暴行事案は今年1月、広陵高校野球部の寮内で、野球部の規則を破って寮内でカップ麺を食べた当時1年生に対し、2年生だった複数の部員が暴行を加えたというものだ。関係者によると、被害を受けた生徒は全治2週間のけがを負い、3月末に転校した。
この暴行事件が発覚したきっかけは、被害生徒の保護者とみられる人物によるSNSへの投稿だった。投稿時期が甲子園の開幕直前だったこともあり、SNSで一気に拡散。X(旧Twitter)には「辞退すべき」「甲子園出場(決定)が全くうれしそうに見えなかった」といったコメントが相次いだ。
出場辞退を求める声が続出するなか、そのまま大会に出場。初戦で北海道の旭川志峯高に勝利し、2回戦にコマを進めた。しかし、その3日後に広陵高校は出場辞退を発表した。
過去にも、出場辞退した学校がある。2005年、すでに甲子園出場を決めていた高知・明徳義塾に部員の不祥事が発覚し、開幕直前に出場を辞退した。今回の広陵高校の不祥事は初戦を終えてからの辞退で、大会途中での出場辞退は史上初ということもあり、大きな話題となった。
最終的に辞退したものの、SNSでの批判は収まらなかった。Xには、「今さら辞退しても遅い」「初動を間違えた大人たちの都合で、皆が不幸になった」など、厳しい意見が寄せられた。
この騒動には、プロ野球OBも反応。巨人でプレーし、ヤクルトと西武で監督を務めた広岡達朗氏は、辞退は不要だったと訴え、高野連の対応の甘さを指摘した。
今回の書類送検に関する報道に対し、芸能人もコメントしている。野球ファンとして知られるアイドルグループ・仮面女子の猪狩ともかは、自身のXで「いじめは犯罪として裁く社会にしていかないといけない」と加害者に厳しく対応する姿勢を求めている。
事件を起こしたのは生徒だが、周囲の大人が適切に対応できていなかったために、ここまで問題が拡大してしまった。生徒を守るためにも、大人は早急かつ適切な対応が求められる。

