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次クル芸人 〜新時代に輝くホープたち〜 (Vol18 あばれる君)

 テレビに出まくっているわけではない。しかし、『日10☆演芸パレード エンパレ』(MBS系列)や『オンバト+』(NHK総合)などで見せる熱血コントは、脳裏に焼きつく。あばれる君。クセになるピン芸人だ。(伊藤雅奈子)

 −−春を過ぎたあたりから、テレビ露出が増えましたね。

 「たしかに、街で声をかけられることが増えましたね。このまんま、むきだしで歩いてるし、(コント時と同様に)汗かいてるし(笑)。汗って深いですよね。一生懸命に見えるというか。『あばれる君を見てると、自分も仕事がんばろうと思います』って言ってもらえたり、facebookでメッセージが来たりして、男子からも、女子からも。そういうパワーみたいなものを与えられてるのかなって思いますけど。さっきマネージャーさんから、『若手芸人でファンレターがいちばん多い』って聞いたばかりなんで、今じつはすっごい驚いてるんですけど…」

 −−さすがは旬な芸人さん! さて、さきほど出た“汗かいてる”コントは、どのようにして作っているんですか?

 「自分が徹底的に追いこまれるシチュエーションを作って、それをいかに打開するかっていうのを考えて、箇条書きにしていって、それらをパズルみたいに組み合わせていくんです。たとえば、“グラタン”のネタがあるんですけど、40分出てこない、クレームが出る、店長がいる、店を守りたいっていう、板挟み。これをどう打開するのかってなると、お客さんのところ行って、交渉して。その交渉も何パターンも考えてっていう。このネタにかんしていうと、居酒屋でバイトをやってたときの、ちょっと実体験ですね。ほか(のネタ)は、ひねり出して考えたりして」

 −−生みの苦しみを味わうタイプですか?

 「そうですね。ノートを何回も、書き直して、書き直して。接続詞の1語にもこだわります、“が”なのか、“を”なのか。汚いんですけどね(と言いながら、バッグからネタ帳を取り出す)。たまにサインの練習をしたり、“強くなれ! 心身共に。”って書いたりして(笑)。これで、1か月1冊ペース。1冊から、できるネタは1本ですね」

 −−努力なくして、笑いは生みだせないんですね。最後に、今後の目標を聞かせてください。

 「2014年の『R-1ぐらんぷり』の優勝! 今まで、最高で2回戦なんですけど(苦笑)、そのときは音響を後輩に頼んでて、そいつの音響がデカかったんじゃないかって、今でも思ってるんですけど…。あとは、単独の成功ですね(※1)。初めてなんですけど、やれることは全部やって、本気でお腹の底から笑わせるって思ってます。あとは〜、映画、ドラマ、そういうのに出たいです。演技はめっちゃヘタなんですけど、やればもしかしたら化けるんじゃないかって。一応、映画には出たことがあるんですよ、役所広司さんの山本五十六に(11年/『聯合艦隊司令長官山本五十六 太平洋戦争70年目の真実』)」。

 −−それはすごい!

 「台詞はなかったですけど。でも、映りましたよ。肩だけ(笑)」

【プロフィール】‘86年9月生まれ、福島県出身。ワタナベエンターテインメント所属。2009年デビュー。

(※1)初単独ライブ『わるがき君』
9月7日(土) 13時半開場14時〜/17時半開場18時〜
場所:東京・新宿シアターブラッツ
チケット:2,500円

Twitter https://twitter.com/abarerukun
公式ブログ http://ameblo.jp/abareru-kun/

(この連載は次回、8月最終週に更新)

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