社会
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社会 2011年09月05日 15時30分
山口敏太郎の直言(5) 「天才肌の関西芸人を、東京でも見たいものである」
関西ではローカルの人気番組に出たり、人気のある芸人なのに、何故か東京ではブレイク出来ない芸人がいる。関西と関東では笑いのツボが違うと言えばそれまでだが、関西で売れた後、関東でも通用する芸人がいることを考えると、そこに何か秘密があるのかもしれない。 例えば、メッセンジャー黒田、吉本新喜劇を支える若き座長・小籔千豊、ミュージシャンとしても活躍している二丁拳銃、隠れた実力者としてマニア受けの良い千鳥などは、関東でもっと評価されても良いはずである。 最も指摘されることは、キャラの立て方である。関東でもキャラの立つ芸人は人気者になることが多いが、そのキャラは自虐キャラであったり、どこか愛される部分があるキャラであったりする。 志村けん、出川哲朗、江頭 2:50、ダチョウ倶楽部、東京で売れるキャラ芸人は、まず自分をいじるところで笑いをとっている。 だが、関西で受ける芸人は、お笑いへのプライドが有りすぎるからだろうか。己を堕としてまでも笑いをとることをしない。高い目線から、一般人や視聴者を罵倒したり、いじり倒すことが許容されている関西芸能界に慣れてしまった芸人には、一般人に媚びるような自虐ネタはなかなか出来ないのである。 最も大きな理由は、日常生活で有名人や芸能人を頻繁に見かけるため、芸能界になれてしまった東京において、関西から出てきた関西芸人を特別視しない事である。 関西においては、テレビに少し出るだけで特別扱いされ、町中でもおばちゃん連中に頻繁に声をかけられ、 大して売れてない芸人でも勘違いするような状況になるのだが、関東に出てきた途端、まったく無関心の状況におかれる。 関東の場合、見てないふりをして、こっそり見ているのだが、積極的な関西のおばちゃんとは違って、声は絶対にかけない。これはテレビの現場でも同じである。やたらに声をかける関西スタッフと違って、関東のスタッフはクールでビジネスライクである。この違いは単なる地域性なのだが、それに気がつかない関西芸人は「東京は冷たい」という安直な答えを出してしまい、関東に敵意を持ってしまう。これが悪循環を生むのだ。 また強すぎる関西愛や関東への不快感も、関東の視聴者は嫌うようだ。良い形で郷土愛を出せば問題ないのだが、東京への ライバル心という形で関西愛を強調した場合、それは関東での成功を閉ざすことになる。 才能あるお笑い芸人が関西には沢山いるが、関東進出の場合は関東に永住するぐらいの気持ちで来ないと成功は難しいであろう。いや中途半端な形で関東に出るぐらいならば、関西で独自路線を極め、俺を見たいならば、関西まで来いという姿勢を打ち出すのも戦略ではないだろうか。(山口敏太郎)
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社会 2011年09月05日 15時30分
第一原発からの撤退認めていたら東北は全滅していた…菅内閣の元側近が明かす3・11直後の官邸VS東電ドキュメント
3日に千葉県の船橋中央公民館で開催された市民団体「景観と住環境を考える全国ネットワーク」(日置雅晴代表)の全国集会で、五十嵐敬喜・前内閣官房参与が菅直人政権の震災・原発対応の裏話を披露した。 法政大学教授の五十嵐氏は古くから菅直人前首相のブレーンと目されている人物である。弁護士として建築紛争で不当な建築によって権利を侵害される側の弁護活動に携わり、日照権という言葉を生み出した。また、都市政策論を専門とする研究者として、神奈川県真鶴町の「美の条例」制定を支援するなど、美しい都市創りを提言している。 全国集会「私たちは震災から何を学ぶのか」で五十嵐氏は「東日本大震災と『美しい都市』」と題する基調講演を行ったが、8月30日の菅内閣総辞職に伴い、五十嵐氏も内閣官房参与を辞任した。そのために講演内容の一部を変更し、辞任後だから話せる菅内閣の裏話を語った。 3月9日に内閣官房参与に任命された五十嵐氏は11日の東日本大震災を首相官邸で経験したという。ちょうど内閣官房参与としてのレクチャーを受けている最中であった。大きな揺れが襲ったが、秘書官から「ここは日本で一番頑丈な場所ですから、ご安心ください」と言われた。この11日は毛布一枚で官邸に宿泊した。 福島第一原発事故対応については、菅首相(当時)の対応を擁護した。菅氏が東京電力に出向き、「撤退はあり得ない」と死守を迫ったという話は、怒鳴りつけるだけの“イラ菅”というネガティブな文脈で報道された。 これに対して五十嵐氏は、事前に東京電力が福島第一原発の撤退を打診しており、それに対する死守命令であったと説明する。その上で「もし東京電力の撤退を許していたら、東北は全滅していたと考える。もっと菅前首相は評価されてもいいのではないか」と述べた。 笹森清内閣特別顧問によると菅氏は3月16日に「東日本が潰れることも想定しないといけない」と語ったとされる。不謹慎と批判された上記発言を首相官邸は公式に認めていないが、五十嵐氏の「東北は全滅していた」との言葉から官邸が深刻な危機感を抱いていたことが裏付けられた。 五十嵐氏は東日本大震災復興構想会議の検討部会専門委員に任命され、復興構想に携わることになる。復興会議の違和感として、被災3県の知事の主張がバラバラであることを挙げた。達増拓也・岩手県知事は復興のための増税に反対し、村井嘉浩・宮城県知事は復興には増税が必要と主張した。一方で佐藤雄平・福島県知事は原発事故処理の優先を訴えた。 菅氏が退任に追い込まれた要因としては、浜岡原発の停止などの脱原発的な政策に対する政権内の亀裂と分析した。これに関連して五十嵐氏は脱原発デモに万単位の参加者が集まる動きを評価しつつも、「脱原発デモが首相官邸に来たら政治が動いたのではないか」と指摘した。 退任を決意した菅氏は原発事故対応で2つの重要な意思決定を明らかにした。第一に原発周辺地域は長期間に渡って居住が困難になると判断し、立ち入り禁止措置を継続することである。第二に放射性廃棄物の中間処理施設を福島県内に建設することである。 これらは福島の県民感情からすれば受け入れがたい内容であり、実際に猛反発を受けた。それでも五十嵐氏は誰かが伝えなければならなかった内容であったと述べる。菅氏としては野田佳彦新首相にパスすることもできたとして、菅氏を評価した。(林田力)
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社会 2011年09月05日 10時00分
残暑厳しい9月は「ヨーグルトフォンデュ」がオススメ!
9月となり、暑い夏も終わろうとしている中、「まだまだ体がだるい…」と夏バテ症状に悩む方も少なくないだろう。そんな夏の疲れた体をリフレッシュするのにぴったりな食べ物がヨーグルトと言われている。 ただ、ヨーグルトといっても、付属の砂糖を入れるだけ…という時代はちょっと古い。子供を持つ20代〜50代の主婦400人におこなったヨーグルトとライフスタイルのアンケート調査によると、プレーンヨーグルトの食べ方は、「何かを加えたり、簡単なアレンジをして食べる」という意見が多いという結果が出ているのだ。ちなみに、ヨーグルトと一緒に食べるトッピングで多いのが、バナナやキウイなどのフルーツ類やクッキーや野菜など身近な食材。このようなヨーグルトを使ったアレンジ料理は、「ヨーグルトフォンデュ」と呼ばれている。 「ヨーグルトフォンデュ」ならば、乳酸菌や良質のたんぱく質を含んだヨーグルトとビタミンやミネラルを含んだフルーツを一緒に摂ることができる。これで、夏バテ解消はさらに効果的になるというもの。明治ブルガリアヨーグルト倶楽部のHPでは、新プレーンヨーグルトスタイル(http://www.meijibulgariayogurt.com/style/index.html)として、「ヨーグルトフォンデュ」にベストな大きさである80gの食べきりタイプ「明治ブルガリアヨーグルトプレーンソフトタイプ(80g×4)」を使ったフォンデュレシピを公開している。こちらのレシピを土台に、独自の「ヨーグルトフォンデュ」を創作するのも面白いかも。 「せっかくならば、夏バテ解消だけでなく、食べることも楽しみたい」。そんな贅沢な方にはぜひ、独自アレンジの「ヨーグルトフォンデュ」で楽しみながらの健康力アップがオススメだ。
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社会 2011年09月02日 15時30分
江川紹子氏も嘆く!? 蓮舫行政刷新担当相返り咲き
2日発足した野田新内閣で、民主党の蓮舫参議院議員(43)が、行政刷新相兼公務員制度改革担当相として返り咲き再入閣を果たした。蓮舫氏は鳩山内閣時代に事業仕分けを取り仕切ったことで脚光を浴び、菅政権では行政刷新担当相と公務員制度改革担当相を務めた。第二次菅内閣では行政刷新担当相と食品安全、消費者担当相を兼任。しかし震災後の内閣改造では、首相補佐官に格下げとなっていた。 この返り咲き人事は論功行賞的な色合いが強い。蓮舫氏は野田グループに所属し、さきの民主党代表選では野田氏の推薦人に名を連ねていた。当初、苦戦を予想されていた野田氏の出馬だったが、フタを開けてみれば、決選投票で海江田氏に逆転勝利。はからずも勝ち馬に乗った形になった蓮舫氏、その知名度から新内閣では官房長官就任もいう報道も一部にあったが、これまでとほぼ同じポジションに落ち着いた。 これに異を唱えたのが、ジャーナリストの江川紹子氏。自身のtwitterで「民主党と国民新党の女性議員には、蓮舫さんしか大臣職が務まる人はいないのだろうか」とつぶやいた(画像参照)。この声にはネット上でも賛同の声が多数だ。「二番じゃダメなんですか」など数々の“迷言”で世間を騒がせてきた蓮舫氏。ふりかえって見ると、政策面で大した結果を大臣時代に出していないことへの不満が、このような声になったとも言えるだろう。 「泥臭く頑張る首相を支えたい」と抱負を語った蓮舫氏だが、また同じことにならなければいいが。<関連記事>スパコン世界1位返り咲きがダメ押し…蓮舫大臣“お役ご免”か http://npn.co.jp/article/detail/07165368/
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社会 2011年09月01日 15時30分
“プロレス界のお騒がせ男”ザ・グレート・サスケが岩手県議選に再出馬!
“プロレス界のお騒がせ男”との異名をほしいままにするみちのくプロレス社長のザ・グレート・サスケ氏(42)が、8月31日、9月11日投開票(9月2日告示)の岩手県議選に盛岡選挙区(定数10)から無所属で再出馬することを表明した。政党などへの公認や推薦の要請はしない方針。 サスケ氏は03年4月の県議選で同選挙区に無所属で立候補し、トップ当選。覆面を脱ぐ脱がないで、議会でも議論されるなど、一躍、全国的なニュースとなったが、最終的には覆面着用での登院が容認された。今回も当選した場合、覆面は脱がないとしている。 07年4月には県議を辞職し、岩手県知事選に出馬したが、達増拓也氏に大敗。落選後はプロレス活動に専念していた。当選すれば、4年5カ月ぶりの県議への復帰となる。 議員辞職後は09年2月にJR常磐線の電車にマスク姿で乗車していた際、乗客の男性が本人に無断で携帯電話で写真を撮ろうとしたところ、怒ったサスケ氏が男性に暴行を加えたとして逮捕された。その後も、マスク職人から覆面制作費の支払い請求(和解)や、債権回収会社から住宅ローンの請求を求める提訴を受けたりで、ここ最近はトラブルが絶えなかった。 当選した折りには、岩手県民の範となるような行動を望みたいものだ。(落合一郎)
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社会 2011年08月31日 11時45分
野田新首相は、低迷する格闘技界に手を打ってくれるのか?
8月30日開催の衆院本会議にて、第62代内閣総理大臣に指名された民主党新代表・野田佳彦氏。 野田新首相といえば、大の格闘技ファンで、自身も柔道2段の格闘技の猛者であることは、すでに多くの方が各メディアのニュースでご存じのことだろう。 そんな野田氏が愛してやまない格闘技であるが、今やすっかり衰退し、低空飛行が続いたままである。特に、日本格闘界の盟主だった「PRIDE」が、2006年に暴力団との癒着を週刊誌に報道されたのをきっかけとして2007年に滅亡して以降、現在の格闘技界の状況は悲惨そのもの。PRIEDの後発団体の「DREAM」も人気が伸び悩み、母体の「K-1」も資金繰りが悪化したため興行が激減、その他にも満足に興行も打てない団体が続出するなど、ほぼ壊滅状態といっても過言ではない。 格闘技好きの野田氏は、格闘技バブル真っ盛りの2005年に発足した「格闘技振興議員連盟」の会長に選任された。格闘技振興議員連盟といえば、K-1やPRIDEを「国の代表的なスポーツ」として認識し、さらなる振興に努めることを高らかに謳っていた。格闘技好きの新首相ならば、是非とも初心を思い出し、メジャー格闘技の復興にも力を注いでいただきたいところだ。 かつて野田氏が(裏事情を知らないまま?)こよなく愛したPRIDEは、裏社会との蜜月による潤沢な資金力で隆盛を極めたが、結局そのダークな背景が命取りになり、消滅した。暴力団の力を借りないメジャー格闘技の復興こそ、すべての格闘技ファンの宿願である。 先日、吉本興業が島田紳助氏の引退を受け入れ、長年の関係を解消した通り、古くから暴力団とは切っても切れない関係を続けてきた芸能界でも、すでに自浄化の波が起こっている。もう一度超満員の大会場でメジャー格闘技を観たいという思いは、野田氏も大多数の格闘技ファンと同様であろう。 日本の政治の長となった今こそ、野田氏が先頭を切って、暴力団と格闘技興行を切り離す舵取りを行っていただきたいところだが…。
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社会 2011年08月30日 15時30分
野田佳彦氏が新首相へ
民主党の野田佳彦新代表が30日午後に開かれた衆院本会議で95代、62人目の首相に指名された。 代表選直後から挙党一致を掲げている野田首相、注目を集めている幹事長人事では、輿石東参議院会長に打診したが、輿石氏は固辞している。また、一部報道では、岡田幹事長については、官房長官や財務相など要職での起用を検討しているという。〈衆院での首相指名選挙の結果〉野田佳彦 308谷垣禎一 118山口那津男 21志位和夫 9福島瑞穂 6渡辺喜美 5平沼赳夫 4小沢一郎 1海江田万里 1鳩山邦夫 1横粂勝仁 1無効 1
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社会 2011年08月29日 14時37分
民主党新代表は野田佳彦氏
民主党、そして日本の新リーダーが決まった。29日、民主党の両議院総会で、代表選挙が行われ、野田佳彦氏が当選、民主党の代表となった。 今回の代表選には、前原誠司前外相(49)、馬淵澄夫前国土交通相(51)、海江田万里経済産業相(62)、野田佳彦財務相(54)、鹿野道彦農相(69)の5名が立候補。1回目の投票では過半数を得た候補者が出なかったため、海江田万里氏と野田佳彦の決選投票が行われ、野田氏が215票を獲得して、当選を果たした。野田氏はきょうにも党役員人事に着手、あす30日に衆院本会議で第95代、62人目の首相に指名される。 野田佳彦は早稲田大学政治経済学部卒業後、松下政経塾へ。千葉県議を経て1993年に日本新党から衆議院へ立候補、当選する。菅内閣では財務大臣を歴任している。
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社会 2011年08月26日 15時30分
食肉と文化 -動物を食べるということ-
8月11日、タイの東北部で1000匹もの犬を食用に密輸しようとした男らが拘束された。タイ人2人とベトナム人1人。密輸先は中国とベトナムだという。 この情報が流れたとき、ネット上で多くの日本人が「犬を食べるなんて…」と憤る声が多く流れた。圧倒的多数の意見は「犬のように賢くてかわいい動物を食べるなんて許せない!」というものである。 言いたいことはわからなくもない、この意見だけだと、一部動物愛護団体が「イルカやクジラのような賢くてかわいい動物を食べるなんて許せない!」という理論とまったく同じになってしまう。問題は「密輸」であることと「犬の捕獲経路」「食の安全」ではないだろうか? 密輸は当然犯罪である。その犬を誰かが飼っていたものであれば窃盗になる。野良犬であった場合、食の安全に疑問が残る。 ちなみに昭和の中ごろまで日本にも犬食の伝統はあった。つまりつい最近まで日本人は犬を食べていたのである。もちろん精肉店に売っていたのではなく、野良犬や自宅で飼っていた犬を食べることが稀にあったらしい。 古来日本には仏教と神道の影響により天武天皇4年(676年)に肉食禁止令が出ている。これは「絶対に肉を食べてはいけない」という意味ではなく、人々はそれなりに肉食をしていた。その食べていた肉は、牛や豚よりも、狩りで獲れた獣肉か犬が多かったようだ。戦国時代にポルトガルからやってきた宣教師のルイス・フロイスは「日本人は野犬や鶴、大猿、猫、生の海草などをよろこぶ」と書き残しているくらいだ。 江戸時代になると、肉食はかなり減る。 幕末に来日したアメリカ人の外交官タウンゼント・ハリスが、伊豆の下田にアメリカ領事館を構えていたころ、牛乳が欲しくて幕府の通訳に求めたことがある。 当時の日本人には牛を食べるどころか牛乳を飲むなんて習慣はなかったから、そんなキテレツな要求をされた日本人は心底ビックリしたという。当時の日本では、牛は農家の玄関先で飼われていた。人間と同居しており、また重要な労働力だったから、食べる事は何よりも残酷なことと認識されたし、子牛に与えるべき牛乳を奪うなどという発想もなかった。 それに比べると、むしろ犬の方が日常的に食べられていたという。なぜかというと、農耕民族である日本人にとって牛は労働力。しかし犬は狩りでもしない限りあまり役に立たないので、食用にもされていたという事だ。 逆にいえば、狩猟民族であるヨーロッパ人が犬を食べないのは、狩猟のパートナーとして役に立つから、食べるよりも使役するほうがいいと考えられたためと言える。 今でも中国やベトナム、韓国などで犬を食べる文化があるが、これらの国も農耕民族で、犬はあまり役に立っていないからと考えられている。 ちなみに日本でも韓国料理店にいけば、犬鍋が出されているのだが、その犬肉は中国からの輸入が主であるらしい。農林水産省の統計によると、犬肉の輸入量は2007年に77トン。ここ10年くらいで10倍くらい犬肉の輸入量が増えているとのこと。 そしてその犬肉がはたしてどれくらい衛生的であるか、安全であるかはまったくの疑問である。参照:http://ja.wikipedia.org/wiki/犬食文化(山口敏太郎事務所)
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社会 2011年08月22日 15時30分
虐待を受けた子どもの脳は萎縮する
あいかわらず児童虐待のニュースが絶えることはない。8月20日にも、声優の鈴池静容疑者が里子として育てていた当時3歳の保育園女児を虐待して死亡させた疑いで逮捕となる事件が起きたばかりだ。 08年に熊本大学とハーバード大学のグループと共同で行った研究によると、子どものときに長期にわたって激しい体罰を受けた人は、受けなかった人に比べ、脳の感情などをつかさどる部分が平均で20%近く小さくなっているという研究発表があった。 この研究では4歳から12歳までの間に、親から鞭や手でたたかれるなどの激しい体罰を長期にわたって受けたアメリカ人男女23人の脳を撮影し、人種や生活環境などの条件をそろえたうえで、体罰を受けなかった人の脳と比較。その結果、体罰を受けた人は、受けなかった人に比べると、脳の前頭葉のうち感情や意欲にかかわる部分が平均で19.1%、集中力や注意力にかかわる部分が平均で16.9%が、それぞれ小さくなっていることがわかった。 こうした脳の萎縮は、体罰によるストレスで起きたと考えられるとの事だ。研究結果によると、萎縮が見られた部分は、犯罪の抑制力にかかわる所でもあり、衝動的な行動を起こしたり、キレやすくなったりする可能性が高くなるとのこと。 『ニュートンムック ここまで解明された脳と心のしくみ』(ニュートンプレス刊)という科学雑誌によると「虐待、言葉の暴力、育児放棄など、親からの愛情のない養育をされた幼児は、知的は発達が遅れるだけではなく、身体の成長も遅れる」とのこと。しかし、幼児期のうちに養育者が変わり、愛情豊富な育児に返ると、脳や身体も平均値に戻るという結果も出ている。(注:決して、知的、身体的な発達が遅れている幼児に、親の虐待があるということではありません) また『病は気からの科学PART3』(高田明和著 講談社刊)によると、同様な文があり、さらに「長男長女は、次男次女よりも「しつけられる」ことが多く、この「しつけ」が抑制的に働くらしく、身長は、次男次女の方が高くなることが多い」とのこと。 また、子どもの立場を重視して育てると、子どもは反抗的ではなくなり、大人に依存しなくなり、他人に親切で協力的になるという結果も出ている。 放任・甘やかしはどうかと思うのですが、あまりに厳しいしつけは、かえって子どもの発育を阻害するということなのだろう。(巨椋修(おぐらおさむ)・山口敏太郎事務所)