社会
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社会 2014年03月31日 11時00分
内部告発スクープ! センバツ出場「福知山成美」運営の学校法人が破綻危機全行状(2)
ただ成美高の名誉のために言えば、近年東大、京大や阪大など国立難関大の合格実績を着々と積み上げている。このように高校の方は私学助成金も受け、文武両道校としての道を歩んでいるのだが、いかんせん学園経営は火の車だ。昨年末には「給料が出ない」との噂を一部教職員が耳にしたという。 「成美大学は、福知山市が特別補助金約27億円、大学が20億円を拠出し『公私協力方式』によって開学しています。そのため歴代の助役(現在は副市長)が学園の理事を兼任し、大学経営に関与してきました。それでも大学の自主独立をおもんぱかり理事長には就きませんでしたが、昨年末、ついに前副市長の小西氏が理事長に就任したのです。直接、市が大学に関与せざるを得なくなったのは、学園のメーンバンクが大学からのSOSに対し、条件として“市の保証”を要求したからです。短期資金を借り入れることで給料の遅配は回避され、急場をしのぎましたが、これで大学経営が立ち直ったわけではない。今後は、虎の子の旧女子高跡地を売却することで延命を図るつもりなのです」(元大学職員) 前出の竹下常務理事は、給与遅配および市からの条件融資に関して「事実ではない」と否定し、売却費については「財務管理に充てることで経営を上向かせる予定」と回答した。しかし、昨年度の赤字額は大学だけで約1億6000万円に上り、今後も定員割れが改善される見込みはなさそうであることから、学園の破綻は必至の情勢だ。 理事会の機能不全の例を一つ挙げよう。大学は'09年、鷹野和美学長時代に、学長解任に揺れたことがある。解任理由は、ご本人の名誉のためにここでは述べないが、鷹野氏は学長在任中に総合型地域スポーツクラブの全国組織『クラブリンクJAPAN』という団体と連携し『ウェルネス総合マネジメント』講座を開設。京都創成大(当時)を全国初の資格認定校にするという企画を立ち上げ、学生募集の目玉にしようとした。 実際に'09年度、この講座を受講し、ウェルネスマネジャーの資格を得ようと十数人が入学したのだが、彼らが入学したときにはこの講座を開設した鷹野氏は大学を去っており、この講座も事実上消滅していた。結局、学生は資格を取得することができずに卒業したのである。 大学は資格取得を目指した学生に対し、かけがえのない青春の時間を空費させ、経済的な損失を与えたことになったわけだが、理事会は事態の是正に動かず、また市当局も、このような理事会の無責任体質を問題にしなかった。いやしくも国の認可を受け、設置に際して国による“お墨付き”をもらっている大学が“詐欺的行為”を働きながら何のお咎めもなかったのである。 「この一件に対して理事会はまともに機能しておらず、加えて私学会計法に定められる残高証明を維持するために借り入れに頼っている大学が、これからも存続できるわけがありません。募集を停止した上で財務管理費と称する資金を、今年4月に入学してくる学生が卒業するまでの4年間に費やすのならわかるが、これを食いつぶしてから『破綻しました』では、在校生、職員のみならず市民にまで迷惑が及ぶ。これまで“小田原評定”を繰り返してきた理事会に対して、現理事長を通じて市長が決断を下すときがきていると思います」(元学園関係者) ところが市当局までもが、問題を先送りする気配のようで呆れるばかり。 「もし募集停止という事態になれば、大学設立のために投入した血税27億円について福知山市が責任を取り、市民に還元しなければならない。市としてそれはしたくないし、京都創成大は成美高校(旧制)OBの中村稔市長時代に設立されたもので、現・松山正治市長の責任は小さいとはいえ、『自分の代でつぶしたくない』と周囲に漏らしているのは自己保身と見られても仕方がない」(市政関係者) 名門といわれる福知山成美高校が、道づれになって消滅することがないよう祈るばかりだ。
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社会 2014年03月30日 11時00分
東京女子医大“医療ミス”発覚ウラ
2月に東京女子医大病院(東京・新宿区)で起きた耳鼻科の医療ミス。全身麻酔のための大人用の鎮静剤を2歳男児に投与した結果、死亡してしまったことが3月5日までにわかった。 「今回の事故で当初、病院側は公表を控えたい意向だったようです。しかし、遺族側が公にすることを強く求めたため、医療事故が発覚したのです」(東京女子医大関係者) ともすれば、隠ぺいが疑われても仕方ないような行為がどうして裏で行われようとしたのか。 実は、同大学の笠貫宏学長には医療ミスで刑事罰を受けた過去があることと、なにかしら関係があるのではないかという見方が新たに浮上しているのだ。 話は45年前に遡る。千葉大学付属病院時代の昭和44年、笠貫学長は看護師に採血をさせていたが、この看護師が吸引と噴出を間違えて接続。30代の男性は、そのまま静脈に空気が入り脳軟化症で死亡してしまったという。この医療事故は刑事事件として裁判となり、執行猶予の有罪が笠貫学長に確定している。 学校法人の学長に刑事罰の過去があることも驚きであるが、それが昨年に行われた同大学学長選などでも一切明らかにされなかったのも問題である。 「実は、東京女子医大を仕切っているのが千葉大学医学部の学閥。笠貫学長は言うに及ばず、今回の医療ミスも千葉大出身の耳鼻科教授だったという。医師の間には、医療事故調査会を設置しようという、警察当局などの動きに対して敏感な反応がある。とはいえ、それは医療ミスは発生しているものだから仕方がないという考えです」(同) 東京女子医大の今回の医療ミスと笠貫学長の知られたくない過去。因果は巡る。
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社会 2014年03月30日 11時00分
「消費増税に便乗」の非難轟々 USJ年間パス大幅値上げで暗雲
関西を代表するテーマパーク『ユニバーサル・スタジオ・ジャパン』(以下USJ=大阪市此花区)が3月8日から、年間チケット「ユニバーサル年間パス」の特別価格1万5800円を一気に1万9250円にまで値上げした。消費税アップを見越した値上げとはいえ、利用客は戸惑いを隠せない。 ここ数年、USJは、新アトラクションや家族向けの新エリアのヒット、中国や韓国を中心とする外国人団体客の増加もあり入場者数が増加。'13年度はついに開業以来の1000万人を突破した。今秋には約450億円を投入するという『ハリー・ポッター』エリアを新設するなど、前向きの話題に事欠かない。 「強気ともいえる今回の値上げも、この流れに沿ったものといえます。ただ、USJは値上げの理由に関して『新アトラクションへの投資の関係』と説明していますが、背景に右肩上がりの入場者増があることは間違いない」(経済誌記者) しかし、この入場者増こそが“落とし穴”となる可能性を孕んでいるという。 「USJを支えているのは、特別年間パスの利用者と言っても過言ではない。3回行けば元がとれる安さがウケて、大阪市内を中心に利用者を増やしてきたのです。新アトラクションを全面に押し出して新年間パスのPRに懸命のUSJですが、問題は今までの利用者がついてくるかどうかです」(在阪レジャー誌記者) 地元に住む利用客はこう話す。 「1万5000円で何回も来られるのなら(USJを)遊び場代わりに使えるからええなと思ってたけど、2万円は高い。今年はハリーポッターを見に一、二度行ったらええかなという感じです」 ただし、これまでの特別価格が破格に近いものだったことは確かだ。元USJの関係者が内情を語る。 「格安年間パスは、そもそも'02年の火薬不正使用、賞味期限切れの食材使用など、立て続けに起きた不祥事へのお詫びと、USJビギナーへのお試し料金として、'03年から期間限定の予定で設定されたものですが、好評なので定着してしまった。それを消費増税と新アトラクション導入のタイミングで、値上げしておこうということでしょう」 今後の集客に影響出るか。
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社会 2014年03月30日 11時00分
内部告発スクープ! センバツ出場「福知山成美」運営の学校法人が破綻危機全行状(1)
日々、熱戦が繰り広げられている春の甲子園。出場校の一つ、京都の福知山成美高校(足立透校長:以下成美高)の運営母体、学校法人成美学園(小西健司理事長)が揺れている。 同学園は成美大学、短期大学部、成美高(共学)で構成されているが、大学は2006年度から入学生を定員の半分も満たせず、このため私学助成金も受給基準を下回ることから得られていない。'00年に京都創成大('10年に現校名に変更)として創立された同大学は、以来赤字続きであるため、学園トップの理事長や大学長が頻繁に交代するなどゴタゴタ続き。それだけに'10年度には、大学基準協会の大学認証評価において『不適合判定』を京滋圏(京都・滋賀)の大学で初めて受けた問題大学だ。 そんな学園に今度は成美高女子硬式野球部(以下女子野球部)の体罰問題が発覚した。同校がメディアを集めて発表した内容は以下の通りだ。 《3月5日、同部で体罰が行われているとの情報提供を受けた同校が、職員や部員から事情聴取したところ、女子野球部の監督を務める女性職員が、昨年11月19日の練習中に1年生部員の左頬を平手で一度叩いた》 実はこの情報提供というのは、「N監督の体罰は常軌を逸している」との複数からの内部告発を受けた本誌が、学園の竹下謙三常務理事へ取材を申し入れたことに端を発している。 同校はN監督の無期限指導停止と自宅謹慎を命じた上で、『これ以外の体罰は確認されていない』とも発表したが、本誌の把握している体罰のレベルは、平手打ちという生やさしいものではない。関係者の告発の一部は以下の通りだ。 「昨年4月末、全国のメディアで報じられた『前髪切り事件』が起きています。この一件では『校則に則ったものだが、1、2年生部員42人の前髪を切った3年生部員2人の行き過ぎがあったため、この2人を注意し、保護者に謝罪した』とマスコミの取材に対しては取り繕いましたが、実際はGWの前、これに納得しない保護者と学校、N監督の間でもめたのです。前髪切りは、部員の9割近くがいる女子野球部寮で毎年行われていたようですが、監督命令でおでこが丸見えになるほど切られるケースもあったようです。N監督の暴力行為もひどく、過去には耐え兼ねて退部した部員もおり、腹の内では部員、保護者とも辞任してくれ、と願っているようです」 「『デブ』『ブス』と罵る、『死ね』と小突いたりするのは日常茶飯事です。前髪切り事件後に保護者、父兄から責任追及されたN監督は、謝罪もして辞任まで口にしましたが、夏の全国大会を前に出場辞退をチラつかされると保護者側はそれ以上の追及はできませんでした。沈黙は保護者同様、部員も同じで、今回の聴取や『桜宮高校体罰事件』後のアンケートにも、N監督から暴力を受けたとは誰もしゃべっていない。今回の処分でも甘いと感じている保護者が、連名で進退を迫るという動きが出るかもしれません」 同校男子硬式野球部の創立は明治4年で、甲子園には春夏計6回出場している名門校。一方、'09年に大学と同時に、しかも関西初の高校女子硬式野球部として創部された女子野球部も、昨夏の第9回全日本女子硬式野球選手権大会では準優勝している強豪だ。 女子野球部のN監督は、第3回女子野球ワールドカップ('08年8月、愛媛県松山市)で金メダルを獲得した日本代表チームのキャプテンを務めていた。部の練習は、京滋リーグ(京滋大学野球連盟)に所属する成美大の練習場を借りて行われている。周辺は住民の散歩コースになっており、監督の“罵声”だけでなく、バット、スパイクで尻、腹を蹴る光景を付近の住民はたびたび目撃しており“おっかない監督”と評判の人物だった。
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社会 2014年03月29日 17時59分
NHK副部長が同僚の財布から現金を抜き取る
NHKは3月26日、職場の同僚の財布から現金を繰り返し盗んだとして、横浜放送局かながわ東営業センターの男性副部長(49)を、「職員として許されない行為であり、責任は極めて重い」として、同日付で懲戒免職処分にしたと発表した。 NHKによると、副部長は12年から2年間にわたって、同県川崎市中原区の職場で、職員が席を外している間に、机やカバンの中の財布から数千〜数万円を抜き取っていた。 2月上旬、同僚の1人が財布から現金がなくなっているのに気付き、内部調査したところ、副部長の仕業であることが判明した。 副部長は盗んだことを認めており、「生活費の一部に充てていた。申し訳なかった」と話しているという。 被害を受けた同僚は13人で、被害総額は計約140万円にも上る。受信料の被害は確認されなかった。 被害を申し出た13人に全額返済しており、示談が成立。公金ではないことから、NHKは副部長を刑事告訴しない方針。 副部長は11年6月から、同センターに勤務しており、受信契約の交渉などを担当する管理職だった。 NHK広報局は「コンプライアンスの徹底を進めている中で誠に遺憾であり、改めて綱紀粛正に努める」としている。 人様の財布から現金を抜き取るのは、明らかに窃盗だ。クビにはなったが、告訴されないだけましというところか…。(蔵元英二)
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社会 2014年03月29日 16時00分
木嶋佳苗裁判“パジャマ”で登場の意外
'09年に発生した、いわゆる“結婚詐欺・首都圏連続不審死事件”で殺人などの罪に問われている木嶋佳苗被告(39)の控訴審判決が3月12日に開かれ、東京高裁は一審で下された死刑判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。 この日の東京高裁に用意された一般傍聴席は70席。372名もの傍聴希望者が列を作った。 「事件から約5年が経とうとしているにもかかわらず、いまだ世間から注目されているのは、“ブログ開設騒動”も影響しているのでは。今年1月から木嶋被告が支援者の手を借りてブログを立ち上げ、それが大々的に報じられましたからね」(社会部記者) ブログでは拘置所の食事事情や散髪についてといった“拘置所での日常生活”、さらに木嶋被告についての著作のあるジャーナリストやライターたちへの辛辣な意見が書かれていた。 「上告審では被告人の出頭義務が免じられていますので、実質彼女が公の法廷に姿を見せるのは、この控訴審判決が最後。そのため、彼女がどのような服装で来るのかも注目されていましたが、あろうことかパジャマ姿でした」(司法記者) 赤いチェックの開襟シャツに同じ生地の七分丈ズボン。サイズは身体にぴったりフィットしているわけでもなく、ほどよいリラックス感。足下は裸足にサンダルだった。 「一審ではジャケット姿やスカート姿など、身なりに気を使った様子も窺えましたからね。それなのに最後の舞台に“パジャマ”を選択したのは、彼女なりのこだわりがあるのかもしれません。例えば、私にとってはこの控訴審判決はただの通過点で大したことはないのよ、といった主張も考えられます」(同) 木嶋被告は一審の時から殺人などについて無罪を主張しており、弁護側は今回も、3名に対する殺人罪について動機はなく犯人でもないと主張。この判決を不当として即日上告している。
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社会 2014年03月29日 15時00分
元東芝社員・産業スパイ逮捕で始まる 安倍首相の“憎韓政策”強行シナリオ
『東芝』の研究データを韓国企業に売り渡したとして、3月13日に警視庁は同社の業務提携先の日本人元技術者の男(52=営業秘密侵害)を逮捕したが、この事件が“ゴネ得”韓国に異変をもたらしている。 社会部記者がこう話す。 「それが3月25日にオランダで行われることになった、日米韓首脳会談なのです。知っての通り、朴槿恵大統領は安倍首相との首脳会談を拒み、米国への“告げ口外交”に徹してきたが、この騒動に大慌て。『泥棒国家の汚名を着せられてはたまらない』と、事件後日本側との会談を強く望んだ。要は、安倍首相の強靭な“韓国潰し”のボディーブローが効き始めたのです」 ただ、それも無理からぬ話と言うほかはない。韓国企業が日本企業の研究員を高待遇で引き抜き、その技術を自国の製品に転用してきたのは明らか。一部では「先端技術の9割が日本からの盗用」との話もあるほどで、安倍政権のこの動きに歯止めを掛けなければ、韓国経済が沈没しかねない事態に陥るからなのだ。 もっとも、これは安倍政権が画策する“韓国潰し”の序章に過ぎないという。 官邸担当記者がこう語る。 「実は、日本政府は今後もこの摘発劇を加速させる方針なのです。ご存じの通り、朴政権は慰安婦問題で日本を断罪しまくっているが、これに怒り心頭なのが安倍首相。河野談話は見直さない考えを表明したが、慰安婦問題が捏造されたものだとの追及には躍起。ウォン高に喘ぐ韓国経済に『泥棒国家』の烙印を押し、慰安婦問題、竹島問題を根絶やしにしようとしている」 安倍首相が、そこまで韓国経済を雪隠詰めにしようとしているのには、確固とした理由があるという。国際アナリストが解説する。 「もともと、韓国経済は日本の戦後賠償金を原資に発展してきた。にもかかわらず、慰安婦問題で再び朴大統領が賠償金をせしめようとしているからなのです。そのため、安倍政権は産業スパイの逮捕と慰安婦問題の検証で、朴大統領を失脚させようとしているのです」 安倍政権に蔓延する“憎韓”の嵐は、今後さらなる広がりを見せそうだ。
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社会 2014年03月28日 11時45分
72歳の女装男が路上で警戒中の警察官を客引きして御用
なんとも背筋がゾッとする話だ…。 京都府警下京署は3月26日、路上で女装をして客引きをしたとして、府迷惑行為防止条例違反の疑いで、自称自営業の男(72=同府京都市下京区西七条掛越町)を逮捕した。 逮捕容疑は、同25日午後11時5分頃、同市下京区西木屋町四条下ルの路上で、客引きを警戒中の男性警察官(48)に、「2万でエッチしよ!」などと声を掛けて客引きした疑い。 女装男は約2分間付きまとい、最後には「1万でいいから」と値引きまでしたが、現行犯で御用となった。 同署によると、男は女装して男性に声を掛けることを繰り返していた。初犯は1964年で、直近では2006年に京都市内で捕まっていた。過去50年間、同様の手口で9回も逮捕歴がある常習犯だった。 容疑を認めた男は、「自分はオカマ」と供述。同署では、売春で生計を立てていたとみて、余罪を調べている。 男は身長150センチと小柄で、丸首セーターにひざ丈のミニスカート、黒タイツをはいていた。かつらは被っておらず自毛で、耳が隠れるぐらいのショートカット。 捜査関係者によると、「小柄だし、暗がりだと女性にしか見えなかった」というが、女性に見えたとしても、この高齢で需要があったのだろうか…。 現場は繁華街で、キャバクラ等の客引きが後を絶たない場所で、売春や売春あっせんを目的とした客引きも多いという。(蔵元英二)
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社会 2014年03月28日 11時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第69回 焦る日本政府
消費税増税を控え、最近、日本政府の「焦り」が目立つようになってきた。 例えば、甘利明経済再生担当大臣は、3月11日の閣議後の記者会見において、 「政府は賃上げの環境整備のため、法人税の減税を前倒しして原資を渡している。利益が上がっているにもかかわらず、なんの対応もしない企業は、経済の好循環に非協力的だということで、経済産業省からなんらかの対応があると思う」 と、語った。 「いつから日本は統制経済国家になったのだ」 と、皮肉な感想を覚えてしまう。「無条件」の法人税減税をした際に、企業が政府の要請に応じて賃上げをする「義務」などないことくらい、はじめからわかっていそうなものだが。 政府が法人税を(無条件に)引き下げた場合、企業側は何もしなくても純利益が増える。増えた利益を賃上げに使うのか、国内に設備投資するのか、株主の配当金に回すのか、内部留保を積み上げるのか、あるいは「外国に投資」するのかは、企業の勝手である。 当たり前だが、企業が内部留保を増やし、海外に直接投資をしたところで、日本国民の雇用は増えず、所得も拡大しない。 だからこそ、筆者は「法人税減税は設備投資(もちろん国内限定)減税と賃上げ減税に限定するべき」と主張し続けていたのだ。設備投資減税や賃上げ減税ならば、政府が法人税を引き下げた際に、国内に雇用が創出され、国民の所得が「必ず」増える。 一応、日本政府は設備投資減税や賃上げ減税も実施するのだが、合わせて復興増税の前倒し解除が決定した。すなわち、無条件の法人税減税である。 我が国の'13年第4四半期(10〜12月期)の経済成長率は、予想通り速報値から下方修正された。実質GDPで見た経済成長率は、対前期比わずか0.2%。日本経済は失速した。 しかも、土木・建設産業等で人手不足が深刻化し、公共事業の消化すらままならない。この状況で4月に消費税が増税され、国民の消費は確実に減る。 そんな環境下において、民間企業が喜んで賃上げに応じてくれるだろうか。あり得ない。無条件の法人税減税で純利益が増えた企業は、内部留保を積み増し、投資するとしても「海外」というのが関の山であろう。 一部、4月のベアを決断した大手企業もあるが、それにしても基本給を1%程度引き上げるに過ぎない。消費税増税により、名目の物価は2%上昇する。ベアが行われた企業ですら、実質賃金はマイナスに陥る。 実質賃金が下がり続けると、国民は怨嗟の声を上げる。何しろ、消費税により物価が上がっても、「政府に分配される所得」が増えるだけの話で、国民の所得が大きくなるわけではないのだ。 無論、日本政府は消費税増税による経済の落ち込みを受け、大慌てで補正予算を組もうとするだろう。5.5兆円の景気対策も、すでに決定している。 とはいえ、現在の日本は「デフレ」から「インフレ」へと移行する過渡期で、かつて経験したことがない歪みを抱えている。すなわち「人手不足であるにもかかわらず、実質賃金が低下している」のが現在の日本だ。 政府が緊急的に財政支出を拡大し、景気を下支えしようとしても、土建産業の供給能力不足がボトルネック(制約条件)になり、短期ではどうにもならない。結果、安倍政権の支持率は激減することになる(我が国の「正しい人手不足の解消方法」については、本連載第65回、第66回で解説した通りだ)。 その時点で、政府が、 「法人税を減税したにもかかわらず、企業が賃金を十分に引き上げなかったせいだ」 などと言い訳をしたところで、誰も聞く耳を持つまい。 もう一つ、日本政府にとって衝撃的な事実がある。 それは、アベノミクスにより円安が進行した2013年すら、我が国の輸出がそれほど増えていないという現実だ。 日本の財(製品)の輸出額は毎月せいぜいが6兆円程度で、実のところ民主党政権時代と比べて劇的に伸びているわけではないのだ。 日本銀行は3月10日〜11日に開催した金融政策決定会合で、輸出について、前月の「持ち直し傾向にある」から「このところ横ばい圏内の動きとなっている」へと下方修正した。 実は、我が国の製造業はリーマンショック以降の輸出激減を受け、工場を続々と海外に移し、国内産業の空洞化がさらに進んだのだ。結果的に、単純に「円安になれば、輸出が増える」状況ではなくなっているのである。 それどころか、円安は鉱物性燃料の輸入価格を引き上げる。我が国は現在、全ての原発を停止しているため、LNG(液化天然ガス)に代表される鉱物性燃料の輸入総量が激増している。そこに円安が被さってきたため、「輸出が増えない中、輸入金額だけがひたすら増える」有様になり、貿易赤字が膨張していっているのだ。 貿易赤字は「日本国民の所得が海外に流出した」と同じ意味である。 結局のところ、金融政策を拡大し(これ自体は間違っていないが)為替レートを円安に導き、法人税を引き下げ、企業の投資を喚起するという、新古典派的な経済政策は現在の日本に適していないのだ。 何しろ、資本移動は自由化されており、企業は資金的余裕が生じたときに、国内投資ではなく海外投資に振り向けることができる。 今後の安倍政権は、特に来月以降、「こんなはずではなかった」ケースに相次いで遭遇することになるだろう。 その時点で「経世済民」の基本精神に戻り、軌道修正をかけられるか否かにより、安倍政権が長期政権になるか、あるいはレームダック(役立たずの政治家)化するかが決まる。三橋貴明(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、わかりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2014年03月27日 13時00分
自動車業界“丸呑み”計画 トヨタ巨大王国の傲慢
トヨタ自動車に驚愕のシナリオが囁かれている。系列メーカーを次々と完全子会社に組み込み、世界に冠たる巨大な『トヨタ王国』を築き上げようとの野心的構想だ。 これには伏線がある。トヨタは2012年1月、グループ企業のトヨタ車体と関東自動車工業を完全子会社化した。しかし、ここへ来て浮上した再編構想はスケールが違う。軽自動車のダイハツ工業(トヨタ51.1%出資)、トラックの日野自動車(同50.1%出資)など過半数の株式を保有する企業だけではなく、16.4%を出資する富士重工業、さらには5.8%出資のいすゞ自動車まで呑み込むという野心むき出しの計画なのである。 「実は去年の暮れごろから密かに業界内で囁かれていたのですが、内容が壮大過ぎるため眉にツバする向きが少なくなかった。最近になって一部メディアで報道されたのを機に『あの御曹司が仕掛け人ならば、ひょっとして…』との見方が広まってきた。しかし、名指しされた企業だってトヨタとの付き合いには濃淡がある。それを無視し、資本の論理を全面に出したら返り血を浴びかねません。それこそ、ウクライナ騒動の再現です」(ライバル社幹部) ご承知のようにトヨタは2013年の世界販売実績で998万台を達成、GMやフォルクスワーゲンを抑え2年連続で「世界一」の勲章を手にしている。その余勢を駆って今年は1032万台の目標を掲げ、消費税増税の影響が危惧されるとはいえ、3年連続の世界一に向けてスタートを切ったばかり。そんな光輝く同社に、なぜ世間が目をむくシナリオが公然と囁かれるのか。 「一連のアナウンスは御曹司の周辺から出ているのがミソ。要するに豊田章男社長の意向を汲んだ周辺筋が意図的にリークしているフシがあるのです。実際、『トヨタは富士重工を完全子会社化し、スズキも買収してしまえ』と激烈なエールを送った評論家さえいる。見返り期待かどうかはともかく、世の中には御曹司を『男にしたい』と切に願い、そのためには汗をかくことさえいとわない面々が少なくないのです」(トヨタOB) ここに言う章男社長の“応援団”が見据えているのは「次の次の財界総理に他ならない」と、このトヨタOBは指摘する。 「経団連会長は2期4年が通例で、5月に就任する東レの榊原定征会長は2018年で任期が切れる。その後釜に章男社長が座れば2020年の東京オリンピックを“財界総理”で迎えられる。この勲章を確実なものにするためには、完全子会社化ラッシュでトヨタ王国の圧倒的存在感を見せ付ける必要があるのです」 東京五輪に向けての布石も打っている。豊田社長は昨年11月、経団連が新設したスポーツ推進委員会の委員長に就任した。オール財界を挙げて東京五輪を支えようとの狙いで、豊田委員長は東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の副会長に就くことが、ほぼ決まっている。現在、同委員会の会長は森喜朗元総理だが「開催は6年後。年齢的に途中交代もある。そうなれば章男社長が経団連会長兼務で組織委の会長に就く場面もある」(財界関係者) 実は当初、東京五輪組織委の会長に推されたのはトヨタの張富士夫・名誉会長だった。年齢などを理由に固辞したことから森元首相が就いた経緯があり、2020年には章男社長が最大のスポンサーとして“五輪の顔”になっていたとしても不思議ではない。 問題はそこに至る道筋だ。完全子会社化と簡単に言うが、これには膨大な資金が要る。 3月12日時点でダイハツの時価総額は7355億円。完全子会社には現在の保有株を差し引いても約3680億円が必要だ。時価総額8693億円の日野自動車にも4386億円の大枚が欠かせない。まして富士重工に至っては時価総額2兆1794億円、いすゞも時価総額1兆537億円とケタ外れ。たとえ株式交換の荒業を駆使したとしても、4社の完全子会社化には「少なく見積もっても3兆円超のビッグマネーが必要だ」と、M&Aに詳しい投資ファンド関係者は打ち明ける。いくら“トヨタ銀行”の異名を取る同社とはいえ、そう簡単に調達できる金額ではない。 「それでも御曹司の強いリーダシップの下、奇策を弄して買収に走る可能性はあるが、相手企業が簡単に軍門に下る保証はない。特に役員を送り込んでいない富士重工、いすゞの両社は激しく抵抗するでしょう。これをどう攻略するか。下手すると東京五輪開催時の財界総理どころか、世論の集中砲火を浴びて失脚しないとも限りません」(前出・トヨタOB) 周囲をイエスマンで固め、聞き心地のいい情報にばかり接しているといわれる“御曹司”だが、その傲慢さが世間に露呈するのも時間の問題か。
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都知事選 浅野スニーカー街頭演説でセクシーポーズ
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2007年03月23日 15時00分
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2007年03月22日 15時00分
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【独自】MEGA BIG2億円当選者・造船太郎、“楽して”儲けたい 興味はNHK党への出資が0円になるか3億円になるか
社会
2025年04月21日 18時25分
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カラテカ入江慎也、闇営業で得た教訓は「人と人をつなぐ怖さ」 反社の見極め方は「金の使い方」
芸能ネタ
2025年06月01日 12時00分