三沢さんの急死から一夜明けたこの日、広島中央警察署から「頸椎離断」と死因が発表され、遺体は東京へと運ばれた。
一方で、ノアの博多大会は通常通り施行。献花が寄せられるなど、詰め掛けた多くのファンが方舟の盟主の死を悼んだ。
試合前には選手全員で追悼の10ゴングが鳴らされ、三沢さんの入場曲「スパルタンX」が流れると、大「ミサワ」コールが巻き起こった。
百田光雄副社長は「三沢社長自体が満身創痍の状態でも必ずリングに上がってきた。三沢社長の意思を継ぐという意味では、選手全員とも話したんですが、やっぱり決行すべきじゃないかと」と開催に至った理由を説明。
今シリーズは最終戦(22日、東京・後楽園ホール)まで通常通り興行を行う。葬儀については遺族の意向もあり密葬の予定で「ファンの方には改めて違う形でお別れする場を作らないといけないと思う」(百田福社長)と、追悼イベントの開催を示唆した。
今後については密葬が終わり、シリーズ終了後に役員会を開いて決めていくという。
三沢さんの突然の訃報にみんなが肩を落とす中、さらに残念なニュースが発表された。GHC王者の秋山がヘルニアのためシリーズを欠場。ベルトを返上することになったのだ。全治は未定。一体秋山の身に何があったのか。
西永秀一渉外部長によれば「(腰は)シリーズ前から痛めていました。昨日病院に行きましたが、立っているのがやっとの状態のようです」と明かした。
リング上に上がった秋山は「ふがいなさとともに申し訳ない気持ちで一杯です。本来ならGHCヘビー級王者として最高のプロレスをみせないといけないのに、それが出来ません」と号泣。「チャンピオンベルトを返しました」とタイトル戦線からの一時撤退を表明した。
とはいえ、そう落ち込んでばかりもいられない。現在、方舟は大黒柱不在の状態。この状況を立て直さなければならない。それだけに陰ながら支えていく人物が必要となってくる。
「これからも選手一同、一生懸命がんばりますので、よろしくお願いします」(秋山)。方舟は“新たな羅針盤”を探すことになる。