−−ひとつのボケにたいして、井口さんがたくさんのツッコミを入れる漫才は、どのように生まれたんですか?
井口「2012年の元旦に『爆笑レッドカーペット』のオーディションがあったんですけど、それまで、民放のオーディションに落ちまくってたんで、どうせ今回もダメだろうと思って、やけくそでツッコミまくったんですよ。そしたら、受かって(番組に)出られた。んですけど、そこからまったく自分のものにできなくて、『オンバト+』(NHK系)にも落ちるし、ウケないしで、半年ぐらい封印したんですけど、『THE MANZAI』の予選2回戦からやりだした。そこからですね、テレビに呼んでもらえるようになったのは。
河本「偶然生まれたツッコミですけど、もともと、こいつのツッコミは長かったんですね」
−−事務所の先輩である爆笑問題さんからのアドバイスは?
井口「去年の『漫才新人大賞』(社団法人 漫才協会主催)で、爆笑さんが司会で、僕らはたまたま決勝に残ってて、初めて僕らの漫才を見ていただくってことになったんです。でも、僕らが漫才をすると会場がザワつくという(苦笑)。漫才協会のビシッとした漫才ばかりの中、僕らみたいに、漫才と呼べるかどうかわかんないような、異質な漫才って、太田(光)さんは嫌いだろうなぁって思ったんですよ。終わってから、感想を聞きに行ったら、「おもしろかったよ。俺はああいうの、好きだよ」って言ってくれたんで、じゃあ、この路線で思いきりやろうと。『THE MANZAI』に落ちても、太田さんがおもしろいって言ってくれたから、言い訳できるやって」
河本「今みたいに基本、井口が全部しゃべっちゃうんで(苦笑)、もう(話すことが)ないんですけど…。飲んだ席とかで、太田さんとも田中(裕二)さんとも、お笑いとか真面目な話はしないですね。下ネタ、女…のことを僕が話すのを、聞いてくれてます。といっても、しゃべれないですけどね、爆笑さんの前だと緊張して」
井口「今もしてんじゃねぇか! ぜんぜん声出てないし」
河本「取材、苦手なんです…」
−−今年はどんな年にしたいですか?
井口「去年は、なんじゃこれ!? っていう珍しさとシステムでウケてたような気がするんです。今年、もうそれはなくなるし、進化を問われていくと思うから、やっぱり、『THE MANZAI』決勝に行きたいですね。みなさんに知られたうえで、勝ち上がる。そのためにも上半期、たくさんテレビに出て、いっぱいネタを作って。タイタンからは『M-1(グランプリ)』でも決勝に行けた漫才師はいないので、僕らが行って、恩返ししたいですね。あとは、タイタンにも若手がいるぞ! って見せたいです」
河本「クリーニング屋のバイトを、辞めたいです。今はだいぶ減ったんですけど、きれいさっぱり、辞めたいです」
井口「なんか、ほかないの?」
河本「スタッフさんに間違われないようになりたい。『THE MANZAI』(のワイルドカード)で僕だけ、ピンマイク付けられなかったから」
井口「おまえは究極の“じゃないほう芸人”だからなぁ」
【プロフィール】井口浩之(左) ‘83年5月生まれ。河本太 ‘84年1月生まれ、ともに岡山県出身。タイタン所属。2008年結成。事務所ライブ『爆笑問題withタイタンシネマライブ』が2月8日(金)、19時半から開催http://www.titan-net.co.jp/cinemalive.php。
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(この連載は今月で最終回)