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鈴木ムネオ氏の“ワケあり新党”が抱える矛盾

 仮釈放中の元衆院議員、鈴木宗男新党大地代表(63)が、暮れも押し迫った12月28日に新党大地・真民主(大地・真民主党改め=宗男代表)の設立を総務省に届け出た。

 年末の新党結成は政治の世界では慣例。これは、政党交付金を受け取るための算定基準日が通常1月1日とされているためで、ムネオ新党の政党交付金狙いは明らか。新党大地は政党交付金を受け取らない方針を示していたが、新党はもはや、宗男氏の個人政党ではなくなったとして、「民主主義に乗っ取って」との考えで交付金を受け取る意向。

 政党交付金を受け取るには「所属国会議員5人以上」が必要だが、参加したのは前新党大地代表代行の浅野貴博衆院議員(33)、民主党を離党した石川知裕衆院議員(38)、民主党を除名された松木謙公衆院議員(52)、無所属(元新党日本)だった平山誠参院議員(59)、そして民主党を電撃離党した“さくらパパ”横峯良郎参院議員(51)のギリギリ5人。正直、員数合わせのイメージはぬぐえない。

 集まった面々は“ワケあり”ばかり。石川議員は小沢一郎衆院議員の元秘書で、10年1月に政治資金規正法違反で逮捕されたため、民主党を離れ、現在係争中。代表代行兼幹事長に就任した松木議員は昨年6月に、菅内閣不信任決議案の採決で賛成票を投じ、民主党を追われた。平山議員は昨年9月に国会開会式に出席した天皇陛下を携帯電話のカメラで撮影したとの指摘や、実体のない地方住所を届け出て、航空券を不正受領したとの指摘を受けた。横峯議員は航空券の不正受領、恐喝事件関与、賭けゴルフ等、数々の疑惑をもつ。このワケありメンバーで、どれほどのことができるのか不安も覗く。

 ところで、宗男代表は「与党側で活動していく」と表明している。ただでさえ、新党には民主党を離れた石川議員、松木議員、横峯議員が在籍する。そんなことをいわれても、民主党も困るのではないか。ましてや、新党は野田佳彦首相が目指す消費増税や環太平洋連携協定(TPP)交渉参加に反対する考えを示している。宗男代表が与党側に付きたい意思は分からぬではないが、首相と政策が違うのでは連携のしようがなく、はなはだ矛盾した発言と思えてしまう。
(蔵元英二)

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