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ブルース・リーのただひとりの師匠、イップ・マンの人生を描く『イップ・マン 葉問』が上映

 伝説のアクションスター、ブルース・リーの生誕70年にあたる今年、TIFFではアジアの風特集上映にて『生誕70年記念−ブルース・リーから未来へ』のプログラムが組まれ、彼のただひとりの師匠、イップ・マンの人生を描く『イップ・マン 葉問』が上映された。

 中国武術・詠春拳の達人であるイップ・マンを演じたドニー・イェンと、共演&アクション監督のサモ・ハン・キンポーのアクションを目の当たりにしたばかりの会場内は、感動の拍手で沸き立った。その中、日本人にして香港映画界の超VIPアクションスターであり、“和製ドラゴン”の異名を持つ倉田保昭氏と、カンフー映画では並ぶ者がいないほどの著作量を誇る知野次郎氏が登場した。知野氏のナビゲートの下、ファンには嬉しい裏話が飛び交った。

 倉田氏は「1970年代のまだ香港映画が知名度の低い時に単身香港へ飛び、アクション俳優として身を立てた。『怒りの鉄拳』のセットで初めて彼に会ったが、それまではブルース・リーのことは名前も知らなかった。168cmで以外と小柄だったが、握手には力が入って、それがなんともかっこよいのです。武道の話もしたが、女性の体の胸が大きいとか、どの女性の尻が大きいとかいう話ばかりしていた(笑)。それに、ハードコンタクトを落っことして探している姿を見て初めて近眼だったと知った」と、武道家ブルース・リーの意外な一面を披露、交友関係を伺わせた。しかし、また一方で「西洋でも上半身裸でアクションをする見せ方は彼の影響。たった主演4本でこれほど影響を与えられる人物は未だいないと思う」と未だにブルース・リーが神話化するほどの魅力を語り、知野氏も、『イップ・マン 葉問』の最後にも出てくる少年ブルース・リーは、ブルース・リーをリスペクトしている証」と本作の見所を語った。

 そして、「『燃えよドラゴン』ではアジア人の英語が聞き取りにくいのではないかと気にかけて、オーバーダビングしてまでアメリカで上映した方がいいか、と心配していたのに、その公開2週間前に突如の死。大ヒットしている様子を見ずに逝ってしまったことがあまりに残念すぎる」と生誕70年の節目に彼の死を嘆き、悼んだ。

 また、『七福星』でサモ・ハン・キンポーとジャッキー・チェンと共演した際の裏話も「サモ・ハン・キンポーとジャッキー・チェンは仲があまり良くなくて、間に挟まれお互いの言い分を聞かなければならなかった。」と暴露。

 最後にブルース・リーファンにとっては、たまらなく嬉しいサプライズが用意された。来月25日より本場中国で拡大ロードショーされる映画「李小龍」のオリジナルトレーラーがかかり、観客からはどよめきの声が上がり、拍手が起こった。

 イップ・マン旋風が吹き荒れること間違いなしの驚異のアクション・ムービー『イップ・マン 葉問』は、1月22日より新宿武蔵野館他にて全国順次ロードショー。また、本作の舞台から遡ること約15年、このプロローグにあたる『イップ・マン 序章』は、『イップ・マン 葉問』の動員が5000人を超えたら公開するというキャンペーンを実施する。

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