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『エア・ギア』第31巻、ゴスロリ女装男子の絆

 大暮維人が週刊少年マガジンで連載中の漫画『エア・ギア』第31巻が3月17日に発売された。オリジナルアニメ「エア・ギア 黒の羽と眠りの森 -Break on the sky- Trick2」を収録した限定版も発売されている。

 『エア・ギア』は空を飛ぶことも可能な特殊なシューズ「エア・トレック」を装着したライダー達の戦いを描く作品である。この巻では捕らえられた野山野梨花を救出するため、主人公の南樹(イッキ)率いるチーム小烏丸が米軍空母内で暴風族連合・ジェネシスと戦う。そこではイッキと雷の王・鵺、オニギリと武内宙など様々な戦いが繰り広げられる。
 注目はシャーロットとアーサーのコンビの戦いである。シャーロットはゴスロリ少女の風貌で、口調や性格がサディスティックというツンデレ萌え層に大人気のキャラクターであった。アーサーはマゾヒストで、シャーロットから「うじ虫」呼ばわりされるなど外道な女王様に虐げられる役回りである。
 このような関係は尾田栄一郎の人気漫画『ONE PIECE』のスリラーバーク編に登場したペローナとクマシーにも見られるが、シャーロットの場合は実は男性というヒネリまで加えられている。この点で女装男子・男の娘の観点からも注目されていた。

 人気急上昇中の二人であったが、アギトとの戦いはマル風Gメン・鰐島海人の乱入によって劣勢を強いられる。ピンチに直面したシャーロットは轟の王のアーサーだけは生かそうとする。しかし、アーサーは「僕はね、王である前に君を守る騎士なんだ」と言い、身を挺してシャーロットを守ろうとした。シャーロットも自らダメージを負って、アーサー一人が犠牲になることを阻止した。単なる変態SMコンビではなく、二人の深い絆が明らかになった。

 その後、物語は海人の回想シーンに突入する。若い頃の海人や初代荊の王・ガゼルとの関係などが明らかになる。回想シーンは次巻に続いており、シャーロットとアーサーがどうなったかと共にガゼルの謎も次巻に持ち越しとなった。
(林田力)

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