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「破産者マップ」閲覧不可状態続く 関係者の反論にも批判相次ぎ、集団訴訟騒ぎも

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画像はイメージです

官報に掲載されている「自己破産者」を可視化して地図上に掲載するサイト「破産者マップ」が話題となっている。ネットで議論となる中、18日現在、サイトが見られない状態となっており、波紋が広がっている。

 破産者マップは、2018年12月にサービスをスタート。官報に掲載されている地図上に債務者の名前、住所、官報公示日を掲載している。インターネット版の官報は直近30日間分に限り、無料で閲覧できる。これとは別に有料の官報情報検索サービスもあり、こちらは1947年以降の官報の情報を検索できる仕組みになっている。破産情報を誰でも見えるように公開する行為に対し、批判が集まっていた。

 同サイトが個人情報を漏洩させたことで、「間接的(地域での風評)、直接的(個人情報の漏洩)な嫌がらせ」を受けたとして、裁判を起こされている。集団訴訟サイト「enjin」では「破産者マップに関する集団訴訟」というプロジェクトが立ち上げられた。現段階で被害総額は1億3680万円となっており、68名の「被害者」が参加。さらに複数の弁護士が「プライバシーの侵害に当たる」としてサイトの差し止めに向けて動いているという。

 「enjin」には、破産者マップに掲載された個人やその弁護士、司法書士から800件を超える削除依頼が届いている。現在も「破産者マップ削除申請フォーム」を開設し、対応に追われている状況だ。しかし、削除依頼時には身分証明書の提出を求められており「個人情報収集が目的か」とネット上で指摘する声もある。

 破産者マップの「係長」を名乗るツイッターアカウントからは18日、「サーバーが落ちたようです。アクセス多過ぎです」「サーバーは復旧したのですが、地図がうまく表示されてません、しばらくお待ちください」との投稿があった。これは連日のサーバー負荷によるものなのかもしれないが、それ以外にもさまざまなトラブルが発生しており、サイト運営は難航しているようだ。

 類似サイトとして有名なのは2005年に開設された「大島てる」。「事故物件」情報を提供しており、殺人事件、自殺、火災などの事件、事故で死亡者が出た不動産物件を紹介するサイトだ。開設当初は物議を醸していたが、近年では安い家賃で部屋を借りられるという理由から、引っ越し物件の検索に活用している人も多いそうだ。

 破産者マップには開設当初から賛否両論が出ていた。「うちの家の前のアパートに破産者2人もいた。笑えない」「このマップがダメなら、帝国データバンクなんかの有料の信用情報提供サービスはどうなるの?」「これは完全にアウトでは?過去に破産した人を検索できる破産者マップ、個人情報ダダ漏れ」「インターネットで、しかもマップでわかりやすく載せてしまうのは、 さらし者にするのと同義」とさまざまな意見が寄せられていた。

 前出の「係長」はこれらの批判を受けて「誰もが自由に見ることができる状態で官報を公開してる図書館や大学も、破産者の名誉を傷つけているのでしょうか?」と、さらに周囲を煽った。これには「大学も図書館も所在と責任者を明らかにし、それぞれ公共性の担保や責任の所在明らかにしてるが貴方はそれをやってるのかね」「不特定多数に故意的に拡散してる所がアウト」「破産者ではない個人再生者や復権を得ている人たちの名誉は毀損してるでしょ」などと批判が集まっている。

 いまだに「破産者マップ」の復旧の目途はたっていないようだが、今後の動向に注目が集まる。

引用について
破産者マップの公式ツイッターより
https://twitter.com/WMGjqEkelvEtglX

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