巨人対DeNAの第3戦(3月28日)は、ロースコアの投手戦となった。巨人サイドから見た展開になるが、0対1で迎えた6回裏、無死二塁と一打同点の場面を迎えたが、続く松原聖弥は送りバントを失敗。原辰徳監督は先発の今村信貴投手をそのまま打席に立たせ、もう一度、送りバントのサインを出したが、こちらも失敗してしまった。今村に代打を出す選択肢もあったはずだが?
「1点ビハインドの展開でしたが、今村も好投していました。原監督も勝ち星をつけさせてやりたいと思ったのでは」(ベテラン記者)
8回からは大竹寛をリリーフ投入した。その後、2アウトを取ったものの、走者を一人出したところで、左腕・高梨雄平を送った。梶谷隆幸のタイムリーで追いついた後、9回は中川皓太が投げ、引き分けに。今季は新型コロナウイルス禍による影響で「9回打ち切り制」となった。
延長戦に突入しないため、同日のように試合終盤の2イニングに3人のリリーフ投手を送り込むこともできる反面、先発投手を交代させるタイミングが難しくなった。「9回打ち切り制」に適した投手継投策が優勝争いのカギとなるだろう。
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そもそも、この「9回打ち切り制」だが、3月18日に緊急開催された12球団実行委員会で方針を固め、同22日の代表者会議で正式決定した。
「試合開始時間を前倒しはともかく、9回打ち切り制に難色を示す球団も少なくありませんでした。でも、受け入れざるを得ないということで…」(球界関係者)
その頃、在留資格を持たない外国人選手が来日できず、各球団は頭を抱えていた。
先の球界関係者によれば、12球団は政府や東京都に「入国手続きの緩和」を申し出ていたものの、色よい返事はもらえなかった。
「プロ野球界全体でも感染防止対策をさらに強めましたという、具体的な動きを政府や東京都に見せなければなりませんでした。それが試合開始時間の前倒しと9回打ち切り制だったんです」(前出・同)
その“お願い”の交渉は斉藤惇コミッショナーやNPB幹部が行っていたが、巨人・山口寿一オーナーも駆り出されたとの情報も聞かれた。そう言えば、原監督がこれから来日する外国人選手について、「12球団合同の隔離プラン」を提案したこともあった(3月8日)。原監督が公の場で“感染防止策”を語ることで、ファンの反応を確かめていたのかもしれない。
巨人が入国手続きの緩和のために尽力した件はもっと評価されるべきだが、こんな指摘も聞かれた。
「DeNAとの開幕3連戦を終え、13失点、チーム防御率は4点台です。バント失敗、主力投手たちの失点などゲーム内容は良くありません」(プロ野球解説者)
試合後、原監督は「2勝1分けと好スタートが切れましたね?」の記者団からの問いに、「あのう、…そう思います」と含みを残した物言いを見せた。執念で同点に追いついたが、ゲーム内容に納得していなかったのだろう。球界全体のための活動は大賛成だが、チーム状況を見直す時間も必要のようだ。(スポーツライター・飯山満)