この日の東京高裁に用意された一般傍聴席は70席。372名もの傍聴希望者が列を作った。
「事件から約5年が経とうとしているにもかかわらず、いまだ世間から注目されているのは、“ブログ開設騒動”も影響しているのでは。今年1月から木嶋被告が支援者の手を借りてブログを立ち上げ、それが大々的に報じられましたからね」(社会部記者)
ブログでは拘置所の食事事情や散髪についてといった“拘置所での日常生活”、さらに木嶋被告についての著作のあるジャーナリストやライターたちへの辛辣な意見が書かれていた。
「上告審では被告人の出頭義務が免じられていますので、実質彼女が公の法廷に姿を見せるのは、この控訴審判決が最後。そのため、彼女がどのような服装で来るのかも注目されていましたが、あろうことかパジャマ姿でした」(司法記者)
赤いチェックの開襟シャツに同じ生地の七分丈ズボン。サイズは身体にぴったりフィットしているわけでもなく、ほどよいリラックス感。足下は裸足にサンダルだった。
「一審ではジャケット姿やスカート姿など、身なりに気を使った様子も窺えましたからね。それなのに最後の舞台に“パジャマ”を選択したのは、彼女なりのこだわりがあるのかもしれません。例えば、私にとってはこの控訴審判決はただの通過点で大したことはないのよ、といった主張も考えられます」(同)
木嶋被告は一審の時から殺人などについて無罪を主張しており、弁護側は今回も、3名に対する殺人罪について動機はなく犯人でもないと主張。この判決を不当として即日上告している。