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放送開始『家政婦のミタ』『HUNTER』は兄弟姉妹の関係性に注目

 放送開始の連続ドラマも登場した先週は兄弟姉妹の関係性に注目である。

 まずはベタベタのタイトルながら、これまでの家政婦イメージを覆し、好調な滑り出しとなった日本テレビ系『家政婦のミタ』。12日放送の第1話「崩壊寸前の家庭にやって来た笑顔を忘れた氷の女」は笑いあり、ホラーあり、涙ありの内容であった。母親が亡くなり、父親と4兄妹が残された阿須田家に家政婦・三田灯(松嶋菜々子)が派遣される。冒頭の時間きっかりに訪問するところから、有能さを演出している。実際に非常に有能な家政婦なのであるが、無表情で笑わず、余計なことは話さない。父親の阿須田恵一(長谷川博己)から「家政婦らしくない」と言われたほどである。

 三田は家政婦として言われたことをストレートに遂行するために、依頼者の意図を越えた結果となることもある。三田にとってはマジメな依頼遂行であるが、周囲から見ると常識外れの行動になっている。そのギャップが軽ければ笑いを生むし、重たいものは何を考えているか分からない不気味さとなってホラーになる。
 依頼遂行には常識外れなところがある三田であるが、後半では三田の極端な依頼遂行が子どもたちの抑圧していた思いを吐き出させ、家族の絆を強めるという泣かせる展開となった。この結果を三田は意識しているのか、無自覚なのか。どのような過去があったのかなど三田への興味は尽きない。
 『家政婦のミタ』では一つの家庭(阿須田家)を舞台とする方向性であるが、この阿須田家は少子化の進む日本では珍しい4人兄妹である。兄弟姉妹のキャラクターが立っており、家庭内の波乱を楽しめる。また、亡くなった母親の年の離れた妹・結城うららを演じる相武紗季は、前々クールの『リバウンド』と同じく暑苦しいキャラクターである。邪険にされながらも、姉の家庭にこだわる、うららにも姉への深い思いが隠されていそうである。

 続いて11日に第1話「フツーの女たちが賞金稼ぎ! 警察より先に解決よ」を放送した『HUNTER〜その女たち、賞金稼ぎ〜』。2007年に警察庁が導入した「捜査特別報奨金制度」をテーマとしたドラマで、報奨金目当てに賞金稼ぎを行う元キャビン・アテンダントらの物語である。
 賞金目当ての犯人逮捕という設定は、きれいなヒーロー像とはギャップがある。ドラマでは警察の怠慢や失踪した妹を探すという主人公・井坂黎(米倉涼子)の切迫した動機を入れることで、賞金稼ぎへの流れを自然にしている。特に主人公の妹への屈折した感情が見どころである。妹探しという縦糸の存在がドラマを骨太にしている。

 兄弟姉妹の関係性という点では戦国時代の浅井三姉妹を描く『江〜姫たちの戦国〜』も外せない。16日放送の第40回「親の心」では新たに竹千代(水原光太)と国松(松島海斗)兄弟のすれ違いも描かれる。勝者の歴史観では江や国松を悪く描かれることが多いが、『江』は江が主人公である。江(上野樹里)が国松を偏愛しても仕方がないと思わせる自然な演出になった。竹千代は江に心を開かないにもかかわらず、江と国松の関係を羨むという矛盾した態度になっており、兄弟の波乱に注目である。

(林田力)

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