同番組では大堀の動向を毎週伝えた。地方にキャンペーンに出かける姿、スナックに交渉して飛び入りで歌う姿。AKBの中では決して人気が高かったわけではない大堀だったが、初めてつかんだチャンスに奮闘した。そして、26日放送分で結果が出た。
最終日前日までに8586枚。残り1414枚を1日で売らなければ卒業である。ラスト1日は5度のハグ会(CD購入者には大堀から“ハグ”のプレゼント)で費やされるのだが、思ったように客足が伸びない。このままでは卒業が決まる。大堀に重圧がのしかかる。3度目のイベント直前、情緒不安定に陥った彼女は控室で激しく嗚咽し、さらには過呼吸に!
この模様がすべて放送されたのだから前代未聞だ。モーニング娘。を輩出したオーディション番組「ASAYAN」にもこんなシーンはなかった。
なんとか立ち直った大堀だが、まだ枚数は足りない。最後のイベントが始まろうとすると、そこに現れたのはAKBのメンバー! 仲間を助けたいという思いから、駆け付けたのだった。思わず涙する大堀。
すべてのイベントが終了し、枚数が発表される。結果は、1万125枚。大堀は辛うじて卒業を回避した。泣き崩れる大堀のもとに駆け寄るメンバー達。何度見ても泣ける!
ここに第2の「ASAYAN」がスタートした。テレビ番組主導でアイドルが輝けることを証明したのだ。アイドルに関して見たいもの、テレビに期待することがすべて詰まっていた、今年のベスト番組だった。
大堀本人にとってはあまりに酷な体験だったかもしれない。ただ、アイドルを主人公にしたエンタメは必ず世間に届くのである。
(写真=過酷な企画を見事乗り越えた大堀恵に拍手!)