しかし、本物の息子の携帯電話番号を消去させ、自身の番号を教えるために、詐欺師が使う言い回しは様々だ。
「無言電話がかかってきて気味が悪いから、携帯電話の番号を変えた」の他に、「トイレで転んで、携帯電話が壊れた」「ノロウィルスにかかり、その時、携帯をトイレに落としてしまった」などという、トイレを題材にして新しい電話番号を教えようとする手口も目につく。
また、警察官を騙り、「捜査員を向かわせますので、キャッシュカードを渡してください」と電話をかけ、カードを騙し取ろうする手口も相変わらず多い。こうした詐欺の電話は、電話帳や何らかの名簿などを見てかけるため、同じ区域の人たちに同時にかかってくる傾向がある。
まもなく撲滅月間は終わるが、今後も被害拡大を防ぐためにも、こうした振り込め詐欺の電話がかかってきた場合、自分は引っかからなかったと安心するだけでなく、常に警察への通報を念頭に置くことを忘れてはならないだろう。
(「悪徳商法ライター」多田文明)