この日、原監督の口から連覇を目指す34人のサムライの名前が明かされた。イチローや松坂が順当に選ばれる一方、左ヒザを手術した松井秀喜や候補全選手が辞退を表明した中日勢は1人も選ばれなかった。
当初、思い描いていたドリームチーム構想から軌道修正をせざるを得なかった。それでも指揮官は「同じチームで戦った松井秀喜とも何度も話をしました。コンディショニングという点において不安があるかもしれない。このメンバーに発表できなかったというのは私のみならず、日本のファンも少しがっかりしたと思う。しかし、コンディショニングということを考えれば、このメンバーが私は100%だと思います」と現段階でのベストメンバーであることを強調した。
紆余曲折を経て第1次メンバーが固まった原ジャパンは、連覇に向け早くも動き出した。
まず、原監督は投打のキーマンを指名した。前回大会でも活躍したイチローに「このメンバーの中で最も経験が多いし、同時に期待も大きいと思います。彼が勝負師としてサムライジャパンの前面に出て戦ってくれるでしょう。困ったことがあれば、監督として力になりたい。サムライジャパンの中で、大きな力になってくれることは間違いないと確信しています」と全幅の信頼を寄せる。
投のキーマン松坂には、14日に電話で話し「代表、そして投手陣の中での中心として戦ってくれ」とエールを送ったという。先発投手の軸として使うことを明言した。
さらに、原監督の中では投手起用プランができつつある。WBCでは球数制限があるため、投球数によって強制的に投手を交代せざるを得ない状況も出てくる。その対策として「(その回の先頭バッターからなど)ランナーのいない状況では先発陣を、ランナーがいるならリリーバーを出す。先発、リリーバーは1ゲームでそれぞれ2人ずつ使いたい。そして、最後にクローザーという形を作りたいという理想を持っています」と戦況に応じた2パターンの投手リレーのプランを練っている。“二刀流”の継投策で臨むというわけだ。
原マジックはそれだけではない。「野球選手にとって一番重要なのは、コンディション。コンディショニング次第では当然、きょう発表していない選手たちから(選考することも)も大いにあり得る」と隠し玉も匂わせた。今回は落選した松井稼頭央らが、急きょ呼び寄せられる可能性もあるわけだ。
連覇に向け、あの手この手と模索する原ジャパン。2月16日の宮崎合宿からスタートすることになる。