被害者の本当の息子は、いずれも兵庫県西宮市にある関西学院中等部を卒業している。兵庫県警は、同窓会名簿などを悪用した詐欺事件の可能性があるとみて捜査している。
県警によると、宝塚市内の女性(70)は12月13日、長男と名乗る男から「携帯電話の番号が変わった」と連絡があった。14日には「交際している既婚女性を妊娠させてしまった」と連絡があり、400万円を指定する口座に振り込んだという。
また、神戸市と西宮市の女性2人(いずれも70)も、14日に同様の手口でだまされ、それぞれ400万円を振り込んだ。3人の被害総額は計1200万円にも上る。
不審な電話を受けたのは、この3人にとどまらない。同12〜14日、西宮市や神戸市東灘区など阪神地域で次々に発生。いずれも、息子が関学中等部を卒業している家で、同様の不審電話がかかってきたのは計20件近くに及んでいる。
県警生活安全企画課は「すぐに振り込まず、まずは息子に電話して確認してほしい」と注意喚起している。
今のところ、被害が確認されたのは3人だけだが、被害額は1人400万円で、決して小さくはない額。判断能力が鈍った高齢者から、大金をだまし取る犯罪は許されるものではなく、これ以上の被害が出ないことを祈るばかりである。
(蔵元英二)