−−KOCの直後に、なぜ所属事務所を退団したんですか?
森田「もう1年以上前、『キングオブコント』のずっと前から、辞めたいという話は事務所にしてたんです。大阪に限界を感じてたいうのもあって。でも、『もうちょっと待ってくれ』みたいなやりとりがずーっとあって、東京行きを決めてからも、その意思が変わらなかったということですね」
東口「僕は大阪で売れたかったんですけど。でも、こいつが、彼女が東京に転勤になったこともあって、『東京に行きたい!』って(苦笑)。でも、まぁ、フリーでどこまでやれんのか、冒険したいいうのはありました」
森田「結局、『キングオブコント』でああなっても、売れてないですからね。謙遜でもなんでもなく。顔もささないから、ファイナリストTシャツ着て、コンビニ行ったろうか思います(笑)」
東口「こっからどないなるんかって、多大な不安がありますけど。でも、助けてくれる芸人さんが多いので、地道にやっていこうかなぁって」
−−当時はYahoo!トピックスにあがり、さまざまな憶測記事も出ました。
東口「(ニュースになるほど)俺ら、売れてたっけ? って。自分の携帯で、『若手芸人、解雇か?』って記事を見つけて、えっ、俺ら、こんなことになってんの? って、驚きましたよ」
森田「親からメールきました、『ええ売名行為やな』って(笑)」
東口「そっから1週間、ツイッターでどんなことつぶやいても、記事になってましたから」
森田「2ちゃんねるでは、“理由は犯罪”って書かれてて。先輩からすぐ電話かかってきて、『東口が女でヤリよったか!?』って。僕の窃盗かこいつの女絡みか、そのどっちかって思われたみたい(笑)」
東口「こっちからすると、どれがバレたんやろうって(笑)」
−−現況と、今後の展望を聞かせてください。
森田「フリーになって、前より一生懸命バイトを探すようになりましたね。前は、少ないなりにも(月収の)計算ができたんですけど、今はまったくわからないんで」
東口「まずは、東京に来たっていう変化があるわけですよ。ここからどういう動きをすればいいのか、まだ手探りで。今はまだ、お客さんの感じが、大阪と違うなぁということしかわからないです。基本的に、東京のほうが笑おうとしてくれる感じですね」
森田「今年の目標は、『キングオブコント』の決勝に行くことしか、考えられないですね。そこを意識して事務所を辞めたというのもあるんで、返り咲ければ、これが正解だったと言えるでしょうし」
東口「この目標は、2人一緒。行かれへんかったときのことは考えんとこうって」
森田「ダウンタウンさんを見て育った“ごっつ世代”なんで、もう1回、あのステージに立ちたい(※1)。ダウンタウンさんにネタを見てもらえるなんて、しょんべんチビるぐらいのことですからね」
(※1)KOCの総合司会を務めるのはダウンタウン。伝説のコント番組『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系列/1991年〜97年)を見て育った世代は、俗称・ごっつ世代と呼ばれる。
【プロフィール】森田哲矢(左) ‘81年8月生まれ。東口宜隆 ‘85年10月生まれ、ともに大阪府出身。フリー。2007年結成。単独公演『野良』が5月2日(19時)、3日(14時&19時)に、東京・新宿SPACE107で開催。さらに、出演する舞台『仮想童貞』は5月21日〜26日、東京・シアターシャインにて。
東口のTwitter https://twitter.com/sarabahigasi
森田のTwitter https://twitter.com/saraba_morita
(この連載の次回は、5月最終週に更新)