これまでRIZINのテレビ中継の中心を担ってきた“神童”那須川天心、“ツヨカワクイーン”RENAら世間的に知名度の高い選手が出場しなかったことも要因とされているが、RIZINの榊原信行CEOは「お茶の間に届く努力と実験をフジテレビさんといろいろしている」と話しており、RIZINとフジテレビの関係はまだまだ盤石と言ってもいい。6.2神戸大会では「あえて」3試合のみを完全生中継とし、他の試合を一切放送しない試みをしている。しかし、メインイベントで那須川天心がダウンを奪った場面がCM中に起きてしまうという格闘技ならではのハプニングが発生。フジテレビにはクレームが殺到したようだが、「チャレンジをした結果、起こってしまったこと。これからCMを入れるタイミングなどをしっかり話し合っていきたい」と榊原CEOは前向きに捉えている。
今回の大阪大会は、天心やRENAといったこれまで支えてきた“キラーコンテンツ”は出場しない見込み。目玉はライト級グランプリのトーナメント1回戦となる。これは、12.29、31にさいたまスーパーアリーナで開催される『RIZIN.20』『RIZIN.21』に繋がる大事なトーナメント。昨年は堀口恭司がバンタム級のトーナメントを制し、一気に知名度を上げているだけに、ライト級戦線の日本人選手には頑張ってもらいたいが、当初、榊原CEOが「説得してみせる」としていた朝倉未来の出場は見送られる模様で、フェザー級へのこだわりが強い未来に、RIZINがどのようなビジョンを提供していくのか注目したい。
また、8.18愛知大会でノンタイトルながら堀口を秒殺した朝倉海も大阪大会の出場は濃厚。榊原CEOは「大阪か年末」と、両者の再戦を早期に実現させたい考えなだけに、このカードが再び今度はRIZIN初上陸の浪速の街で、タイトルマッチとして実現するかもしれない。RIZINにとって、2大会ゴールデンタイムからは離れたが、その間に朝倉兄弟という“ニュースター”を生み出せたことは大きい。また、年末に天心との一戦を見据えている“元K-1ファイター”大雅も「もう1試合強い選手とやりたい」と話していたことから、今大会でカードが組まれるのではないだろうか。
大阪大会の結果は年末の2大会に繋がる。また、フジテレビにとっても大晦日の特番に向けた最終調整の場になるだけに、内容、視聴率ともに注目が集まるところだ。
(どら増田)