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注目は朝倉未来! RIZIN7.28さいたまスーパーアリーナ3大カードを徹底解説

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朝倉未来

 総合格闘技団体RIZINは28日、埼玉・さいたまスーパーアリーナで『RIZIN.17』を開催する。

 今大会はこれまで首都圏の大会では恒例だった地上波の生中継はなし。8月3日の26時からフジテレビの関東ローカルで1時間半の特別番組が放送される予定。これまでRIZINの地上波生中継をけん引してきたツートップの那須川天心が『RIZIN.16』(6月、神戸ワールド記念ホール)に出場し、堀口恭司が『RIZIN.18』(8月18日、愛知・愛知県体育館)に出場するのが大きく影響しているのだろう。

 しかし、今大会では第1弾カードとして発表された矢地祐介対朝倉未来、石渡伸太郎対佐々木憂流迦、元谷友貴対扇久保博正の3大カードへの反響が大きい。「お前を超えなきゃ、はじまらない」というコピーを添えた6人のポスターも「カッコイイ」と好評だ。

 この3大カードを、RIZINのマッチメイカーを務めるチャーリー氏が解説した。

 「矢地選手と未来選手は、打撃を得意とする者同士ですが、その打撃スタイルは違います。運動神経と反射神経、そして当て感など、天性の感覚を駆使して流れの中で戦う野生的な矢地選手に対し、無駄のない動きで効率よく打撃を当てながら試合を作っていくクレバーな未来選手。フィジカルでは体格の大きい矢地選手有利か」(チャーリー氏)

 「互いが絶対に負けたくないという感情を持つことは大切ですが、カウンターストライカー同士ということもあり、(打ち合いを避け)消極的な試合展開になる可能性もあるでしょう。日本人同士の戦い、ライバルとしての試合、次のステップにつなげるための試合だからこそ『負けない』試合ではなく『勝つ』ための試合ができるかどうかで次の時代が見えてくる一戦となります」(同)

 真夏の男祭りを象徴する矢地祐介が、RIZINで今、最も注目の若手ファイター・朝倉未来と激突するこの試合は大注目カードだ。

 6月に米国でBellator世界バンタム級タイトルマッチで勝利し、RIZIN初代バンタム級との2団体王者となった堀口恭司が君臨するバンタム級戦線。元谷友貴対扇久保博正の見通しはこうだ。

 「元谷選手と扇久保選手は、もともとフライ級(57kg)で活躍していましたが、今回はバンタム級(61kg)で激突します。総合的なレベルが非常に高く、何でもできて、どのポジションでも戦える。元谷選手の打撃はコンパクトで切れ味鋭く、扇久保選手は重く芯に効くイメージ。寝技においてはトップをキープして上から試合を組み立てていく扇久保選手と、上からでも下からでも積極的に技を繰り出す元谷選手。両者ともに戦績が豊富でファイトIQが高く、ハイペースで15分戦い抜けるスタミナを持ってますが、戦い方を比べると元谷選手の方がスタミナが豊富か」(同)

 「これだけ実力が拮抗している場合、最初のキーポイントはどちらが打撃の展開でアドバンテージを取るか。ある程度打撃での力関係が確立されたら、そこから「これぞ総合格闘技」という試合展開になるので、そうなった時のポイントは『際』。流れの『際』をより多く制した者が、勝利に近づくでしょう」(同)

 同じバンタム級の石渡伸太郎対佐々木憂流迦に関しても分析してもらった。

 「石渡選手と佐々木選手は、『俺の喧嘩を買ってください』『ああいうなめたやつが出てこないように頑張ります』というやり取りが行われた時、石渡選手はパンクラスのバンタム級王者になったばかり。憂流迦選手は修斗/VTJで8連勝中でしたが、歯車がかみ合わず結局試合は組まれませんでした。あれから5年5カ月。その間、石渡選手は国内にとどまり、憂流迦選手は世界に出た。この期間でどちらの選択が正しかったのか、どちらがより強くなったのか、ついにその答えが出ます」(同)

 「バックコントロールとバックチョークが代名詞の憂流迦選手ですが、全てはタックルを決めてから。石渡選手は腰が重く、タックルを裁く技術が非常に優れています。もし憂流迦選手がグラウンドの展開に持込めなければ、必然的にスタンドでの打撃勝負となるでしょう。石渡選手のボクシング技術とパワーに秀でており、憂流迦選手は身長とリーチのアドバンテージがある。試合のポイントはやはり憂流迦選手がテイクダウンを取れるか。またどれだけ労力をかけずにできるか。石渡選手はテイクダウンされてから立てるのか、またどれだけ早く立てるのか。この攻防で試合の流れが大きく決まると思います」(同)

 『RIZIN.18』8.18愛知大会では朝倉兄弟の弟、朝倉海が堀口恭司に挑むことが決定しているだけに、朝倉未来は朝倉兄弟2連勝を目指す。他の2カードは堀口への挑戦権を得るためにも結果が求められる試合になるだろう。

 さらに、10月の「RIZIN.19」で開催予定のRIZINライト級GPに向け、北岡悟、川尻達也、廣田瑞人らが出場をかけサバイバルマッチを繰り広げる。出場枠を勝ち取るのは誰なのか。KINGレイナ対ステファニー・レッガーらジョシカクや、大雅対町田光のキックボクシングの試合など計12試合がそろった。今回は派手さよりも内容が濃い大会になる。年末に向けたアツイ闘いに期待したい。

文/どら増田
写真/山内猛

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