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「私、テレビの味方です」AKB48が見せた友情に涙

 今週取り上げるのは、これしかない。先月26日放送の「AKBINGO!」(日本テレビ)だ。AKB48のレギュラーである同番組では、この夏からある企画が進行していた。それはAKB48の最高齢メンバーである大堀恵(25)がソロCDシングル「甘い股関節」を発売し、1カ月の期限以内に1万枚売れなかったらグループを卒業しなくてはならない、というもの。CDがなかなか売れないこの時代に1万という数字は過酷である。

 同番組では大堀の動向を毎週伝えた。地方にキャンペーンに出かける姿、スナックに交渉して飛び入りで歌う姿。AKBの中では決して人気が高かったわけではない大堀だったが、初めてつかんだチャンスに奮闘した。そして、26日放送分で結果が出た。

 最終日前日までに8586枚。残り1414枚を1日で売らなければ卒業である。ラスト1日は5度のハグ会(CD購入者には大堀から“ハグ”のプレゼント)で費やされるのだが、思ったように客足が伸びない。このままでは卒業が決まる。大堀に重圧がのしかかる。3度目のイベント直前、情緒不安定に陥った彼女は控室で激しく嗚咽し、さらには過呼吸に!

 この模様がすべて放送されたのだから前代未聞だ。モーニング娘。を輩出したオーディション番組「ASAYAN」にもこんなシーンはなかった。
 なんとか立ち直った大堀だが、まだ枚数は足りない。最後のイベントが始まろうとすると、そこに現れたのはAKBのメンバー! 仲間を助けたいという思いから、駆け付けたのだった。思わず涙する大堀。
 すべてのイベントが終了し、枚数が発表される。結果は、1万125枚。大堀は辛うじて卒業を回避した。泣き崩れる大堀のもとに駆け寄るメンバー達。何度見ても泣ける!

 ここに第2の「ASAYAN」がスタートした。テレビ番組主導でアイドルが輝けることを証明したのだ。アイドルに関して見たいもの、テレビに期待することがすべて詰まっていた、今年のベスト番組だった。

 大堀本人にとってはあまりに酷な体験だったかもしれない。ただ、アイドルを主人公にしたエンタメは必ず世間に届くのである。

(写真=過酷な企画を見事乗り越えた大堀恵に拍手!)

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