−−2013年のKOCが迫ってきました。
池田「去年はほんっとに悔しくて、頭が真っ白になりました。その年、“芸人が選ぶネタがおもしろい芸人”で、バイきんぐさんが1位で、僕らが2位。っていうのもあったんで、正直、(決勝に)行けると思ってましたから。去年は、準々決勝で名前が呼ばれなくて、頭を抱えちゃって。頭を抱えるなんてこと、自分でやるなんて、思ってもみなかった。で、そのとき、相方は何してたかっていったら」
宮澤「風俗に行ってまして…。去年は、『キングオブコント』2回戦がある前日が単独ライブだったんで、ほぼ1か月、禁酒・禁欲してたんですよ。で、単独が終わり、『キングオブコント』が終わって、ちょっとそういうお店に」
池田「電話したんですよ、『ダメだった』って。そしたら、心ここにあらずな返事で。のちのち聞いたら、店を出た直後だったみたいで。コンビで、絶望と絶頂にいたんです(笑)。後日発表された追加合格で、準決勝に行けまして。決勝発表のときは、ちゃんと現場にいましたけど」
−−今年の自分たちに、“キテる感”はありますか?
池田「事務所ライブで、毎月新ネタをおろしてるんですけど、ぜんぜんすべりますよ」
宮澤「でも、いろんなライブからお呼びがかかるのは、この1年ですごく増えて、7月は20本出たんです。その数だったり、今秋の学祭はもう何件かオファーがあるというのを聞きますと、去年と比べたら、グッとキテるのかなぁという気はしてますけど」
池田「嫌ですけどね。ライブに出て、バイト行って、家に帰っての繰り返しなんで、これじゃ、なんにもおもしろいこと起きないなって。平穏な日々が流れてるようじゃ、ヤバイ。ライブの数を減らしたほうがいいんじゃないかと、思ってるんですけど」
−−いやいや(笑)。そんな池田さんの“2億顔”(※)が、ライブで浸透しています。
宮澤「伝統芸の域に達しつつありますね」
池田「いや、葛藤ですよ! 売れてもなく、認知されてもいないのに、ライブだけでウケちゃってるから、世に出したいものが、このまま終わっていくんじゃないかって、怖いです。そもそもあの顔、相当練習しましたけど、当時はまだ実家に住んでて、親に芸人やってることを隠してたんですよ。親が起きてる時間に練習できないから、夜中の3時に起きてやってたら、目撃されてたらしく。夜中の3時に、鏡に向かって、30(歳)近くの息子が、ヘンな顔してるって、怖くなっちゃったらしい(笑)。しばらくして、『じつは芸人やってる』って打ち明けて、合点がいったらしいですけど」
宮澤「今年の『キングオブコント』で決勝に行って、売れて、“2億顔”が有名になったら、宝くじのCMが来るかなぁと思ってるんですけど。あっ、そうなると、出られるのは相方だけか…。だったら僕は、得意分野を伸ばしていきます。大好きなプロレス! そっちのほうで、なんとか…」
(※)希望価格を、ことごとく2億円で落札されてしまうという設定のコント「オークション」。司会役の宮澤が「2億!」というたびに、競り落としたい客役の池田が驚愕。その際に見せる表情がテッパンでウケるため、芸人仲間から“2億顔”と呼ばれ、イジられている。
【プロフィール】宮澤聡(左) ‘84年5月生まれ、東京都出身。池田勝‘81年12月生まれ、神奈川県出身。マセキ芸能社所属。2008年デビュー。
宮澤のTwitter https://twitter.com/pmonozawamiya
宮澤のブログ http://ameblo.jp/1bombaye/
(この連載は次回、9月最終週に更新)