、その将来に大きな影が差した。不倫は身を滅ぼす典型的な例で、その代償はとてつもなく大きかったようだ。(蔵元英二)※関連記事原発会見でおなじみの西山審議官が“女性問題”でクビ!http://npn.co.jp/article/detail/70143644/
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社会 2011年10月03日 15時30分
菅前首相 再び自分探し? お遍路へ
管直人前首相が、再び四国四国霊場八十八カ所の遍路にでかけたことがわかった。3日、午後には、愛媛県の今治市南光坊に到着という。 管氏は、04年に年金未納問題で民主党代表を辞任後にお遍路をして話題になった。その後も定期的にお遍路は続けていたという。SPは連れているものの、基本的には一人旅であり、事務所にも詳しい日程などは説明していないとか。南光坊で取材に応じた菅氏は、「東日本大震災からの復旧・復興と、犠牲者の冥福。原発事故の収束。それだけです」と語っているという。
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社会 2011年10月01日 17時59分
山口敏太郎の直言8 己を客観視できる人間が成功する
以前、とある雑誌のインタビュー記事において、みうらじゅんが大変興味深い発言をしていた。水木しげるや矢沢永吉の成功を指して、彼らがその分野で成功を収めたのは、己を客観視できる第三者的な視点を持っているという点にあるというのだ。確かに、水木しげるは自分のことを「水木さん」、矢沢永吉は自分のことを「矢沢」と呼んで、何処か他人のような視座から、自分の姿を客観的に捉えている。これはプロフェッショナルにとって最も重要な事ではあるが、なかなか出来る事ではない。 このように自分を客観視できる視点というのは、どの分野においても成功に直結していると推測できる。自分自身を対象物、或いは商品として冷静な視点で捉え、どの部分が補填すべき弱点であり、どの部分が伸ばすべき長所なのか、常にチェックできることは大きな武器になりうるのだ。つまり、他人の目線で自分に駄目出しができる人間ほど、強いものはないといえる。 筆者が経営する株式会社山口敏太郎タートルカンパニーには、ライター、作家、漫画家芸人、絵師、怪談師など様々な分野のプロフェッショナルを目指す若者が尋ねてくるが、大部分の人間が自意識過剰であったり、自己満足に過ぎない技量であったりして、採用にいたることはない。 実績が伴わない根拠の無い自信に満ちあふれた作家志望の若者や、商業的な価格が設定できない絵柄の絵師、自分を天才と思い込んでいる自己中心的な怪談師など、客観的視点を己の中に持ち合わせていない人間は、プロフェッショナルの世界では成功できない。結果、いつまでもアマチュアとプロフェッショナルの境界でさまようことになる(余談だが、この論説はアマチュアを中傷することが主眼ではない。アマチュアはアマチュアの良さがあり、プロフェッショナルはプロフェッショナルの良さがある。アマチュアでもなくプロフェッショナルでもない“中途半端な自分”に気がつかない、自意識が強すぎる“痛い人間”を問題視しているのだ)。 人間がその分野で成功するには、やはり己の無力を自覚することである。自分の無能を自覚し、何を補えば良いのか徹底的に考察する。先輩諸氏に比べ、自分の位置はこのあたりだと冷徹なまでに自覚し、上にあがるためにはどんな努力をしたらいいのか最短ルートを毎日考えればいいのだ。また、同世代で仕事やキャラの被っているライバルたちから頭ひとつ抜け出すためにも、何をしたらいいのかを日々考えればいいのだ。 この恐ろしくクールな姿勢が“プロのお仕事”において最も有効な武器になりうるのだ。 貴方は、自分を客観視できているだろうか。(山口敏太郎)
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社会 2011年09月27日 11時45分
入籍発表のウラで…三浦皇成の元師匠が暴力団との交際で免許取り消し
タレントほしのあきと入籍を発表した競馬騎手の三浦皇成の元師匠である河野通文調教師が調教師免許を取り消されたことが日本中央競馬会(JRA)の会見で発表された。 昨年の7月に暴力団幹部から1000万円の借り入れ依頼に応じた件が詐欺事件として発覚。JRAより免許取り消し処分となった。 河野通文調教師は1950年生まれ。1990年に5度目の挑戦で調教師免許を取得。弟子の三浦皇成とほしのあきとの交際には、批判的であった。
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社会 2011年09月24日 17時59分
山口敏太郎の直言(7)B級グルメ、妖怪・伝説、地方経済は町おこしをなりふり構わずなんでもやれ!
B級グルメ、妖怪・伝説、地方経済は町おこしをなりふり構わずなんでもやれ! 3・11に日本を襲った東日本大震災は、大きな爪痕を残したが、我々日本人にとって大きな歴史的転換点になったのではないかとも言われている。 従来の原子力発電を中心に据えたエネルギー政策から、太陽光発電や天然ガスを使ったリスク分散型の発電方法へ転換に視点が移っているし、一人一人の人生をそれぞれが楽しむシングルライフ志向から、地震や津波への潜在的な恐怖のためだろうか、配偶者や家族を持つファミリー志向にライフスタイルのチェンジをする人も増えてきている。 中でも注目すべき点は、中央集権の色彩が強かった経済構造の緩やかな変化である。経済面では中央政府に隷属してきた地方自治体が独自の経済圏の構築に向かいつつある事である。 確かに、我が国の歴史を振り返ってみると、地方が力を持ち中央と対峙したり、中央に介入したりする地方の時代と、政治と経済の権限が中央に集中する中央集権時代が交互に到来している。 源平合戦という地方勢力を巻き込んだ動乱の勃発(地方自治)、鎌倉幕府の統治(中央政権)、地方の武士を巻き込んだ応仁の乱(地方自治)、室町幕府の統治(中央集権)、地方に群雄が割拠した戦国時代(地方自治)、江戸幕府の統治(中央集権)、薩長土肥が力をつけて戊辰戦争まで突っ走った幕末(地方自治)、明治維新から現在まで続く近代社会(中央集権)。 このような流れを見ると、次に来るのは地方が力をつけ、独自の経済や政治を廻す(地方自治)の時代が到来するのは間違いないように思える。数年前から本格的に議論されるようになった道州制も、中央集権から地方への権力分散という流れの延長線上にあると思える。 世界的に不況が蔓延し、中央政府の力が弱まる中で、各国で地方の反乱が続いている。ドルの価値が暴落し、国家破綻が見えているアメリカでは、ユタ州、アイダホ州、ミネソタ州、ジョージア州が、米国連邦政府発行の金貨・銀貨を法定通貨と見なす法案を通しており、特にユタ州は州独自の通過を鋳造する検討段階に入っているというのだ。 また、国家破綻寸前のイタリアでは、ローマの東70キロに位置するフィレティーノという人口550人の町が独立を宣言し、町長の顔が刷られた独自の紙幣「フィオリト」を発行、昔追放になった貴族を招き入れフィレティーノ公国(Principality of Filettino)と名乗り始めている。これなどは、観光客目当てのパフォーマンスであると思えるが、この強かさは学ぶべきである。 今まで、どうしても日本経済は東京を中心に廻ってきた。だが、『もはや東京や政府・官庁に頼ってばかりでは、何もかもが駄目になってしまう!』と気がついた地方自治体が自分たちの町にある店や特産品・B級グルメで、郷土の歴史で、地元の寺社仏閣を使う自立した経済圏を構築すべく動き出したのだ。 先日も徳島県で開催された『徳島バーガーグランプリ』の審査員を務めてきたが、思いのほか好評で多くの来客で会場が溢れていた。これは昨年鳥取で開催された『全国ご当地バーガーNo.1 決定戦!』の予選でもあったわけだが、徳島ラーメンという経済効果のあるご当地メニューに続く、新規メニューの開発に積極的に取り組んでいることがよくわかった。どの都市に行っても同じ外食チェーンが並んでいたバブル期とは違って、その土地ならではのご当地メニューやB級グルメの開発は、今後の地方経済活性化の有効な手段であろう。 さらに横浜で開催された横浜市公認イベント『恋する横浜de愛ツアー第6弾 シングル男女限定 de愛ツアー』にもパワースポットの解説・企画として参加したのだが恋人たちを集める観光戦略も各自治体にも必要なことであろう。 また関東某県や岐阜県、東京都青梅市で筆者が依頼を受け企画し、実行しているのが『クリプトツーリズム』である。これは現地に伝わる妖怪伝説や不思議な伝説を使った町おこしであり、青梅市では『雪女の碑』『雪女の部屋(昭和レトロ商品博物館2F)』を創り、岐阜市では今年から『口裂け女祭り』を開催した。現在、筆者は他にも数箇所でプロデュース中だが、この流れも”地元にあるが活用されていない観光資源の掘り起こし”という概念から見ると正しい方向性である。 もはや、東京の真似をし、東京のやり方に従う時代は終わった。それぞれの県や市が独自に観光や産業をプロデュースし、その土地ならではの価値観を創造すべき時代が到来しつつある。自分の地元にプライドを持ち、ネットユーザーや観光客を抱きこみながら、地元の中で密で活発化な市場を作り出すこそが、地方自治体の正しい経済戦略といえるのだ。これからは、間違いなく地方の時代であり、地方にこそビジネスチャンスは埋まっている。(山口敏太郎)