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NYで最も有名な都市伝説「下水に棲むアリゲーター」とは

 数年前にNYのあるコーヒー店に入ったところ、トイレに「アリゲーター(以下ワニ)がトイレに顔を出しました」という張り紙があって、(えっ?)と思ったところ、それは都市伝説を元にしたジョークだった。

 NYで最も有名で、アメリカ人ならほとんど知っている都市伝説が、ワニが下水に住んでいるという話なのだ。トーマス・ピンチョンの1963年の小説「V」で、フロリダでおみやげとして購入された小さなワニを、持ち主がトイレに流したのが繁殖したという内容が、伝説の広まったきっかけで、そのワニはアルビノで目が見えず下水のゴミとネズミを食糧にして巨大に成長したとピンチョンは書いている。が、実はこれは30年代からある古い伝説なのだ。

 しかも、それは伝説に留まらず、NYのブロンクス川で3フィート級のワニがたくさん死んでいるのが1932年に見つかっている他、生存しているワニもイーストリバー他で見つかっている。

 今月にはNY郊外のロングアイランドでも持ち主に破棄されたと見られるワニが4匹見つかっている。

 日本でも大ヒットした「Xファイル」の中には人間が変化した「生物」が下水に棲んでいるというエピソードがあるし、「バットマンリターンズ」には実の両親に下水に流され、下水道を
舞台に悪事を働く「ペンギン」が出てくる。

 アメリカ人は下水が好きなのかもしれない。(セリー真坂)

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