北野武監督の15本目の作品。実は私はこの作品の現場に行くことができました。私の初現場です。
私は親分たちを門の前で見送る役、台詞はありませんでした。でも組長が退出する際には張り切って私は「オツカレサマデシタッ!」と挨拶をしていました。
もちろん普段の私はヤクザの組長さんに挨拶する機会などなく、挨拶の仕方やお辞儀の角度などは一緒に現場入りしていた厳つい男性たちから優しく教えて頂きました。
全員が悪人という中に迷い込んでしまったと思っていた私は、この時ほど人は見てくれで判断してはいけないなと…。
現場に着けばみんな役に入り込み組員の一人となっています。しかし、待ち時間に先輩たちの経験豊かな話を聞いてみれば楽しかったこと、過酷だった現場などと様々な話を事細かにしていただき時間はあっという間に過ぎてしまいました。
また、門の前に立っていることが幸いしていろいろな出演者やスタッフたちが私の前を通ります。その度に会釈の実戦練習…なかには通過する時「暑いのにご苦労さん」と言葉をかけていただき、その心遣いの言葉に感動を覚えた瞬間もありました。
確かに暑かったのですが、大好きな北野監督作品の現場に行けたこと、自分が知らない体験談を聞くことができたこと、半日でも現場の雰囲気を味わえたことなど、自分自身には濃く凝縮された経験と有意義な時間になりました。
そして7月上旬、映画『アウトレイジ』を観に行きました。自分にも分からない感じでしたが、最初の方に門の前でお辞儀をしてる男が…また、最後スクリーンに先輩役者さんと一緒に西田隆維の名前が…。是非是非観てください。
<作品プロフィール>
監督・脚本/北野武
主演/ビートたけし 椎名拮平 加瀬亮 三浦友和ほか
<プロフィール>
西田隆維【にしだ たかゆき】1977年4月26日生 180センチ 60.5キロ
陸上超距離選手として駒澤大→エスビー食品→JALグランドサービスで活躍。駒大時代は4年連続「箱根駅伝」に出場、4年時の00年には9区で区間新を樹立。駒大初優勝に大きく貢献する。01年、別府大分毎日マラソンで優勝、同年開催された『エドモントン世界陸上』日本代表に選出される(結果は9位)。
09年2月、現役を引退、俳優に転向する。10年5月、舞台『夢二』(もじろう役)でデビュー。ランニングチーム『Air Run Tokyo』のコーチも務めている。