この日は、技能実習生として縫製工場で働いているベトナム人女性が、番組に低賃金、長時間労働、住環境の劣悪さを訴えるという内容の特集を放送。ベトナム人たちは、ノルマの厳しさから手が変形してしまったり、正しい給料が支払われていないことなど現状を話していた。また、番組密着中に4人はシェルターに保護されていたが、6月初旬、工場に残った実習生の一人が脳溢血で倒れ、いまも意識不明の状態になっていることが紹介された。
この特集は大反響を呼び、ネットからは、「番組見てショックだった。こんな企業日本にいらない」「外国人だからって不当に搾取するなんて許せない」「非人道的すぎる。見ててこんなに悲しいドキュメンタリーはない」という声が殺到。番組では、地名や工場名などは出されていなかったものの、工場の外観を映すシーンがあり、一部ネットユーザーから、この企業を特定しようとする動きが見られた。
これにより、番組に出ていた工場を所有していたのが、今治タオル「森清タオル」販売・運営する株式会社オルネットだということが判明し、Google口コミ評価が荒らされるなど炎上状態に発展していた。これを受け、株式会社オルネットは、25日に自社の公式ホームページ上で、「NHKの今治タオルに関する一部報道について」という文面をアップ。その中で、「当社ではないかという問い合わせが何件か寄せられていますが、当社は関連会社を含め、技能実習生の雇用をしておりません」とネット上の憶測を否定した。また、NHKの『バリバラ〜障害者情報バラエティー〜』公式ツイッターアカウントも同日、「昨夜の『ノーナレ』でバリバラに出演してくれた技能実習生たちをあらためて取材しました。ただ、取り上げた会社とは無関係な会社がネットに出ています。問い合わせや苦情が殺到し、困っておられます。控えて下さいますようお願いします」と呼びかけていた。
とはいえ、このあまりにひどい実情にネットからは、「企業名を出してください」「誤認が広まる前にこの企業の名前を教えてほしい」という声や、「中途半端に外観を映すからこうなる」「工場の外観出したら森清タオルに迷惑掛けるってことは容易に想像できそうだけど」とNHKに対する非難の声も出ていた。
業界全体への不買運動にも発展しかねない事態になっているこの騒動。果たしてどのような決着を迎えるのだろうか――。
記事内の引用について
株式会社オルネット公式サイトより http://orunet.com/jp/
『バリバラ〜障害者情報バラエティー〜』公式ツイッターアカウントより
https://twitter.com/nhk_baribara