同署によると、女性宅に11月18日午後9時頃、東京都内に住む長男を装った男から「会社の書類が入ったカバンを置き忘れた」と電話があった。さらに翌朝、同じ男から「カバンの中に会社の子会社の小切手が入っていた。このままではクビになる。2000万円を用意できないか」と電話があり、話を信じた女性は約3時間後、男が指定した東京都東久留米市内の路上で、長男の会社の同僚を名乗る20歳代とみられる男に、現金2000万円を手渡した。
同じ男から20日と21日にも、「他にも小切手があった」と電話があったため、20日に埼玉県新座市内の路上で現金1650万円、21日に東京都東村山市内の路上で750万円を手渡した。被害総額は計4400万円。
女性は22日に長男に連絡を取ったところ、だまされたことが分かった。
女性は介護が必要な夫と2人暮らしで、貯金の大半をだまし取られた。金融機関で現金を引き出す際、オレオレ詐欺の被害を心配した職員が注意喚起したが、「夫の入院費が必要だ」とウソの説明をして、それを振り切ったという。
それにしても、4400万円は尋常な金額ではない。老夫婦にとっては、コツコツと貯めた老後の大切な資金。それを1度ならずも、3度にもわたって、だまし取ってしまうとは許されるものではない。
(蔵元英二)